搖啊搖, 搖到外婆橋, 外婆叫我好寶寶, 我叫外婆洋泡泡, 外婆罵我小赤佬! |
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漕いで漕いで、おばあちゃんの橋のところまで行った
こいで、こいで,
こいでおばあちゃんの橋のところまでいった,
おばあちゃんは、ぼくのことを「いいこ」というけれど,
ぼくは、おばあちゃんを「風船ガム」という,
おばあちゃんは、ぼくを「悪い子」としかった!
◎ 私感註釈 *****************
※搖啊搖,搖到外婆橋:舟に乗って外祖母の家に行くという童謡。旧社会の童謡。出かけていく舟は重要な交通手段。リズミカルな歌詞である。韻を踏むような箇所が多い。「搖(yao)啊搖(yao),搖(yao)到(dao)外婆橋(qiao),外婆叫(jiao)我好(hao)寶寶(baobao),我叫(jiao)外婆洋泡泡(paopao),外婆罵我小(xiao)赤(lao)!」と。 張藝謀(Zhang1Yi4mou2チャン・イーモウ)監督の映画『搖搖,搖到外婆橋』(『門規』)(邦題『上海ルージュ』)の題であり、映画の中でも歌われる。読者の棋子居士といわれる方から、次のような四種ほどの異傳があるということを教わった。一つめは、「搖啊搖,搖到外婆橋,外婆叫我好寶寶。糖一包,果一包,外婆買條魚來燒。頭勿熟,尾巴焦,盛在碗裏吱吱叫,喫拉肚裏豁虎跳。跳啊跳,一跳跳到賣魚橋,寶寶樂得哈哈笑。」で、次のものは国語の教科書にも取り上げられたもので「搖啊搖,搖到外婆橋,外婆叫我好寶寶。請喫糖,請喫糕,糖啊糕啊莫喫飽。少喫滋味多,多喫滋味少。」という。「搖啊搖,搖到外婆橋,外婆叫我好寶寶。我叫外婆洋泡泡,外婆叫我小赤佬!」。これはその第四種のもの。 (以下は2013.7.30記:)また、猫村信太(日本式筆名)氏よりメールを頂き、そこには:「ぼくはおばあちゃんから『搖啊搖,搖到外婆橋,外婆叫我好寶寶,一塊糖來一塊糕(または『一塊饅頭一塊糕』)』とも習いました。」とあり、更に「小赤佬」について、詳しい説明を頂きました。「『小赤佬』は『ガキ』のことです。詳細は、こちら(『百度(Baidu)百科』)を参照」とありました。(以上:2013.7.30記)
※搖啊搖:舟をこぎ続けて、ゆらゆらと。 ・搖:櫂(かい)で舟を漕ぐ。 ・啊:〔動詞+啊〕休みなく、続けさまに、しきりに、といった語気を表す。動作の過程が長いことを表す。
※搖到外婆橋:櫂(かい)で漕いで、(母方の)おばあちゃんの住んでいるところの橋のたもとに着いた。 ・搖到:櫂(かい)で漕いで…に着いた。 ・外婆橋:母方の祖母の住んでいるところの橋。
※外婆叫我好寶寶:(母方の)おばあちゃんは、わたしのことを「本当にいいこ」と呼ぶ。 ・外婆:母方の祖母。外祖母。 ・叫我−:わたしのことを…と呼ぶ。 ・叫:…と呼ぶ。…と言う。 ・好寶寶:本当にいいこ。 ・寶寶:〔はうはう;bao3bao0●●〕(小児を可愛がって言う)いいこ。
※我叫外婆洋泡泡:わたしは、おばあちゃんのことを風船ガムと呼ぶ。 ・我:ここでは、子ども側のことになる。 ・洋泡泡:風船ガム。 ・洋-:外国製の。比較的古い表現。
※外婆罵我小赤佬:おばあちゃんは、わたしのことを「悪い子」と叱る。 ・罵:叱りののしる。非難する。ののしる。おこっていう。 ・小赤佬:がき。いけない子。或いは、無頼漢。旧社会の軍人を罵っていうことば。このことばについて前出・猫村信太(日本式筆名)氏より:「『小赤佬』は『ガキ』のことで、『赤佬,上海方言。赤佬在上海話中原指鬼的意思(上海話讀“ju”),“赤”是赤膊的意思,現在專門用來形容精靈可愛活潑的小孩。上海話口語中多用來形容小孩子活潑可愛的樣子,像個精靈。這也是由“鬼”衍生出來的,“鬼”用來形容小孩有小鬼的意思,所以説是可愛的精靈。…“小赤佬”可直接做罵人的粗話。以前上海天氣熱的時候,小孩子赤著膊在弄堂裡皮,弄得身上齷裡齷齪,大人就要罵了:“小赤佬,特我死轉來。”“小赤佬”,有時候則是貶義褒用。弄堂裡的姆媽們在聊天時講“阿拉屋裡廂只小赤佬”,就是帶有很有喜愛的意味。』(『百度(Baidu)百科』)」との内容のメールを頂きました(2013.7.30)。
◎ 構成について
韻式は「AAAaaa」。韻脚は「揺揺橋 寶泡」で、填詞と似た押韻のしかた。詞韻でいえば第八部。次の平仄はこの作品のもの。
○◎○,(韻)
○●●○○,(韻)
●○●●●●●,(韻)
●●●○○●●,(韻)
●○●●●●●。(韻)
2006.6.28 6.30 7. 1完 2008.7.29補 2013.7.30小赤佬 |
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