NECのワードプロセッサ「文豪ミニ7RX」は大変使い易い製品だった。CPUにNECの16BitコンピュータV33が、メモリも640KB搭載されていた。これは、発売当時(1990年)のPC-9801RXと同等と言ってもよい。しかし永年使うとFDDのベルトの伸びや電源が原因による障害が必ず発生する。特に12〜13年を過ぎると電源絡みの障害が実に多くなる。ベルトは分解して交換すれば方がつくが、電源は部品レベルの交換が必要になってくる。以下は過去の作業メモから電源の障害をまとめたものである。2008年現在、使われている方は殆ど居ないと思うのは誤りで、運良く障害に合わないで使用されていたり、オーナーのように執ように修理対応している人など、未だにファンが居るのは本当の話である。
文豪ミニ7RXの電源不良(応急)対策について@



2003年11月22日(土)、「文豪ミニ7RX」を分解した。数日前に電源を入れたら、その瞬間緑色のパイロットランプが点くだけで、ウンともスンとも言わなくなっていたからだ。ところが写真の様に分解してから電源を入れると問題なく電源が入った。プリンター部を外しているから負荷が軽いからか?、自作のSCSIカード側か?、それともSCSIの外部チェーン側?・・・色々と想像を巡らせ順番に負荷をつないで行ったが電源は正常だった。最終的にSPCボードによるPC-9821Ap2とのHDD共有も問題なく行われている。・・・一体何が原因だったのだろうか?。
写真左は分解した文豪ミニ7RXで、右が本体、左上がプリンター部、左下がSCSIボードを取り付けた背面パネル。写真右は当初疑った電源部。

その後再び電源が入らなくなった(先月22日に同様の現象が発生したが、分解して組み上げてみると回復してしまい原因が分からないままでいた)。12月3日(水)再び分解し組み上げてみたが、今度は回復しないため思い切って電源基板を取り外してみた。すると部品から流れ出した液体が基板全体に広がり、一部は筐体にも接し腐食を始めていた。この液体が回路のHi-Z部分に影響を与え、例えばスイッチングレギュレータ用の発振回路を停止させていたのではと想像する。しかし、アルコールで液体を流し洗浄したが回復まで至らない。さあどうしようか・・・基板だけNECさんに頼もうか?。しかしこのワープロは「1999年にサービスを終えた」とNECが言っている。写真は取り出した電源基板と作業風景・・・ここまでやる人は余りいないだろう。時間と回路図があれば原因を追えるのだが、しかしメーカーに相談しても保守部品はおろか回路図も無いと言う。もはや自力でJunk品を探すしかない。本機に内蔵した自作SCSIボード経由で、外付けのHDDを読めないと年賀状の宛名書きが出来ない・・・。

昨日ネットオークションでゲットした文豪ミニ7RXが本日12月8日(月)届いた。落札から受け取りまでが17時間と言う素早い対応をして頂いた東京葛飾の御仁に感謝している。開梱してビックリ・・・こりゃ殆ど新品状態で分解してもホコリなどない。電源基板を取り外す「部品取り」だけじゃ余りにももったいないため、NG機から部品を移植する事に方針変更。まずFDDのベルトが伸びFDDからのブートが出来ないためNG機からFDDを移設。さらにNG機の改修マザーボードと自作SCSIボードも移設した。外にHDDをつなぎ自作起動ディスクでブートすると見事にHDD経由で高速起動が出来た。念のためテキストを熱転写でプリントアウトするが問題ない。これで本日到着したミニ7RXに全ての機能が移植された。動作は完璧である。写真右は左の電源NGの文豪ミニ7RXからFDDと改修マザーボード、それに自作SCSIボードを移植した文豪ミニ7RX。さて残った左側のは何にしようか?。

