星の見方楽しみ方 

(星のこと、望遠鏡のこと=日記・レポート風)
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目次は下ほど古く、記事は下ほど新しくなっております。



早朝の月・木・土

おめでとう!はやぶさ  土星シーズンの始まり

怒ってないよ・・・  火星とお月様

天文台は大賑わい  「家庭用」プラネタリウム

観望会のノウハウ  金星とお月様

むらさき色の星  これを見よ〜!

『プライベートな星空』  このところ不運続き

こんなの買っちゃった  新天体なんだって

仲良しの星  星になり損ねた話

火星のいる空  お月見外交

秋雨前線到来?  中秋の名月

持つべきものは良い仲間  月に雲、二題

たっぷり火星  やっとの火星写真





やっとの火星写真
2005.09.10

  このところ台風が立て続けにやってきて、天候も最悪。昼間晴れていても夜にはすっかり曇ってしまうというパターンがもう何日も続いている。
  そんなわけで題名のとおりやっと撮れた火星の写真をもって久方ぶりの更新をさせていただいた次第。
  とはいえ、ほとんど雲間から撮ったようなものでお世辞にも快晴とはいえない空。おまけに空気の安定も良くなく写真は肉眼で見た以上に模様が写っていない。
  しかし、今回の観測条件の良さはさすがで、見ている間にぐんぐん高度が上がる。最接近のころは高度が70度超になるといわれるが、その数字以上の迫力で私たちを楽しませてくれるに違いないことが、その様子から十分伺えた。



たっぷり火星
2005.09.12

  女房殿の野暮用の付き合いと夏負けしたらしい軽い体調不良もあって二日ほど休むことにした。
  ということで、昨夜は久しぶりに翌朝のことを考えずに星見ができた。
  夜半に発生する雲も季節が変わったのか発生しない。その上空気が安定していることを示すように少しドヨンとした感じ。今シーズンの火星を見るのにまったくおあつらえ向きの天候となった。
  火星が撮影に向いた高度に達するまでしばらく時間があるので、このごろまったくやっていないファインダーの光軸合せやら、望遠鏡の光軸のチェックやらもするゆとりがある。「星見はやっぱりこうでなくっちゃ」と思った。
  いよいよ撮影を始める。今使っている25p鏡筒は、F5だから焦点距離が1250ミリしかない。5ミリの接眼レンズをつけても250倍。画面上では1o以下にしかならない。これを3倍ズームプラスデジタルズーム4倍をかけてやっとモニター上で模様が確認できる大きさにする。
  今回はゆとりがあるので2.5倍バローレンズを入れて拡大率を上げ、その分デジタルズームの比率を半分の2倍に下げてもやってみた。
  結果は上々だったが、250×2.5=625倍という高倍率になるため導入にずいぶん苦労させられた。
  写真では、前回のものよりやや大きくなっているが、これは後者の撮影方式でのものなのでトータルの倍率で9%ほど大きくなってしまったため。これほど急速に火星が近づいたわけではない。



月に雲、二題
2005.09.16

  さすがに9月の声を聞くと少しは秋めく。
  空気の色というか透明感が変わってきたり、雲の形も夏のそれとは違ってくる。もちろん朝日や夕日の時分は特にそれがわかる。
  今日はそんな秋めいた空の様子を撮った写真をお目にかけたい。
  左の写真は9月13日の夕焼け雲。西の空ではなく南東の空で、左下にはお月様が小さく写っている。日が沈んでからしばらくすると、地平線の下にある太陽に照らされて東側の空の雲がきれいに染まることがよくある。秋から冬の時節、この色は特に澄んだ色になるような気がする。
  右の写真は9月16日の夜。写真の効果で昼間と同じように写ってしまうが、これはお月様に照らされた鱗雲。雲の間でぽつぽつ傷のように写っているのは一番明るいのが織姫星ベガ、上のほうにあるのが白鳥座のデネブだ。ちょうどお月様を背にして撮影している。昼間の写真との区別は露光時間が長いため少し流れて写っていることやコントラストが幾分低いことなどから推測がつくと思う
  写真をクリックすると少し大きな写真がご覧いただける。



