Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


書懷
清・袁枚

我不樂此生,
忽然生在世。
我方欲此生,
忽然死又至。
已死與未生,
此味原無二。
終嫌天地間,
多此一番事。






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懷ひを書す
(われ)  ()(せい)(ねが)はざるに,
忽然(こつぜん)として  世に()まる。
(われ) (まさ)に  ()(せい)(ほっ)するに,
忽然(こつぜん)として  死 ()(いた)る。
(すで)に死せること」と「未だ(しゃう)ぜざること」とは,
()の味  (もとも)と二なる無し。
(つひ)(うとん)ず  天地の間,
()の一番の事 多きを。

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◎ 私感註釈

※袁枚:清代の詩人。1716年(康煕五十五年)〜1797年(嘉慶二年)。字は子才。号して簡齋。別号に隨園老人ともいう。銭塘(現・浙江省杭州)の人。乾隆年間の進士で、県令の任につく。やがて官を退き、江寧(金陵=現・南京附近)小倉山の隨園(別号に基づく)に隠棲する。詩では性霊説を倡えて、格調説に論駁する。

※書懐:存念を詩にする。 ・書懐:心に思うことを書く。存念を詩にする。盛唐・杜甫に『旅夜
書懷』「細草微風岸,危檣獨夜舟。星垂平野闊,月湧大江流。名豈文章著,官應老病休。飄飄何所似,天地一沙鴎。」があり、中唐・白居易に『秋居書懷』「門前少賓客,階下多松竹。秋景下西墻,涼風入東屋。有琴慵不弄,有書閑不讀。盡日方寸中,澹然無所欲。何須廣居處不用多積蓄。丈室可容身,斗儲可充腹。況無治道術,座受官家祿。不植一株桑,不鋤一壟穀。終朝飽飡,卒歳豐衣服。持此知愧心,自然易爲足。」があり、南宋・陸游に『病起書懷』「病骨支離紗帽ェ,孤臣萬里客江干。位卑未敢忘憂國,事定猶須待闔棺。天地神靈扶廟社,京華父老望和鑾。出師一表通今古,夜半挑燈更細看。」がある。

※我不楽此生:わたしは、この世に生まれてくることを願ったわけではない(が)。 ・楽:願う。愛する。心にかなう。また、心におもしろく感じること。たのしい。よろこばしい。「苦」の対。ここは、前者の意。 ・此生:この「(せい)」。この人生。この世に生まれてくること。この用法【楽・此生】の「生」は名詞。

※忽然生在世:不意に、この世に生まれてきた。 ・忽然:〔こつぜん;hu1ran2●○〕不意に。たちまち。曹植の『吁嗟篇』に「吁嗟此轉蓬,居世何獨然。長去本根逝,宿夜無休閑。東西經七陌,南北越九阡。卒遇回風起,吹我入雲間。自謂終天路,
忽然下沈泉。驚飆接我出,故歸彼中田。當南而更北,謂東而反西。宕宕當何依,忽亡而復存。飄周八澤,連翩歴五山。流轉無恆處,誰知吾苦艱。願爲中林草,秋隨野火燔。糜滅豈不痛,願與根連。」とある。 ・生在世:(この)世に生まれる。この用法【生+在…】の「生」は動詞。「生在世」には二つのとり方がある。一つは「生在・世」で「生於世」「(この)世に生まれる」の意で、もう一つは「生・在世」で「この世に存命の間に生まれる」。後者は表現上、無理がある。前者の意が妥当。

※我方欲此生:わたしがちょうどまさに、この世で生き(続け)たいと思った(時に)。 ・方:ちょうど。まさに。 ・欲:ほっする。ほしい。

※忽然死又至:不意に、死はまたしてもやって来る。 ・又至:またしても…が来る、の意。漢・班婕、の『怨詩』「新裂齊紈素,皎潔如霜雪。裁爲合歡扇,團團似明月。出入君懷袖,動搖微風發。常恐秋節
,涼風奪炎熱。棄捐篋笥中,恩情中道絶。」や、謝の『玉階怨』に「夕殿下珠簾,流螢飛復息。長夜縫羅衣,思君此何極。」とあり、東晉・陶潛の『雜詩十二首』其三に「榮華難久居,盛衰不可量。昔爲三春蕖,今作秋蓮房。嚴霜結野草,枯悴未遽央。日月還復周,我去不再陽。眷眷往昔時,憶此斷人腸。」とある。

※已死与未生:死んだ(後)と、まだ(この世に)生まれる(前)(の)。 ・已死:死んだ(後)。 ・与:…と。…と(…と)。 ・未生:生まれる前。この世にまだ生まれていない時。

※此味原無二:この(「死後」ということと「生前」ということの)趣(おもむき)は、もともと異なったものではないのだ。 ・此味:この趣き。この気持ち。この味わい。ここでは、前出句の「已死与未生」(死後と、生まれる前)のことをいう。 ・原:もともと。元来。「原」=「元」。 ・無二:同じ、と謂うことの意で使う。本来、ふたところがない。ただ一つで、他のものがない。無双。同じものが他に一つもないこと。無比。

※終嫌天地間:結局、この世の中で、うとまれるのは。 ・終:結局。ついに。 ・嫌:〔けん;xian2○〕きらう。いやがる。うとんじる。にくむ。いとう。 ・天地間:この世の中。

※多此一番事:この余分な(「生死」の)問題である。 ・多:余分である。多い。 ・此:この。この「生死」の問題。 ・一番事:一つの事柄。

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◎ 構成について

韻式は、「aaaa」。韻脚は「世至二事」で、平水韻去声四寘。この作品の平仄は、次の通り。


●●●●○,
●○○●●。(韻)
●○●●○,
●○●●●。(韻)
●●●●○,
●●○○●。(韻)
○○○●○,
○●●○●。(韻)
2011.6. 8
     6.12



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