12月11日(木)、残された文豪ミニ7の電源の復活を検討する。そう言えば基板を取り出した時の強烈な電気部品のあの匂いが今は全くしない。テスターでAC100Vの整流アウトを当たると殆ど短絡状態である。これではAC3Aヒューズが光を出して飛ぶに決まっている。最近はスイッチングレギュレータ用の電力部分がIC化されコンパクトな造りになっている。もしかしたらと思い、そのICパッケージを放熱板に押さえつけているクリップを外してみた。そしたらどうだろう、2個あるICの内片方の印刷がまるで見えない。可笑しいと思いよく見るとパッケージの一部が破裂して欠けている。しかも角じゃなくて平らなところが・・・これか!。そのICはMA2420(30W)である。ちなみにもう一方のICはMA2430(50W)である。早速ハンダゴテと吸い取り線を当てICを取り出す。この状態で前述の短絡状態が回避された。さあこれで望みが出てきたぞ。写真は取り外した新電元のMA2420で、パッケージの一部が欠けているのと熱で本来なら白い文字が変色し見難くなっているのが分かる。

12月19日(金)、スイッチング電源用ICパワーモジュール(MA2430)が届いた。本当はMA-2420が壊れ同じ物を探していたが、東京の同僚Y君が同型ではないが上位品種のMA-2430を秋葉原で探し5個送ってきた。名古屋大須の半導体ショップや、新電元の代理店に問い合わせしてみたが全く話にならずトホホ状態だったが流石である。何処に有ったか尋ねるとあの困った時にいつも覗いていた「鈴商」であった。写真の左5個がMA2430で右の1個はNGになったMA2420。外形は全く同じだが前者は50Wで後者は30W。こうした部品のニオイをかぎつけるには、いつもジャンク店を回り記憶に畳み込むしかない。ある意味で大変なノウハウで同僚のY君に感謝している。

1月29日(木)、昨年11月に電源がNGになり放置状態となっていたミニ7RXの電源基板が見事復活した。原因は2系統あるSW電源の+12Vと-12Vを作っている側が発振していない事は初期段階で分かっていたが、回路がはっきりしなかったため作業が停滞していた。良く見ると両者共トランジスタ1本による制御(ミュート)回路が設けられている事が分かった。それで単純にテスタでそのトランジスタの導通状態を確認したら正常な方は殆んどオープンに近いのに、NG側は何と方向を変えても10Ω程度。これじゃまるで短絡だ!。このトランジスタを取り外すだけで回路は発振を回復し正常な電圧を出力するようになった。本日は原因究明までとし、トランジスタは基板を実装する時に取り付けることにした・・・と言うより今は手元に無いので。
過去の修理過程を記すと・・・
@IC602/MA2420不良→上位品種のMA2430に交換
ARG11/10Ω/5W断→同等品に交換
BQ603/2SD773U不良交換→交換
CPC601/S12MD1V/フォトサイリスタ不良→受光側パス(2月1日)
D1番FDD読み書き不良→FDD基板面洗浄(2月1日)

・・・となるが真の原因は何か疑問が残る。
追伸:1月30日、名古屋大須のタケイムセンから2SD773を購入し交換するが、更にフォトカプラ(フォトサイリスタ)の不良が発覚。また1月31日、1番FDDの読み書きNGが発覚、2月1日ようやく完全復旧となる。

