蜂 | |
羅隱 |
不論平地與山尖,
無限風光盡被占。
採得百花成蜜後,
爲誰辛苦爲誰甜。
M/Y/D/S イラスト
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蜂
平地と山尖とを 論ぜず,
無限の風光 盡く 占めらる。
採り得たり 百花 蜜と成りし後,
誰が爲に 辛苦して 誰が爲に 甜からん。
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◎ 私感註釈
※羅隠:五代・梁の文人。833年(太和七年)〜909年(開平三年)。字は昭諫。本名は横。江東生と号する。呉越、新城の人或いは、錢塘(現・浙江省)餘杭の人。晩年、呉越王・銭鏐に仕えて、銭塘県令などを任じた。後梁の朱全忠に諫議大夫として召されるが行かず。『舊唐書・列傳・羅弘信・子威』「錢塘人羅隱者,有當世詩名,自號江東生。」或いは「江東人羅隱者,佐錢鏐軍幕」(『舊五代史・梁書』)ともする。
※蜂:諷刺の詩。「蜂」とは農民を謂うのか。唐・李紳の『憫農』「春種一粒粟,秋成萬顆子。四海無闢c,農夫猶餓死。鋤禾日當午,汗滴禾下土。誰知盤中餐,粒粒皆辛苦。」や曹鄴の『官倉鼠』「官倉老鼠大如牛,見人開倉亦不走。健兒無糧百姓飢,誰遣朝朝入君口。」等の系列に入るか。
※不論平地與山尖:平地であっても山の頂上であっても。 ・不論:たとえ…でも。…に論なく。 ・與:…と。
※無限風光盡被占:限り無く美しい景色の所は、ことごとく(蜂によって)占(し)められている。 ・無限:限りない。無窮。 ・風光:景色。風景。優れた趣き。後世、毛沢東の『爲李進同志題所攝廬山仙人洞照』によって「暮色蒼茫看勁松,亂雲飛渡仍從容。天生一個仙人洞,無限風光在險峰。」と使われる。 ・盡:ことごとく。 ・被占:占(し)められている。
※採得百花成蜜後:多くの花から採(と)って、蜜となった後(あと)。 ・採得:採(と)って(その結果)…。 ・-得:〔動詞+得〕で、その動詞の動作・状態の結果、程度、方法を表す。 ・百花:多くの花。いろいろな花。 ・成蜜:蜜となる。
※爲誰辛苦爲誰甜:誰のために(苦(にが)く)苦労して、誰のために甘く心地よいのだろう。 ・爲誰:誰のために。 ・辛苦:からさと苦(にが)さ。また、つらいめにあって苦しむ。ここは、双方の意。 ・甜:甘い。
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◎ 構成について
韻式は、「AAA」。韻脚は「尖占甜」で、平水韻下平十四鹽。この作品の平仄は、次の通り。
●○○●●○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
●●●○○●●,
●○○●●○○。(韻)
2009.2.23 |
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