多度利津伎布理加弊利美禮婆山川遠越而波越而來都留毛野香那 |
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或黨の黨員となりし折の歌
多度利津伎() 布理加弊利美禮婆()
山川遠() 越而波越而()
來都留毛野香那()
◎ 私感註釈 *****************
※河上肇:明治〜昭和前期のマルクス主義経済学者。
※或黨の黨員となりし折の歌:これは漢詩ではなく、万葉仮名表記による和歌だが、漢字の表現の一としてとりあげた。作者は立場上、秘匿性を重視したのか。万葉仮名については、大野透著の『萬葉假名の研究』(明治書院)、澤瀉久孝、佐伯梅友共著『新校萬葉集』(創元社)による。 ・或黨:日本共産党を謂う。
※多度利津伎:たどりつき。度〔ド甲類〕。伎〔キ甲類〕。
※布理加弊利美禮婆:ふりかへりみれば。美〔ミ甲類〕。
※山川遠:やまかはを。
※越而波越而:こしてはこして。
※來都留毛野香那:きつるものかな。毛〔モ乙類〕。万葉仮名表記では、野〔ノ〕や香〔カ〕は、使用例はあるが、あまり一般には使われないが、九六七「日本道乃 吉備乃兒島乎過而行者 筑紫乃子島 所念香裳」などにその用例がある。〔ノ甲類〕は「努、濃」を、〔ノ音乙類〕は「乃、能」を、また、〔カ音〕は、「加、可、賀」等をよく使う。 ・「かな」感動の終助詞。『万葉集』では「かも」を使う。「かな」は中世以降盛行した。
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◎ 構成等について
和歌。万葉仮名表記。
平成16.7.23 9. 5 |
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