2月1日(日)文豪ミニ7RX電源が2ヶ月振りに復旧した。SW電源の発振ミュートトランジスタ(2SD773)を大須のタケイムセンから買ってきて交換(1月30日)したまでは良かったが、どうやらここに至るまでの制御で誤動作しているようだ。この電源にはO.V.P(OverVoltProtection・・・多分)と言う聞き慣れない呼び名の回路があって、各電源の出力を取り出してきて異常上昇があると、フォトサイリスタ経由で発振回路をミュートする回路が設けられている。調べるとフォトサイリスタ(S12MD1V/PhotothyristorCoupler:Sharp)の受光側が常時ある程度の導通を示すため、トランジスタに制御をかけミュート動作てしまう模様だ。手元に代替がないため、苦肉の策で強制的にトランジスタを殺すようにベースとグランド間をジャンパーした。これにより、全ての電源が正常に出力されワープロの動作が復元した。ところが、テスト中に1番のFDDの読み書きが時々可笑しくなった。最初NGだったが使っているう内にOKになり、朝食事をとってから確認するとNG・・・といった具合だ。FDDのコネクタにハンダゴテを当てなおし接触を確認したが状況は変わらず。コネクタ付近が0番のFDDに比べ異様に匂う(あの電子部品特有のベークライトが焦げた様な・・・)ため、ベンジンと歯ブラシでコネクタ周辺を洗浄すると見事に回復した。これは一体何なんだろう・・・FDDの電子回路には結構Hi-Zの部分があったりするから、部品の液漏れや変質で影響を与えていたのだろうか?。しかし0番のFDDは匂いすらしない・・・図面には書けないトラブルの一つである。こう言うのって若い人には全く理解できないようだが、オーナーは電子回路の救済では最も重要視している部分である。
一部間に合わせもあるが、これで2ヶ月振りに機能回復した。本件では色々と勉強させてもらい、全国に多くの知人を得る事が出来た。写真は組み上げる前に最後の確認をしているMy1st文豪ミニ7RX。本体右側奥に見えるのが電源基板、その手前がFDD、左のボトルはベンジンとCRC/5-56。2台あるFDDのチェックは背面のID設定SWを0番にして編集ディスクで起動できるかどうかで行う。1台が完全にNGになってもこのSWを切り替えながら作業すればワープロの機能は十分果たす。ここまで来るとメーカーさんのサービスより対応が早いし正確かも知れない。ちょっと違う「HandMadePC」はこうした体験や拘りの上に作られ、人生を様々な楽しみに誘ってくれる・・・。


文豪ミニ7RXの電源不良(応急)対策についてA

長年使用していたNEC文豪ミニ7RXの電源が入らなくなった。状況をもう少し詳しく書くと・・・最初の電源投入時はパイロットランプが一瞬点灯するが直ぐ消えてしまう。再び電源投入を試みるとパイロットランプは点かない。しかし電源を切って一定時間放置(放電)後に再投入するとパイロットランプが点くが後は同じ。
なおパイロットランプ以外の電源も不良の模様で、全てにわたって動作が停止している。
文豪ミニ7RXは、製造(1990)から既に14年(2005年現在)を経過し、メーカーサービスや部品供給が全面的に打ち切られている。普通はそこで諦め廃品回収に出してしまうところであるが、そこは自称HandMakerのアマチュア無線家、分解調査して応急措置を施し見事現用復帰させる事になった。
愛機が突然壊れ、途方に暮れる全国のミニ7RX愛好家の皆さんのお役に立てばと思い、処置方法を掲載する事にした。
写真は2005年3月知人に御譲りした文豪ミニ7RXで、お届けして数日で電源が入らなくなったと返送されてきた物であるが、対策を済ませ復旧させた時のスナップ。背面カバーとプリンター部を取り外すと内部が顔を出す。さらに電源ユニットを外し中の基板を取り出す。基板に後述するジャンパー処理をする事で応急的に復活。これに掛かった時間は約1時間、道具はドライバーとハンダゴテ、材料はリード線と半田のみ。文豪ミニ7の関係記事をHand Made PCコーナーにもアップしているので併せて参考にされたい。
電源投入でFDDが動き出し、ブラウン管に見慣れたメニュー画面が現れると人には分からない感激が全身を走る。この感激は少年時代に体感した、あのHandMadeRadioと時と何ら変わることは無い。