持つべきものは良い仲間
2005.09.18

  昨晩は常陸大宮市の花立山美スター天文台のボランティア当番ということで出かけていった。
  相棒は気心の知れた悪友のO君だが、当日は「スタッフ会議」でもあり、当番以外のメンバーも早く来ていたりしていろいろ手伝ってもらい助かった。今回はそんなトクした話
  まず、天文台につくとT君がなにやらハンダごてを使ってやっている。訊けば、望遠鏡の電源コードが断線したので治してくれているとのこと。これで観望会のときあわてずにすんだ。
  次に目に付いたのが窓際に飾られたススキとお団子。明日が中秋の名月なのでお供えしたとか。発案はO君だが、ススキを挿したビンにご注目。これペットボトルの口と底をつないで、そのままでは軽いので中に小石をたくさん入れそこに水を入れたのだそうだ。この機転の主はT君だった。
  いつもなら、お客さんには下の部屋でひととおり星空の解説をするのだが、相棒のO君の指示でまっすぐ屋上にご案内。イリジウム衛星と国際宇宙ステーションISSが19時前後に相次いで見えるというのだ。
  国際宇宙ステーションは、先日日本人宇宙飛行士の野口さんが大活躍したことでご存知のことと思うが、イリジウム衛星というのはご存知の方も少ないだろう。これがとんでもない衛星で、ある決まった時間にほんの数秒間シリウスのように輝くという衛星なのだ。
  どちらもきちんと予報されているので、その気になれば誰でも何とかなるのだが、「何時何分にどこそこで見える」と予報し、カウントダウンでもしてそのとおりの時間に見えた後、予報者を見るお客さんたちの尊敬にも似た眼差しは並大抵ではない。この夜、その羨望の眼差しを一身に受けたのがO君その人だったことは言うまでもない。
  お客さんが帰った後、むこう3ヶ月ほどの担当者の貼り付けを討議する「スタッフ会議」も終え、スタッフの仲間で昇ってきた火星を眺めて楽しんだ。その火星観望のあと私たちを楽しませてくれたのがギンギンの眼視派のNさん。
  30センチドブソニアン「Ninja」の使い手であるNさんだが、最近は8センチ屈折での二重星のチョイ見(ちょっと見てやめること)を楽しんでいるとか。そのNさんの案内で小口径でも楽しめる二重星をいろいろ案内してもらった。これもありがたい話。
  こんな具合に、昨晩はいろいろな特技(?)を持つ仲間のおかげで、普段の何倍もの星見が楽しめた。本当に「持つべきものは良い仲間」を実感した。
  ススキの写真をクリックするとイリジウム衛星と国際宇宙ステーションの写真が見れる。  



中秋の名月
2005.09.18

  





今宵は、ご存知中秋の名月。
  そんなわけで、何はともあれその名月の写真をご覧いただきたい。











  



秋雨前線到来
2005.09.23

  またお月様の写真で恐縮(そう言うとお月様に申し訳がない)だが、またしばらく晴れそうにない陽気なので仕方がない。
  中秋を過ぎると日本列島付近には秋雨前線が停滞し始め「秋の長雨」のシーズンに入る。太平洋高気圧に押し上げられていた梅雨前線が、今度は大陸の高気圧に押し下げられて戻ってきただけなのだが、風情がまったく違う。 (けして良い悪いではない)
  昨夜撮影したこのお月様、実はすばる星団のすぐそばに居たのだ。だから、もし晴れていたら、お月様を少し露出オーバーにして、すばるの星のいくつかを写しとめたいと思ったのだがかなわなかった。
  「えっ?すっきり晴れてるみたいに見えるけど」と思われるかもしれないが、これは写真がよくつく「嘘」のひとつ。
  実際は雲が薄くなったところから時々覗くお月様を少し長めの露出で撮影し、画像処理で雲で白んでいる背景を真っ黒にしてしまっただけなのだ。

  でもここまでやるともう犯罪。スペースシャトルから望遠鏡で見たらこんな風に見えるかもしれないが、地上からはまず見られない光景である。(お月様とすばるの大きさ、それと昨夜1時半ごろの位置関係を示した合成写真)

  ところで、話はまったく変わるが、今ちょっとした話題になっている日本が打ち上げた「はやぶさ」という人工衛星(ホントは人工惑星)が、軟着陸とサンプル採集をめざしている小惑星「イトカワ」。これってなんとなくイースター島のモアイ像に似ているように見える(向かって左側が頭)のは私だけだろうか?
  宇宙空間を漂うモアイ像。映画「2001年宇宙の旅」の謎の物体「モノリス」は、この画像があったら「モアイ像」に変わっていたかも・・・。    



お月見外交
2005.09.27

  この日曜だったかの毎日新聞の朝刊にこんな囲み記事が掲載されていて、ちょっとニヤリとしてしまった。
  月をめでる風習は中国から朝鮮半島を通じて日本に伝わったと考えられる。古代エジプトでも猫の目の変化が月の満ち欠けに似ていることから、猫は月の神の化身として大切にされたというから、およそ太陰暦を用いた国では、月は「神」として敬われたと思われる。
  しかし、現代では月を眺めることを「文化」として持っている地域は日本を含む中国文化圏のほかにあまり聞かない。
  それにしても、この記事に見る中国の外交手腕は見事というほかなかろう。また、「星見は最も役に立たない趣味のひとつ」と陰口をたたかれている星屋にとって、「使いようによっては世界も動かせる」という自負も持たせてくれたのではないか。

  「たかが月見」「されど月見」。月を眺めつつ一献傾けるゆとりと文化性がなくて、果たして「グローバル」といえるのかどうか。訊いて見たいお方が何人かいる。



火星のいる空
2005.10.03

  金曜日から福島県は石川町で開催されていた「星まつり」には、出張のため今年は泣く泣く不参加。そんな1日、出張帰りの常磐線がやたらに混むと思っていたら恒例の「土浦花火大会」の日だったのを忘れていた。
  花火見物に続々市内に集まる人たちを尻目に、我が家に急ぎ、星見の仕度。花火は見ない!と決めていたのだが、帰省していた長女が「ちょっとだけ見たい」というので土浦市が望める田んぼに。そこは私が毎年「一応花火を見に行く」場所なのだが、 なぜか今年はそこにも人(車)が行列をなしていた。会場から6キロと遠いため花火の色は「赤方偏移」し、音は光が消えてから聞こえるという場所なのに、である。しかし、今年は打ち上げ間隔が大幅に短縮されそれなりに見ごたえがあったので、 まあ、皆さんご名答!といったところだった。

