huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


            
LiQingzhao liqingzhao李清照
   南歌子

天上星河轉,
人間簾幕垂。
涼生枕簟涙痕滋。
起解羅衣聊問、夜何其。


翠貼蓮蓬小,
金銷藕葉稀。
舊時天氣舊時衣,
只有情懷不似、舊家時。


    **********************


      南歌子

天上  星河 轉じ,
人間  簾幕 垂る。
涼 生じて 枕簟  涙痕 滋く。
起ちて 羅衣を解きつつ  聊
(いささ)か 問ふ、 夜 何ぞ 其(いかばかり)ならん。


(みどり) 貼れる  蓮蓬 小さくして,
金銷の藕葉 稀なり。
舊時の 天氣  舊時の衣,
只だ 情懷のみは 似ずに有り、舊家
(むかし)の時に。


             ******************

◎私感訳註:

※南歌子:詞牌の一。詞の形式名。詳しくは「構成について」を参照。

※天上星河轉: ・天の銀河が(時間が経って、)動き。 ・天上:天の上の。空の。後出の「人間」と対になる。 ・星河:銀河。 ・轉:移動して。転じて、時間が経ったことをいう。

※人間簾幕垂:(天上界では、銀河が動き、時間が経ったのがわかり)地上界では、窓のカーテンを降ろして(寝床に入ろう)。北宋・歐陽修の『阮郎歸 踏青』に「南園春半踏青時。風和聞馬嘶。青梅如豆柳如眉,日長蝴蝶飛。   花露重,草煙低,人家簾幕垂鞦韆慵困
解羅衣,畫堂雙燕歸。」とある。 ・人間:人の世。じんかん。ここでは、地上の意で使われれている。白居易の「長恨歌」に「但ヘ心似金鈿堅,天上人間會相見があり、この場合の「天上人間」には「會相見」(かならず 相 まみえん=きっと会うだろう)が隠されていよう。李Uの『浪淘沙』には「別時容易見時難。流水落花春去也天上人間。」 とあり、ここでは「流水落花春去也」(この世のすばらしいことは、全て過ぎ去ってしまった。天上からも人の世からも)の方の意味を暗示しながら使われていよう。 ・簾幕:窓のカーテン。

※涼生枕簟涙痕滋:涼しい風が吹き始め、(秋が来ようとしているが)夏物の(冷たい)敷物には(夏の間につけた)涙のあとがたくさんある。 ・涼生:涼しい風が吹き始めたこと。 ・枕簟:まくらと夏物の竹製の敷物。或いは、枕にかぶせた夏物の竹製の敷物。詞の全体から謂うと、やや時季はずれになる。ここでは、やがて季節が過ぎ去っていく、と言うことを示すためにも使われている。「簟」:たかむしろ。竹や葦の葉を編んで作ったむしろ。夏の調度。玉簟竹で作る。 ・涙痕:涙のあと。 ・滋:多い。しげし。

※起解羅衣聊問(、夜何其):起きあがって、うすぎぬの(夏物の)着物を脱いで(あいの着物と着替えながら)少し尋ねたいが…。 ・起解:起きて…をぬぐ意。*なお、「起解」という語はない。ここは、…を脱ぎ始める、にはならない。 ・羅衣:うすぎぬの(夏物の)着物。前出・北宋・歐陽修の『阮郎歸 踏青』に「南園春半踏青時。風和聞馬嘶。青梅如豆柳如眉,日長蝴蝶飛。   花露重,草煙低,人家簾幕垂。鞦韆慵困
羅衣,畫堂雙燕歸。」とある。 ・聊:いささか。少し。

※夜何其:「夜如何其」のこと。夜は、いったいどれほどまで更けているのか。(いつになったら夜明けになるのか)。眠れないでいることを言う。『詩経 小雅 庭燎』に「
夜如何其,夜未(央)。」の部分が繰り返して使われているが、それに基づいて劉禹錫の「夜如何其夜漫漫」をはじめ、多くの詩人が「夜が長い」「夜が明けない」の意で使っている。 ・其:(古白話)疑問を表す助辞。いったい…?

※翠貼蓮蓬小:緑色のハスの実の刺繍が、古くなったために摩滅してのっぺりとして、恰も貼り付けたようになっている。 ・翠貼:緑の。「貼」の意味が今ひとつ、分かりにくい。「翠如貼」と見た場合、緑色の(ハスの)刺繍の縫い取りが、(古くなったために摩滅して)のっぺりとして、恰も貼り付けたようになっている、となる。「貼翠」と見た場合、アップリケのように、縫いつけた模様、になる。これは実際にあったようだ。いずれにしても羅衣の模様をいっている。 ・蓮蓬:ハスの花托。ハスの実を包んでいる円錐形の苞。ここでは、衣裳の模様を指す。 ・小:ちびた。摩耗した。

※金銷藕葉稀:金糸の縫い取りのハスの葉が、(擦り切れて、めっきり)少なくなった。或いは、金箔押しのハスの葉が、(剥がれ落ちて、めっきり)少なくなった。「翠貼蓮蓬小」「金銷藕葉稀」も彼女の羅衣の古ぼけたさまをいっている。 ・金銷:金糸の縫い取りが剥がれ落ちる。「銷金」と見た場合、金箔をおく。金箔をふりかけて飾る。 ・藕葉:〔ぐうえふ;ou3ye4●●〕ハスの葉。「藕」は仄字。ハスは平字の「蓮」や「荷」がよく使われるが、先に「蓮蓬」として「蓮」字が使われた。彼女はしばしば「藕」字を使っている。「誤入藕花深處」や 「紅藕香殘玉簟秋」と、この語が好きなのだろう。「藕」は主として、レンコン(蓮根)の意で広く使われる。 ・稀:少ない少なくなった。まれ。

※舊時天氣舊時衣:以前と同じ天地・自然・季節の様子に、以前と変わらない衣裳。 ・舊時:むかしの。以前の。ここは、三回も「舊」を繰り返して意味の強調とリズム感を出している。 ・天氣:天の気配。自然の様子。季節。ここでは、「おてんき」の意味はない。 ・舊時衣:以前のままの衣裳。

※只有情懷不似、舊家時:ただ、気持ちだけが、以前とは、違っている。意味としては「只有情懷不似、舊家時」。 ・只有:(白話)ただ、それだけが、…だ。 ・情懷:(白話)気持ち。 ・不似:似ていない。違う。 ・舊家:(詞語)以前の。昔の。宋代の言い回しという。『中国詞学大辞典』(浙江教育出版社)より。*ここは「名門、旧家」の意の「きゅうか」ではない。







◎ 構成について

  双調。五十二字。平韻一韻到底。韻式は「AAA AAA」。韻脚は「垂滋其 稀衣時」で、第三部平声四支。
                         
   
●○○●,
   ●○。
(平韻)
   ●●○○。(平韻)
   
●●○○。(平韻)

                        
   
●○○●,
   ●○。(平韻)
   ●●○○。(平韻)
   
●●○○。(平韻)
 
2002.2. 6
     2. 7
     2. 8
     2. 9完
2017.7.22補
2017.7.24

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