Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


宿五松山下荀媼家

李白
我宿五松下,
寂寥無所歡。
田家秋作苦,
鄰女夜舂寒。
跪進雕胡飯,
月光明素盤。
令人慚漂母,
三謝不能餐。




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五松山 ご しょうざん下の荀媼じゅんあうの家に宿しゅく      

我 五松 ご しょうもと宿しゅくし,
寂寥せきれうとして  よろこぶ所 無し。
田家でん か   秋作しうさく 苦しみ,
鄰女りんぢょ  夜舂 や しょう 寒し。
ひざまづきて 雕胡てう こ の飯を進め,
月光  素盤 そ ばんに明かなり。
人をして 漂母へう ぼ む,
三たび謝して さんするあたはず。


                      ****************

◎ 私感註釈

※李白:盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。701年(嗣聖十八年)〜762年(寶應元年)。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる。安史の乱では苦労をする。後、永王が謀亂を起こしたのに際して幕僚となっていたために、罪を得て夜郎にながされたが、やがて赦された

※宿五松山下荀媼家:五松山(ごしょうざん)の麓にある荀(じゅん)ばあさんの家に泊まる。 ・宿:宿泊する。泊まる。 ・五松山:南京の東南150キロメートルの長江南岸の現・安徽省銅陵県の東南にある。銅陵の南四里、南陵の西五里のところか。李白はここに居を構えて「五松書院」と名づけた。明代の『銅陵県志』に「五松山,在縣南四里,山舊有松,一本五枝,故名。」とある。李白の『與南陵常贊府遊
五松山』で「安石泛溟渤,獨嘯長風還。逸韻動海上,高情出人間。靈異可並跡,澹然與世閨B我來五松下,置酒窮躋攀。徴古絶遺老,因名五松山。五松何清幽,勝境美沃州。蕭颯鳴洞壑,終年風雨秋。響入百泉去,聽如三峽流。剪竹掃天花,且從傲吏遊。龍堂若可憩,吾欲歸精修。」と説明する。(『漢語大詞典』卷一 360ページ(漢語大詞典出版社))。『中国歴史地図集』第五冊 隋・唐・五代十国時期(中国地図出版社))54ページ「唐 淮南道」にはない。 ・荀媼:荀(じゅん)ばあさん。「荀」〔じゅん;xun2〕は姓。 ・媼:〔あう;ao3●〕婆(ばば)。老母。おんな。おうな。

※我宿五松下:わたしは、五松山(ごしょうざん)の麓に泊まったが。

※寂寥無所歡:もの寂しく、楽しいことは、何も無かった。 ・寂寥:〔せきれう;ji4liao2●○〕寂(さび)しく静かなさま。ひつそりしているさま。權コ輿の『蘇小小墓』「萬古荒墳在,悠然我獨尋。寂寥紅粉盡,冥寞黄泉深。蔓草映寒水,空郊曖夕陰。風流有佳句,吟眺一傷心。」や、顧夐の『楊柳枝』「秋夜香閨思
寂寥,漏迢迢。鴛帷羅幌麝煙銷,燭光搖。   正憶玉カ遊蕩去,無尋處。更聞簾外雨蕭蕭,滴芭蕉。」と使う。 ・無所歡:歡(よろこ)ぶこと。 ・所:…こと。…ところ。〔所+(一語(字)の)動詞〕で、その動詞を体言化する。 ・歡:(口を大きく開けてさけび)喜ぶ。たのしむ。

※田家秋作苦:農家は、秋の農作業で苦しみ。 ・田家:いなか家。農家。孟浩然の『過故人莊』に「故人具鷄黍,邀我至
田家。克村邊合,山郭外斜。開筵面場圃,把酒話桑麻。待到重陽日,還來就菊花。」とある。 ・秋作:秋の取り入れ。秋の農作業。

※鄰女夜舂寒:隣家の女性は、夜なべで舂(うす)を搗(つ)いて、貧寒としている。 ・鄰女:隣の女性。 ・夜舂:〔やしょう;ye4chong1●○〕夜なべに穀物を搗(つ)く。(農家の)夜なべ仕事。 ・舂:〔しょう;chong1○〕うすづく。搗(つ)く。臼(うす)で粟(あわ)などの穀物を搗(つ)く。 ・寒:(気候や経済的条件が)寒々しい。

※跪進雕胡飯:(荀(じゅん)ばあさんは、)跪(ひざまず)いて、真菰(まこも)の飯を進めてくれ。 ・跪進:跪(ひざまず)いて、…を進める。(単語ではない)。 ・雕胡:〔てうこ;diao1hu2○○〕真菰(まこも)の実。食用にする。菰(gu1)(こも)。

※月光明素盤:月光が白い大皿に明るく照らしていた。 ・素盤:白い大皿。

※令人慚漂母:飢えた韓信に食べ物を恵んだ漂母(ひょうぼ)に申し訳なく思うが。 ・令人:人をして…させる。 ・慚:〔ざん;can2○〕はじる。面目を失い、はずかしい。軽く用いる。自動詞。李白の『春夜宴桃李園序』「夫天地者,萬物之逆旅;光陰者,百代之過客。而浮生若夢,爲歡幾何?古人秉燭夜遊,良有以也。況陽春召我以煙景,大塊假我以文章。會桃李之芳園,序天倫之樂事。群季俊秀,皆爲惠連。吾人詠歌,康樂。幽賞未已,高談轉清。開瓊筵以坐華,飛羽觴而醉月。不有佳作,何伸雅懷?如詩不成,罰依金谷酒數。」で、「而浮生若夢,爲歡幾何?古人秉燭夜遊,良有以也。」として、使う。 ・漂母:〔へうぼ;piao3mu3●●〕綿や布を水で晒(さら)すおばさん。洗濯ばあさん。「-母」は中高年の女性を謂う。『史記・淮陰侯列傳』「(釣於城下,諸母漂,
一母見(韓)信飢,飯,竟漂數十日。喜,漂母曰:「吾必有以重報母。」母怒曰:「大丈夫不能自食,吾哀王孫而進食,豈望報乎!」に基づく。ここでは、前出の荀媼(荀(じゅん)ばあさん)のことになる。

※三謝不能餐:何度も謝したが、食べることは出来なかった。 ・三謝:何度も謝す。お礼を言う。わびる。 ・三-:何度も。 ・謝:お礼を言う。わびる。 ・不能:…することができない。 ・餐:食事をする。

               ***********




◎ 構成について

 韻式は、「AAAA」。韻脚は「歡寒盤餐」で、平水韻上平十四寒。この作品の平仄は、次の通り。

●●●○●,
●○○●○。(韻)
○○○●●,
○●●○○。(韻)
●●○○●,
●○○●○。(韻)
●○○●●,
○●●○○。(韻)

2008.9.16
     9.17



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