  花火大会も終わり、夜空が静けさを取り戻したのを見計らって久々にゆっくり星見。休日の前の晩にこんないい天気なんて久しぶりな気がした。石川町でもさぞ良い星空の下で星談義の花が咲いていることだろう、と思っていたのだが、実はあまり良い天気でなかったとか。
  火星がいちばん落ち着いて良く見えたのは2時過ぎごろだったか。でも、出張帰りでさすがに徹夜する元気はなく、3時ごろには寝てしまった。

  写真の火星は今期いちばんの写りだったので、わざと強調した画像にしてみた。といっても今売っている画像処理ソフトを使うともっと何とかなるらしい。が、悲しいかな子供らにかじられつくしたすねにはもうほとんど肉が残っておらず、出るか出ないかわからない冬のボーナスに期待するほかにどうしようもない財政状況。今はただ、せっせと撮影した画像を蓄積保存することだけが楽しみといえば楽しみだ。
  写真をクリックすると火星とすばる星団が並んだ様子(題名の「火星のいる空」)が見れる。  



星になり損ねた話
2005.10.10

  朝から雨模様だったが、夏から荒れ放題にしている隣の空き地が気になって草刈をすることにした。
  生垣の下を刈り始めてしばらくしたとき、なにやら体当たりやたかって来る感じがするのと同時に、目の前を黄色い虫が横切った。 「ハチだ!」と瞬間的に思い、すぐ逃げ出した。逃げながら虫が当たった髪の辺りをさわると何かがくっついている。それも必死で振り払って15メートルほど逃げ振り返ると、私がいた辺りにハチが群れて飛び回っていた。案の定小型のスズメバチだった。
  夏の間、例年なら少なくとも数回以上は草を刈り払ってきたが、今年は忙しいのと暑いのとにかまけて、ほったらかしにしていた。それをよいことに巣を作ってしまったらしい。
  実は私は10数年前、ハチに襲われ何ヶ所もさされ全身に発疹が出来、病院に駆け込み点滴を打ってもらったことがある。そのとき、顔なじみの先生の顔がいつになく厳しかったことと、数時間後落ち着いて病院を出るとき、先生から「今度刺されたら死ぬよ」と言われていた。
  気になって後で調べたら、ハチの毒は抗体を作りやすくそれが一生残る。そのため何度も刺されると体が前回以上に反応し死に至ることもあるということだった。

  すぐに消防署に電話をして、撤去をお願いするとともに、垣根のむこうが小学校の通学路になっていることから、子供たちに万が一のことがあってはと学校にも電話をした。
  しばらくして駆けつけた消防署員が垣根から取り出した蜂の巣はサッカーボールくらいの大きさ。怒り狂ったハチが数匹、しつこく防護服の上から彼に攻撃を繰り返していた。

  遭遇したときの様子を後で思い返してみると、どうして刺されずにすんだのか本当に不思議で、何度考えても背筋が凍る思いがする。
  とにかく、星にならなくてすんで本当によかった。生死の間は本当に紙一重である・・・。ふとパキスタンの大地震の被災者のことが思い出された。
  写真は蜂の巣を取り出した消防隊員。(写真をクリックするともう一枚)



仲良しの星
2005.10.13

  昨日は全国の出先から人が集まる会議があり、夜は懇親会となったため帰宅が遅くなった。ところが空が久しぶりにからっと晴れ渡り、星を見ないで寝てしまうのがどうしても惜しくなってしまった。
  しかし、気流はあまりよくなく、さっきまで火星画像の合成をやっていたのだがどうしても物になるものが出来なかった。一方、星のきれいさはかなりのもので、久しぶりに星雲や星団、二重星などを訪ねる「星空散歩」をしてしまった。
  そんな中で「見つけた」一番のお気に入りが写真の二重星。星の名前はおひつじ座のγ星。ギリシャ神話では金の毛皮を持つえらい羊だそうなのだが、この星はその羊の鼻の頭あたりに光っている。一般にその星座の星の明るい順にα、β、γ・・・と呼称する約束だから、γ星はおひつじ座で三番目に明るい星ということになる。
  たいていの二重星は、二つの星の明るさが異なり、また色が異なったりして、われわれはその対比の妙を楽しむわけである。ところがこのγ星のように色と言い明るさと言い、まったく瓜二つに見える二重星はチョッと珍しいのだ。明るさや色の違いから「親子のようだ」とか「恋人同士のようだ」とか、いろいろにイメージを広げるのだが、 これほど似ているとなんとたとえたらいいのか考えてしまう。月並みだけれど「仲良しの双子ちゃん」とかが妥当なところかなあ。
  色は写真に撮るとこのように青っぽく写るのだが、実際肉眼で見た感じでは「純白」。いやホントに「清清しい」一対である。   