写真左は取り出した電源基板。基板上には2系統のスイッチングレギュレータが搭載されている。この電源にはOVP(OverVoltageProtection)と称する保護回路が設けられている。
その動作は外部のSUB電源基板で作るプリンタ電源(33.1〜37.6V可変)の上昇が電源基板のPV601フォトサイリスタS12MD1Vで検知され、スイッチング発振回路をミュートする仕掛けになっている。
SUB基板にはプリンタ電源源電圧調整用のVR681/5KΩがあるが、これを絞りきっても状況が変わらない場合は、フォトサイリスタが壊れているか特性が劣化している事になる。
過去の経験で電源の入らない2台の文豪ミニ7RXと遭遇したが、いずれもフォトサイリスタの不良であった。フォトサイリスタ(6PinDIP)を交換するのがベストであるが、現在国内での入手はかなり難しい。
そこで苦肉の策であるが、このOVPの制御系を殺してしまう処置をすることでワープロを復旧させる。処置は極めて簡単で写真の様にフォトサイリスタの4番Pinを、スイッチングレギュレータ1次回路のコモンラインに接地する。この4番Pinの情報はQ601/2SD773のベースで受け、出力側のコレクタ-エミッタ(接地)間が発振回路をミュートする動作になっている。4番Pinを接地することでQ601は常時OFF状態になり、発振回路に影響を与えなくなる。
なおスイッチングトランスの2次回路と1次回路のGND回路は絶縁されているので必ず1次側で処理するよう注意する。この方式で復活した文豪ミニ7RXは既に1年以上も安定に動作している。但し前述のフォトサイリスタS12MD-1(Sharp製)はいつも脳裏にあり、秋葉原など部品店を歩くときは探すことにしている。

いずれにしても文豪ミニ7RXの電源部は、経験的にPV601フォトサイリスタが弱点であることは否めないだろう。もし類似した症状の文豪ミニ7RXに遭遇したら、先ずはフォトサイリスタを疑ってみるのが復旧への早道かも知れない。


文豪ミニ7RXの電源不良(応急)対策についてB



文豪ディスクのコピーを文豪ミニ7RXで始めると突然電源が切れた。可笑しいと思い様子を見ると何やら匂う…あの電気の匂い!。又かと思いつつ分解し電源部を確認すると5V/9.3V/47Vが大きく低下しF651/5Aが断(穏やかに)。IC601/MA2430側が受け持つ系統である。
早々にヒューズを交換したが変化なし。トランス1次側発振レベルの低下と判断、各部品の状態を当った。まずMA2430(発振パワー素子)を交換、変化なし。続いてMA2430ミュート用Q601/2SD773、同制御用Q602/2SC20002とフォトカプラPC602/PC717Cを取り外し確認するが正常。…可笑しい1次側は問題ないぞ!。…2次側DCラインの絶縁をテスタであたると47Vラインの220μF/100Vが数Ω。これじゃ完璧にオーバーロードだ。
MA2430の発熱が殆ど無かったため、2次側は問題ないと決め付けたのが発見を遅らせた。そう言えば基板面に液が流れた様な跡があったのを無水アルコールで洗い落としたのを思い出した…。代替部品はPC用SW電源から270μF/200Vを取り外し実装、見事全面復旧した。

写真左はカバーを外し分解した文豪ミニ7RX。中央茶色が電源基板。右はNGだった220μF/100Vのケミコン。なおヒューズは5V/9.3Vのリターンにあり断の原因は不明。


文豪ミニ7RXの電源不良対策についてC

2007年1月1日、通電後ピッとベルが鳴り画面左上にERR:0と表示されたまま起動しない。数あるミニ7を診てきたが初めての現象である。電源ユニットの不良だった。写真は修理場と化した縁側。
ミニ7RXの電源ユニットには+5V・+12V・-12V・+9V・+48Vの5出力がある。このうち+9Vが無負荷で+9.43V、負荷して17V、+48Vが無負荷で45.4V、負荷して78.3Vと異常な値を示した。両者共無負荷時の電圧はまずまずだが、負荷状態で大きく上昇する奇妙な現象である。
問題が電源側か負荷側かを切り分けるために、別のミニ7RXから電源を移設して確認すると正常起動し電源側の不良と確認できた。 実はこの電源、ケミコン短絡とフォトサイリスタ不良等をかいくぐって来たシロモノ。どこまで修復可能かは?だ・・・。



