Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


陶淵

                    
              東晉 陶潛
      歸園田居 五首
       其四

久去山澤游,
浪莽林野娯。
試攜子姪輩,
披榛歩荒墟。
徘徊丘壟間,
依依昔人居。
井竈有遺處,
桑竹殘朽株。
借問採薪者,
此人皆焉如。
薪者向我言,
死沒無復餘。
一世異朝市,
此語眞不虚。
人生似幻化,
終當歸空無。




******

園田の居に 歸る 五首
                        其四

久しく 去
(はな)る  山澤(さんたく)の游び,
浪莽
(らうまう)たる 林野の娯しみ。
試みに 子姪
(してつ)の輩を  攜(たづさ)へ,
榛を 披
(ひら)きて  荒墟を 歩む。
徘徊
(はいかい)す  丘壟(きうろう)の間,
依依たり  昔人の居。
井竈
(せいさう)  遺處 有り,
桑竹
(さうちく)  朽株を 殘す。
借問
(しゃもん)す  採薪の者に:
「此
(ここ)の人  皆 焉(いづ)くにか 如(ゆ)く」と。
薪者 我に向ひて 言ふに:
「死沒して  復
(ま)た 餘(のこ)ること 無し」と。
“一世  朝市を 異
(こと)にす”,
此の語  眞
(まこと)に 虚ならず。
人生  幻化に 似て,
(つひ)に 當(まさ)に 空無に 歸すべし。

*****************


◎ 私感註釈

※陶潛:東晉の詩人。

※歸園田居:田舎へ帰る。帰田、帰耕すること。これは、全五首の中の第四首。官吏をやめて、隠棲をする折りの詩。

※久去山澤游:長い間山や水際での遊びや、広々とした林野から遠ざかっている。 ・久去:長い間…から遠ざかっている。陶潜が出仕していて、田舎から離れていたことを謂う。「久去」は「山澤游,浪莽林野娯。」までかかっている。 ・去:さる。離れる。ここでの用語法は、動詞として使っているのであって、虚辞ではない。 ・山澤游:山や水際での遊び。 ・山澤:山野と沼沢。 ・游:あそび。娯楽。=遊。 この「游」を「游宦」「宦游」の意ととるのは、節奏から考えていくと、苦しい。

※浪莽林野娯:広々とした林や野原での娯楽。 ・浪莽:とりとめのないさま。はてしなく広いさま。さすらう。 ・林野:林や野原。山林原野。 ・娯:娯楽。

※試攜子姪輩:こころみに、こどもやおい、めい達を連れて。 ・試:こころみに。 ・攜:連れる。 ・子姪:〔してつ;zi3zhi2●●〕こどもやおい・めい。自分より一世代下の者。

※披榛歩荒墟:木々を押し分けて、草が茂った村里の蹟を歩く。 ・披:ひらく。ひろげる。 ・榛:〔しん;zhen1○〕ハシバミ。山地に生える落葉喬木。雑木。雑木が群がり生える。草木が乱生する。 ・荒墟:草が茂った村里の蹟。 ・荒:雑草が地を蓋う。

※徘徊丘壟間:高台の間を徘徊する。 ・徘徊:うろうろとする。 ・丘壟:〔きうろう;qiu1long3○●〕おか。高台。丘陵。 ・壟:地の高いところ。

※依依昔人居:。 ・依依:名残惜しく、離れにくいさま。細々と絶えないさま。 ・昔人居:昔、いた人の住居。

※井竈有遺處:井戸やかまどといった人の生活の跡が遺されており。 ・井竈:〔せいさう;jing3zao4●●〕井戸やかまど。人の生活の跡。

※桑竹殘朽株:かつて人が栽培した植物であるクワとタケの株が残っている。 ・桑竹:クワとタケ。人が栽培した植物。

※借問採薪者:マキを集めに来た人に、少しお伺いするが。 ・借問:〔しゃもん;jie4wen4●●〕少し尋ねるが。 ・採薪者:マキを集めに来た人。

※此人皆焉如:ここの(村に住んでいた)人たちは、いづこに行ったのか。作者が採薪者に尋ねたときに言った言葉である。 ・此人:ここの人たち。かつてこの村に住んでいた人たちのこと。 ・焉:いづこに。 ・如:ゆく。

※薪者向我言:薪を採っていた者が、わたしに向かって(答えて)言うことには。

※死沒無復餘:死んでしまって、生き残っている人は、誰一人いない。採薪者が作者に答えて言った言葉である。 ・死沒:死んでしまう。 ・無復:もう二度と…ない。完全にない。 ・餘:ここでは、生き残っている人。

※一世異朝市:一世代が異なれば街の様子はがらりと変わる。 ・一世:一世代。三十年。 ・異:ことなるものとする。動詞。 ・朝市:朝廷と市(いち)で、賑やかな都市。後世、晩唐・杜牧は『送隱者』で「無媒徑路草蕭蕭,自古雲林遠
市朝。公道世間唯白髮,貴人頭上不曾饒。」と使う。

※此語眞不虚:(「一世異朝市」)という、この言葉は、まことに嘘ではない。 ・此語:具体的には、直前の「一世異朝市」を指す。 ・眞:まことに。本当に。 ・不虚:偽りではない。

※人生似幻化:人生はまぼろしのようであり。

※終當歸空無:結局は、空無に帰って行くことになるのだろう。 ・終:ついには。結局は。 ・當:当然。 ・歸:(本来帰るべき所に)戻っていく。 ・空無:なにもない。

               ***********




◎ 構成について

韻式は「AAAAAAAAA」で、韻脚は「游娯墟居株如餘虚無」で、平水韻で見れば上平六魚、七虞になる。この作品の平仄は次の通り。

   
●●○●○,(韻)
   
●●○●○。(韻)
   
●○●●●,
   
○○○●○。(韻)
   ●●●●●,
   ○○●○○。(韻)
   ●●●●●,
   ○●○○○
。(韻)
   ●●●○●,
   ●○○○○。(韻)
   ○●●●○,
   ●●○●○。(韻)
   ●●●○●,
   ●●○●○。(韻)
   ○○●●●,
   ○○○○○。(韻)
2003.5. 4
     5. 5完
     5.11補
     7.14
    11. 2



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