新天体なんだって
2005.10.16

  先週の日曜日、つくば星の会の例会で「わい新星」というものが話題になっていた。
  言葉からすると、まあものすごく暗い新星(星の爆発)、ということかと思う。ただ、その位置が大変興味深く、マニアの間では超有名なこぎつね座のM27「アレイ星雲」のすぐそばだというのだ。
  つまり、春から夏にかけて、世界中の星屋が大小の望遠鏡やカメラでこれでもかっ!というくらい、見たり撮影したりしている星雲なのだ。にもかかわらず気が付いたのはほんのわずかの観測者にすぎない。「灯台下暗し」の典型みたいなお話なのだ。
  ただし、ちょっと望遠鏡で覗いたら判るかと言うとそうもいえない。「わい」というくらい暗いので、普通の望遠鏡で肉眼で見たのではとても歯が立たない。チョッと大きめのカメラで撮らないと写らないという程度なのだ。
  こう前置きをすると、完璧に自慢話になってしまい恐縮なのだが、実は嬉しいことに私がこの8月に撮った画像にも写っていたのだ。
  晴れ間の少ないこの夏、お月様があってもお構いなしにこのM27星雲をムキになって撮影していたのだ。で、その話を聞いて早速調べてみたら「あった!」という次第。
  左の写真をクリックすると大きな写真で見られる。

    右の写真は一昨晩の火星。肉眼ではなかなか模様が確認しづらい状態だったのだが、思ったより良く写っている。



こんなの買っちゃった・・・
2005.10.18

  お母ちゃんゴメン!。無断でこんなの買っちゃいました・・・。   天気の悪い日が続いたので、つい悪い遊びに走ってしまい、つまりネット・オークションにはまり込み、買ってしまったのがこれ。
  チョッと見ればわかりますよね。ロケットの形をした望遠鏡。この状態で高さが約50cmってところかな。ロケットの先端部は望遠鏡の蓋になっています。
  エッ?いくらかって?、なけなしの小遣いをはたいて¥3,000!で落としました。
  口径が7cmで焦点距離が500mm。最高倍率375倍!とすさまじい。でもマニアの私が気に入ったのはそのかっこ良さと、最低倍率を25倍まで下げていること。最低倍率を極力下げているってことは「星の見方を知っている人間」が作っていると考えられるから。
  とまあ、そうは言っても艶消しであるべき鏡筒の中はつやつやのピカピカ。光軸調整もまったくやらないまま出荷されているから、基礎知識がなくて買った人は、きっととんでもない像が見える(見えないかもしれない)のではと心配です。
  これから分解して内部の艶消し塗装をし、光軸調整をしたり、フラフラの架台の振動をどうやって抑えるか考えたり、もちろん最後は星を見たりと、3000円では買えない楽しみが私を待っているわけです。
  初心者の皆さんがお買いになるのは、私が「結構見えるよ!」って言ってからのほうがいいかも知れませんね。
  でも、見えなかったらどうするって?
  レンズの修正研磨に出すかなあ・・・。そしたら1万円以上かかるだろうなあ・・・。男ってへんな習性があるよなあ・・・  


  後日、よく調べてみたらどうもガタイに対して主レンズの焦点距離が長すぎるようだ。寸法から計算してみると、主レンズには70ミリ焦点距離500o(F7.1)のものが使用されているが、実際の設計では焦点距離420o(F6)だったと思われる。 そのためピントが合うには合うが、せっかく主レンズが集めた光がほとんど捨てられてしまっている状態となっている。ということでこの「望遠鏡」は、鏡筒を継ぎ足して長くするか、どこからかF6の鏡を探し出すか、はたまた誰か器用な方に磨きなおしてもらうかのいずれかの対策を講じないと まともな観望には使えないということになる。ご購入を検討されている方はこの点十二分にご留意されたい。



このところ不運続き
2005.10.25

  先日ハチに襲われそこねた話をしたが、実はこのところ何かと不運続きで気がめいっている。
  列記すると、火星撮影用のデジカメが壊れ、同じ機種の中古を買ったところこれまた不具合だらけの品で、撮影に非常な困難をきたしている。望遠鏡の電源であるバッテリーが突然死んでしまった(しかも新しい方。予備の古いバッテリーもかなり弱っている様子)。 以前順調に動いていた自動導入装置が、しばらく使わないでいたらうまく動かなくなってしまった。そうこうしている内に今度はコントローラーに不調が(こちらはメーカーに修理に出さないと治らない)。さらに、車のダイナモを回すベルトが切れた。これを修理に出したいが、夜しか帰ってこれないのでそれも出来ないでいる。ホムペの更新に使っている「FFFTP」ソフトが使えなくなった。 などなど。これに人間関係や仕事上のトラブルも含めると、もう布団をかぶって寝てしまいたいような暗澹たる気持ちになってしまう。
  「重なるときには重なる」とは言うものの、よくもまあと感心してしまう。

  写真は昨夜の火星像。少しはましな画像を何枚かかき集めてやっと作り上げた。そうそう、その画像処理に使っているフォトショップソフトもすぐ固まってしまうトラブルが続いているのだ。

  え、ホプペ更新できてるって?・・そう、やっとプロバイダのホプペに更新用のコーナーがあるのを見つけて何とかしのいでいる次第。やれやれ、この不運、いつまで続くことやら・・・。