39Vツェナーが2個直列の回路(48V系)の片側断を発見し、ラッキィ!と75Vツェナーを代替にしたが状況は変わらず。
続いてプロテクション用フォトサイリスタの発光側を短絡させ制御状況を確認すると、出力低下と回路が判断したのたか、発振側が強烈なパワーを送り出しツェナーと直列抵抗が燃え尽きた。
トホホ状態でもう諦めようかと思ったが、ひょっとしたら「ケミコン?」と気付きテスターで当たるとらしくない抵抗値を示した。これかも知れないと言う事で6個のケミコンと不良の2本の抵抗を交換した。どうだ!と意気込んで電源を入れると燃え尽きた抵抗が臭くなる。
おかしい・・・その抵抗は交換した75Vツェナーにつながっている。もしやとそのツェナーをテスターで当たると短絡状態。これだ!とばかりツェナーを交換すると見事復旧。
写真上は復活し文豪メニューを表示させた様子。写真左はNGだった電源基板。基板上手前の小振り6個のケミコンは一機に交換したもの。背の高いケミコンは過去に交換した220μF/100V。
それにしても良くやるよと我ながら感心する。しかし文豪も喜んでいるに違いない。


文豪ミニ7RXの電源不良対策についてD

単身赴任先の福井に持ち込んだ文豪ミニ7RXの調子が今年になってからおかしい。昨年暮(2007年12月)の年賀状シール印刷は快調だったのに、年が明けたら電源が落ちるようになり、最後はスイッチオンでパイロットランプが一瞬点くだけになった。
過去の経験から電源ユニットである事は容易に想像出来る。分解して電源を取り出し様子を診る。負荷をオープンにすると立ち上がるが、一定時間が経つと落ちる。電源を分解してみると液の漏れたケミコン(C652/653=2200μF/10V)を発見。液は隣接のケミコン(C654/655=1000μF/16V、C658=220μF/100V)の足元にしみ込んでいる。これら全てを新品に交換すると見事回復。早々に組み上げ電源を投入すると時々立ち上がらない事がある。再び分解して様子を見ると発振がもの凄くクリチカル。もしやとテスタで制御回路を当ると、動作してはいけないシャットダウン回路が働いている。これはA項目で紹介している通りでフォトサイリスタ(絶品)の不良だ。動作回避をジャンパー線で行なう事で完全復旧。
ところがプリンタの動作がおかしい。ヘッドが左端に寄りガリガリ音。また余計な仕事が出来てしまったとややトホホ状態だったが、マザーボードのコネクタに刺さるプリンタボードの接触状態を固定ビスを緩めて確認すると無事回復する。ビスの締め方には、ボード間の探りが必要で注意が必要だ。

写真左上が不良(C652/C653(2200μF/10V)で交換し取り外したもの。他は予防保全で交換したもの。
過去の経験で一番多いのは・・・
@フォトサイリスタの不良
Aケミコンの液漏れによる不良又は他回路への影響
B半導体デバイスの不良


オーナーが関係した文豪ミニ7RX
@1990年、最初に購入した号機・・・香川へ嫁ぐ
A1995年、同僚136氏から購入した号機・・・実家
B2003年12月、東京葛飾の御仁から購入した号機・・・香川へ嫁ぐ
C2004年1月、千葉袖ヶ浦の虎さんから譲り受けた号機・・・単身赴任先

この4台は自作SCSIカードが組み込み込まれHD起動を可能にしている。またA以外は筐体と基板が複雑に入れ替わっている。
現在はこの内2台を所有しているが、残り2台は香川の御仁の手に渡っている。製造から既に18年を経過しているが、時どきのメンテナンスにより現在(2008年4月)も稼働を続けている。