『プライベートな星空』
2005.10.29

  片道2時間以上という長距離通勤が始まって早7ヶ月。ある大先輩から言われたこともあって電車の中で本を読むことにした。
  といっても、「超『積読(つんどく)』」を自認し、買ったままほとんど本を読まない私のこと、わざわざ買わなくても本は山のようにある。そのほこりをかぶった本の山の一角から一冊づつ拾い出しては読んでいる次第。
  で、今読んでいるのが題名の『プライベートな星空』というエッセイ集。私のページの『でかけるまえに』コーナーでもご紹介のとおり本城美智子さんという方がお書きになっている。
  わざわざ紹介しているのだからさぞ感動し、暗記するほど読んだのだろうと思われるかもしれないが、実は改めて読んでみてほとんど読んだ記憶がないことに気が付いた。読み同感したからご紹介したはずなのに、である。「いよいよボケが回ってきたか」と愕然ともした。
  でも、読み進めていくうちにいくつかのことに気が付いた。
  非常に機知に富み共感を覚える言葉の数々。それらが私のページの中の題名や言い回しにかなり使われて(って)いるということ。そしてそのいちばん具体的な例が、わたしが月を「お月様」と呼んでいることだろう。
  彼女は「月の季節に」という一節の中で『いったいどれくらいの人が、今でも「お月さま」などと敬称つきで呼ぶのだろうか。そのうち死語になってしまうかもしれない。月は月、ただの月。・・・』と、どんどん月が疎遠になっていく現代社会を嘆いている。
  お月様に限らず、「お日様」「お天道様」「お星様」、はては「ご飯」や「お膳」に至るまで、日本人はさまざまなものに敬称をつけ、敬い、大切にしてきた。これは私たち日本人の失ってはならない大切な『文化』なのではないのか。
  なんとなく「月」と呼びすてるのに気が引けて言い続けてきたのだが、実は彼女のこんな言葉に知らず知らず共感していたのかもしれない。

  『プライベートな星空』は1995年の発行だからかれこれ10年前。私にとってのこの10年は、まあとにかく小説の中にしかなかったことが次々と「実体験」となった10年だったから、多少の「ボケ」は許していただきたいと蔭ながら彼女に謝っている。



これを見よ〜!
2005.10.30

  まずは写真をご覧いただきたい。上を向いている白いもの一本一本がみんな望遠鏡。中には黒いものもあるし、画面外の右側にも左側にも数は少ないもののさらに並んでいる。
  これは昨夜、栃木県は足利市の山中「松田川ダム」そばの駐車場で繰り広げられた光景である。
  実はこれ、星仲間の「ガレージKATO」さんや「北軽井沢観測所」さんの呼びかけで集まった「星好き」(というか「望遠鏡好き」)の面々が持ち込んだ望遠鏡の数々である。
  一人で3台も4台も持ち込んだツワモノが多いため、集まった人数の2〜3倍の数となった次第。時あたかも今期の火星の最接近の前日。望遠鏡の砲列を並べて最接近の火星を迎え撃とうとしている図に見える。と思う。
  しかし、実際は自分の自慢の望遠鏡(良く見えるというだけでなく珍しいとか古いとかの)を持ち寄って、望遠鏡談義に花を咲かそうという「超オタク」の集会なのである。
  面白いのは、何人かずつは知り合い同士なのだが、全体では初めて出会うメンバーなのだ。友達に声をかけたらその友達が友達に声をかけて・・・、とあれよあれよという間にこれだけの数になってしまったのだ。しかも、当夜は降水確率も高く、参加者はみな雨に降られるのを覚悟で集まったという、あきれるような「星屋」達なのである。

  それにしても、やはり望遠鏡を出したからには星を覗いてみたいのが星屋なら当然の人情。
  そんなみんなの「気合」に近い願いが天に届いたのか、時間にすれば1時間ほどとはいえ、なんと満天の星空が頭上に広がったのだ。最接近中の火星はもとより、秋から冬の星雲・星団や美しい二重星、きわめつけは土星まで存分に楽しむことが出来、これ以上望んだらバチが当たりそうな幸運な夜となった。

  幹事役を引き受けたお二人はもとより、遠くは福島県からたくさんの望遠鏡を持って駆けつけたOさんをはじめ「珠玉の望遠鏡」を持ってきてくれた皆さんに心から感謝したい。



むらさき色の星
2005.11.05

  写真は秋の星座ペルセウス座のε星。ちょうどペルセウスの後ろ側の足のひざあたりにある3等星だ。(写真をクリックするとペルセウス座のページへ。この星を加えて、久しぶりにチョット更新)
  この星は明るさの差が大きな二重星で、口径が小さい望遠鏡だと暗いお伴の星のほうは見落としてしまうかもしれない。でもこのお伴の星の色にぜひご注目いただきたい。私の45センチ望遠鏡によるみたてではこの星が紫色に見えるのだ。
  明るくて白い星のそばにある暗い星なので、夜空の色に惑わされて赤い星に青みがかかるのか、その逆に青い星に黒味が着いてそう見えるだけなのか、なんともよくわからない。別の晩に眺めたら別の色に見えるかもしれない。そんな頼りない見え方なので、期待してみたら違って見えたらごめんなさいというほかない。
  でも、写真でもやや青みがかって写っているので、私の目もまんざらではないかもしれない。(これが紫色に見えるかどうかは問題だが・・・。)

  秋もすっかり深まり、朝晩は暖房がほしくなる日が続いている中で、あまり良くない天気予報を完全にひっくり返した飛び石連休の晴天は本当にラッキーなことだ。
  こうして、ある程度晴れの日が続いてくれたら「散歩」も「寄り道」もできるのだが、今年は夏からずっと天気が悪く、本当に星屋泣かせの年である。



金星とお月様
2005.11.06

  飛び石連休後半の5日、久しぶりの「晴れ」に浮かれて星座の写真を撮りたくなり美スター天文台に行った。
  ところが、当日の当番スタッフが2名に対し30名近いお客さんの予約が入っているという。もちろん「夜9時まではお客さんの時間」ということは心得ているので、当番ではなくても当然手伝うことになった。
  それにしてもこの晩のお客さんは運が良い!何せ、この夏の間お客さんにまともな星を楽しんでもらえたのは一晩か二晩。後は曇り、ひどいときは土砂降りなんていう日もあった。
  われわれスタッフも、久しぶりの快晴に上機嫌。もう見せるものがなくなってしまうくらいいろんな物を見てもらった。
  その中には先日このコーナーでご紹介した「仲良しの星」(10.13)や「むらさきの星」(11.05)も当然含まれていた。もちろんこのような「オタク」向けの対象の場合、反応はまったく期待せず「われわれ星屋ってこんなものを見て喜んでるんっすよ」と投げやりな解説で済ましている。ところが、 ご覧になった人たちの多くが、しばらくの沈黙の後「かっわいい〜!」と半ば絶叫。まさに最大級の褒めの言葉をいただいた。

  写真左は、美スター天文台に行く途中、お月様と金星が並んでいるのを見つけてあわてて車を止めパチリ!(画像をクリックすると大きな画像に)
  写真右は4日撮影の火星。気流が落ち着いていて今期いちばんの写りだと思う。



観望会のノウハウ
2005.11.09

  昨晩は霞ヶ浦のほとりで「市民講座」的な観望会があり手伝いに参加した。
  参加者は20人ほどで、小さな子どもはひとりもおらず、中高年の方を含む大人ばかりの珍しい観望会だった。
  構成メンバーが珍しいだけに、これまでなかったような経験をさせてもらった。今夜はそのお話。
  まず最初に驚いたことだが、接眼部を覗こうとして望遠鏡を顔や手で押してしまい、動いてしまったその接眼部を追っかけて望遠鏡と一緒に回っている人が数名おられたこと。もちろん4分の1回転ほどだが、その様子がおかしくて失礼だが少し笑ってしまった。
  これは、使った望遠鏡が固定装置のない「トトロ望遠鏡」だったため、チョット触っただけで動いてしまうことに原因があるのだが 、もうひとつ、暗い状況の中では、人間は何かに触っていないと体のバランスを保つのが難しいということがあるようだ。何か杖とか椅子とかつかまるものをそばに用意しておく配慮が、特に高齢者がいる観望会では必要だと思った。
  次に、ジーっと望遠鏡を覗き込んだ後、ご不満そうに「あの〜星はたくさん見えるんだけど、これをどう結ぶと星座になるんですか?」。同じようなご意見で「火星とか星とかは見せてもらったんですが、せっかく大きな望遠鏡を持ってきているのに、星座は見せてくれないんですか?」ってのもあった。それもそういう人が何人もおられるのだ。これにもチョット困ってしまった。
  しどろもどろに「あのですね、星座というのは、広い夜空に光っている明るい星をつないでいろいろなものに見立てたものなんです。望遠鏡は逆にこんな狭い範囲(指で輪っかを作ってかざしながら)を拡大して見るもので、星座を見る機械ではないんです・・・」。でもお客さん、「ああそうなんですか」といいながら 「星座を見せてもらえなかった」ことがなんとも不満だという顔を最後までしておられた。
  まあ考えてみれば、パソコンをはじめて触ったころ、マウスだのカーソルだのとぽんぽん言われてもなんだかわからず冷や汗をかいていたわけで、まず言葉の意味を飲み込むのが大切なのだ。まして、星や望遠鏡の知識は理屈がわからない割によく見聞きし、想像たくましく期待も膨らんでいるわけで、そんな現実を離れた「先入観」が結構邪魔をしているようだと思った。
  もうひとつは、5日目のお月様(チョット太った三日月)を見てもらっていたら、あるおじいさんから「これは月の一部ですよね?」と聞かれたのだが、これも困った。「欠けてるから全部ではない・・・」でも「視野の中にはすっぽりお月様(の全体)が入っている・・・」。なんと答えたら良いのか困っているうちにそのおじいさん、どこかに行ってしまったが、やはり気になった質問ではあった。