文豪ミニ7RXの電源不良対策についてE

もう久しく文豪ミニ7RXの中を覗いていなかった2012年11月17日。電源投入が出来なくなったミニ7RXが三重県から届いた。 事前にメールで不具合の状況を伺っていたが、診ると上記A項とまるで同じだった。
念のために電源を無負荷で投入したときと、負荷(通常)状態で投入したときの電源出力をあたると、無負荷では正規の電圧を示すものの、負荷時は全く電圧が出てこない。
OVPの動作点が可笑しくなっている模様で、A項で記した様にジャンパー線で制御回路を殺す対応をして復旧させた(OVP電圧の検地元であるプリンタ基板へ送る系統は34V程度で問題ないため)。
作業時間は13時から15時半、16時までに梱包を済ませて依頼主のもとへ旅立った。
写真はコタツの間で修理中の文豪ミニ7RX(製番1453652BB)。メニュー画面が表示されている。既にワープロが使えるが、未だプリンタの組み込まれた上カバーが外されている。ここまでくればもう間違いない。
ちなみに依頼主は80歳超の御仁、メールはその友人が送ってこられた。メーカーサービス終わって久しく、困り果て、ネット検索中このサイトに辿り着いたとの事であった。20数年を経過しているにも関わらず、内部は大変綺麗でケミコン類の液漏れも無かった。またFDDドライブのベルトも良好だった。


文豪ミニ7RXの電源不良対策についてF

2018年12月26日、文豪ミニ7RXの電源が突然入らなくなったと、兵庫県の獣医師よりBBSへヘルプがあった。早々に連絡をとり送ってもらうと、やはりOVPが働きっぱなしになり、スイッチングレギュレータの発振が停止している。上記Aの症状である。
早々に上記ジャンパー線対策を施し復活させた。写真は12月31日、自宅畳の間に展開する、届いた文豪ミニ7RX。


文豪ミニ7RXの電源不良対策についてG

2024年1月8日、自宅工房にある2台のミニ7RX(0X07625C/0X62366C)。久し振りに電源を投入したら、2台共0番ドライブのベルトが伸び、FDDが回らない。手持ちのベルトに交換し復活させていがその翌月の3月6日、今度は1番FDDが回らなくなりベルトを交換して復旧させる(0X07625C)が、手持ち最後のベルトだった。急遽千石電商へ10本発注。ベルトが届き、3月8日交換し回転する様になった(0X62366C)。ところがデータの読み込みでエラー。クリーニングテープを装填し、クリーニングの最中突然電源が落ちた。それ以降電源が入らなうなった。
回路図がファイルしてあったのだが見つからず、作業効率が上がらない日々が続いていたが、3月23日に見つかり一気に作業が進展。24日には復旧に至った。
不具合箇所とその対策は以下の3件。
@AC回路に挿入されているR661/10Ω5W温度抵抗(ヒューズ)断。
 代替部品の手持ちが無いので、10Ω/5Wのセメント抵抗に置き換えた。
AZD651/RD39ESツェナーダイオード断。
 同等品が無いため37Vのツェナーダイオードで代替。
B調査中C613/220μF/50Vのリード線抜け。
 取り外そうとしたときに、リード線すっぽ抜けたため220μ/16Vで代替。
 
*電源投入時の突入電流抑制用10Ω/5W抵抗を、スイッチングレギュレータの発振が始まると、並列に接続されたトライアックCR601を、発振トランスタップを半波整流して得た負電圧で制御し、短絡する回路が構成されている。


文豪ミニ7RX関連情報
@文豪ミニ7RXのインクリボンを他機種インクリボンから移植する(Sep 14, 2008)
A文豪ミニ7RXのインクリボン巻取りボビン修復について(Sep 11, 2008)
B文豪ミニ7RXのリボン修復
C文豪ミニ7RXの電源不良について
D文豪ミニ7のFDDのベルト入手について
E文豪ミニ7のディスクをDOS/V機で読む時の注意
F文豪ミニ7RXの電源基板出力について
GHandMadePC・・・文豪ミニ7とPC-9801/9821にSCSIカードを組み込むetc
HPC2CSV.EXE・・・文豪ミニ7パーソナルカードをCSVファイルに変換する
I文豪ミニ7パーソナルカード(住所録)をWARDで「はがき宛名印刷」する