  いろいろ分かっているつもりでも、それを超えた素朴な疑問というものがまだまだたくさんあることを思い知らされた夜だった。

  写真は、そんな観望会を終えたあと、霞ヶ浦の対岸から昇ってきたオリオン座。思いのほか疲れた・・・。



家庭用プラネタリウム
2005.11.11

  写真の「目玉親父」のような機械は、セガトイズがこの夏から販売を始めた家庭用星空投影機「ホームスター」というもの。
  臨場感あふれるプラネタリウム「メガスター」の製作者として最近脚光を浴びている大平貴之氏との共同開発、という鳴り物入りというだけあってそんじょそこらで売っている「教育教材」のプラネタリウムとはちょっと次元が違っている。
  モノは試し。目玉親父の写真をクリックしていただきたい。これが我が家の汚い天井いっぱいにホームスターが投影した星空だ。普通市販されているプラネタリウムの星の数がせいぜい数百なのに対し1万個もの星を投影する事によって得られる銀河の流れや星星にご注目いただきたい。
  その「おもちゃ」離れしたできばえに、この夏の発売開始直後に売り切れ。私のものは一ヶ月以上前から予約しておいてやっと手に入った。また、ネットで「ホームスター」の通販を検索してみてもほとんど「品切れ中」となっているようだ。
  実は、これを買った理由は、観望会などで曇ったりして星が見えなかったとき、少しでもガッカリした気持ちをやわらげてあげたいと思ったからだ。そしてこのホームスターはその役目を十分に果たせるアイテムだと思う。

  ところが、チョット意外だったのは、これが手に入っていちばん喜んだのは実はわが女房殿だったのだ。ホームスターが届いてからというもの、彼女は毎晩これで映し出された星空を眺めながら寝ている。(15〜60分のタイマーも付いているのだ)もちろん私も同じように寝る前に投影して眺めているのだが、近眼で乱視の悲しさ。メガネをはずした目にはボケボケの星空しか見えない。目の良い彼女が少しうらやましい。  



天文台は大賑わい
2005.11.13

  昨夜は、ボランティアで観望会の手伝いをしている旧美和村(現在は常陸大宮市)の天文台「美スター」に、望遠鏡のメンテナンスのため先週に続いて行ってきた。
  天文台につくとすでに観望会は始まっており、星の解説をする下の部屋は大勢のお客さんでいっぱい。毎週お客さんが多くて結構だなあと思っていたら、望遠鏡のある屋上からも話し声。「まさか」と思って昇っていくと、なんと!屋上にもお客さんがいっぱい!。
  しかも、その大勢のお客さんの対応をなんと2名の当番スタッフだけで、文字通りてんてこ舞いで切り盛りしていたのだ。
  望遠鏡のメンテナンスどころではない。ふたりに手伝うことを伝えるのもそこそこに、早速防寒具を着込み、望遠鏡への星の導入だの、星空の解説だのに加わった。
  この時点のお客さん約50名。ふたりに聞けば、さらにあとで時間をずらして来てくれる様にお願いした団体さんがもう一組あるのだそうで、いやはやとんでもない状況だということがわかった。その上、仲間に応援を頼んだには頼んだのだが時間に間に合うように来てくれる保証はまったくないらしい。私は災難にもそこに飛び込んでしまったのだ。でももちろん、当番のふたりにすれば救世主的な存在。
  この日関東平野には「木枯らし」第一号が吹いたとのことで、山頂にある天文台の屋上は真冬のような寒さ。風のおかげできれいに晴れ渡った星月夜の空をたっぷり楽しんだ皆さんには、下の床暖房の聞いた部屋で体を温めてもらったのだが、今度は気持ちよくて寒い中を帰る気になれないでいる。そこへ、先ほどの待っていてもらった団体さんがやってきたから、天文台は再びパニック。 待っている間お酒を召し上がっていた方もいたようで、年配の方が多いこともあって全体にテンションが高い。この場合子どもより大人(オヤジ)のほうの事故が心配になる。
  そんな中、やっと応援のスタッフも到着。終了予定時刻を大幅に超過した10時近くに観望会が終了した。
  この晩、美スター天文台の通常観望会では過去最高の70名超を記録。疲れた中にも「やった〜!」という充実感が残った。いやあ、スタッフのおふたり、ホントご苦労様!

  左の写真は、その帰り(夜中の1時ごろ)通りかかった石岡市は恋瀬川の流れと遠く筑波山。澄んだ10日目のお月様に照らされて昼間のように写った写真を画像処理で何とか「夜らしく」仕上げた。
  右は二日前(10日)の火星。気流の状態が悪くてこんな程度にしかならなかった。



火星とお月様
2005.11.16

  昨夜はお月様と並んで火星が光っているのをご覧になった方も多いだろう。
  しかし、さすがに満月の前日のお月様が相手では、マイナス2等の輝きを誇る火星も存在を誇示するのがやっとという感じだ。
  我が家のほうでは、雲が多い空模様で時々雲に隠されながらの天体ショーだったがそれなりに楽しめた。ただ、望遠鏡で眺めた火星は冬型の荒れた気流に翻弄されて落ち着かない見え方。
  実は、今期の火星はスバルの近くで輝いているのだが、昨夜はだんだん遠ざかりつつある火星とスバルの間に お月様が割り込んだ形になっていたのだ。さしずめ、プレアデス(スバル)美人姉妹に色目を使っていた軍神マーズ(火星)が、月の女神アルテミスに睨まれて震えている図といったところだろう。
  そして今夜のお月様はスバルのすぐそばで光っている。
  写真は、少しでもお月様の光量を落とそうとお月様だけ雲を被ったところを撮ってみたもの。



怒ってないよ・・・
2005.11.21

  昨日は水戸で会議があり、つくば市内で大先輩をふたり車に乗せて出かけた。車の荷台には小さなお手軽望遠鏡を載せておいた。
  実は、この会議では去る9月21日再審決定が出された冤罪「布川事件」の当事者のお一人である桜井昌司さん御夫妻にお会いできるはずで、そうしたら火星を見てもらおうと思っていたからだ。
  会議のあと軽い交流会を終えると、水戸の空もすっきりの星空がひろがっていた。忙しそうな桜井御夫妻を無理やり引きとめ火星を見てもらうことができた。もちろん会議に参加した人たちの何人かも一緒に。それと通りすがりの外人の娘さんも・・・(この人がいちばん感激していたような)

  同行のふたりを自宅に送り届け帰宅したら、我が家の女房殿が行方不明。東京に出かけたまま帰ってきていないのだ。携帯にメールしたらやっと所在のご報告が来た。
  ともあれ、我が家も水戸と同じようによい天気。空気が落ち着いているせいで火星も結構良く見えている。早速撮影開始。
  その最中に女房殿のご帰宅。観測小屋の入り口でなにやら言い訳のようなことをしゃべっている。が、こちらはその相手どころではない。モニターの火星像に神経を集中していて上の空。それがどうも「亭主のご機嫌斜め」と映ったようだ。
  もう20年以上も一緒に暮らしているのに・・・「男のロマン」は女には永遠にわからないものなのだろう。

  写真は、その女房殿の言い訳を聞きながら写した火星。火星の何箇所かで雲がわき始めているようだ。



土星シーズンの始まり
2005.11.23

  今、星空の主人公はなんと言っても火星。夕方の東の空に赤く明るく光っていて夜半には天頂付近で燦然と輝いている。
  でも、気が付いている人も多いと思うが、同じ夕方の南西の空に白く光っている星がある。これが宵の明星=金星だ。(表紙の写真)金星は来月12月9日最大光輝を向かえるまで増光を続ける。
  そしてもうひとつ、あの有名な土星が夜半の東の空に昇って来はじめている。まだ火星が明るいので土星はそれほど目立っていないが、これからどんどん暗くなっていく火星とは対照的に、これから冬の夜空の主役として出番を伺っているといった格好だ。

  このところ連日よい天気が続いていて、祝日前の昨夜はかなり遅くまで二重星を探したり写真を撮ったりして、この夏からの欲求不満をかなり解消させてもらった。
  写真左は昨夜の土星。気流が悪くてひどい写真なのだが、望遠鏡を覗けない方のためにアップしてみた。右は、同じく昨夜のお月様。(写真をクリックすると大きな写真に)



おめでとう!はやぶさ
2005.11.26

  国産で世界で唯一の人工衛星打ち上げ用固体燃料ロケットM−X(ミューファイブ)5号機で打ち上げられた小惑星探査衛星「はやぶさ」が、目指す小惑星「イトカワ」に二度目の軟着陸と試料採取に成功したようだ。
  20日には軟着陸しながら、何かの原因で機器が作動せず試料採取に失敗。25日(26日の朝)再度挑戦という事だったが、その時間のJAXA管制室からのライブ中継は、何か異状が発生したような知らせが書かれたままなのでヤキモキしていた。(現在はリポ○タンDの山が・・・)
  しかし、午後になって試料採取の成功がネットに流れまずは一安心した。
  どこかの新聞が書いていたが、今回の計画は「できっこないよ」という芸当のオンパレード。はるか3億キロ(太陽までの距離の2倍)かなたのわずか540メートルという、いわば「石ころ」の表面を引っかいて持って帰ってくるというもの。しかもどこかで練習したわけではない初めてづくしの チャレンジだった。
  それにしても、テレビでよく目にするアメリカのNASAの管制司令室に比べた日本のそれは、片やいかにも「国家的事業」という感じなのにたいして、こちらは一応それらしく整えられてはいるがパソコンを並べただけの研究室に毛が生えたようなものに見えた。このあたりにも日本という「国」の姿が映っているように見える気がする。      



早朝の月・木・土
2005.11.28

  このところ毎週何かの用事で出かけているので、この土日は家にいることにした。もちろん夜の星見は欠かせないのだが。
  でも、もうひとつ観たい(写したい)ものがあって、夜は早めに切り上げてその分早起きしている。
  今は朝の5時ごろまで「夜」。その空には、天頂付近に土星、そして東の空に新月3〜4日前の細いお月様、さらに遅れて東の空低く木星が顔を出し始めているのだ。

  まずは、いちばんの目的のお月様の撮影。クレーターの様子がわかるシャープな画像と、もうひとつ「地球照」といって、お月様の暗い部分が地球に照らされてうっすらと見える様子を撮影した。(写真をクリックすると大きな写真に)

  次は木星、これはお月様に近いので「ついで」。高度があまりにも低すぎてまともな画像は望めないからだ。実際そのとおり太い縞模様が写っただけ。とにかくこのシーズン初めての木星画像ということでご覧いただきたい。(写真左下。土星の画像に比べて1割程度拡大率が高い=大きく写っている)

  そして土星。夜半の空はジェット気流の影響とかで像が乱れていたのであまり期待せず覗いて見たら、予想に反してかなりシャープな像だった。(写真左上)

  月・木・土と並べると、やっぱり火星も並べたくなる。夕べ火星を撮影しなかったことがつくづく悔やまれた。





      






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