Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


陶淵明
陶潜
           
                    
              東晉 陶潛
      雜詩十二首
       其二
白日淪西阿,
素月出東嶺。
遙遙萬里暉,
蕩蕩空中景。
風來入房戸,
夜中枕席冷。
氣變悟時易,
不眠知夕永。
欲言無予和,
揮杯勸孤影。
日月擲人去,
有志不獲騁。
念此懷悲悽,
終曉不能靜。



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雜詩十二首 
                        其二
白日  西阿に 淪
(しづ)み,
素月  東嶺に 出づ。
遙遙として  萬里に 暉
(かがや)き,
蕩蕩たり  空中の景。
風 來りて  房戸に 入れば,
夜中  枕席 冷ゆ。
氣 變じて  時の易
(か)はるを 悟り,
眠らざれば  夕
(よる)の永(なが)きを 知る。
(かた)らんと 欲せど  予(われ)に和(こた)ふる無く,
杯を揮
(あ)げて  孤影に勸(すす)む。
日月  人を擲
(なげうち)て去り,
志 有れど  騁
(は)するを獲ず。
此れを念
(おも)へば  悲悽を 懷(いだ)き,
曉に終
(いた)るまで  靜かなること 能(あた)はず。


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◎ 私感註釈

※陶潛:東晉の詩人。。雜詩十二首は、老年期の作八首と壮年期の作四首とに分けられ、これは八首の方のもの。故、雜詩八首ともする。これは、其二になる。

※白日淪西阿:白日が西の岡に沈み。 ・白日:昼間の太陽。太陽。わざわざ「白日」としたのは次の句の「素月」との対について顧慮したためである。 ・淪:しずむ。 ・阿:おか。高い丘。

※素月出東嶺:白い月が東の嶺に出た。 ・素月:白い月の光。白い月。陰暦八月。 一般に月は、悲傷なもの、陰気なものとしてある。やがて、家族を思うもの、などとなってゆく。

※遙遙萬里暉:はるか彼方まで(月光が)輝き亘り。 ・暉:かがやく。日光が輝く ・遙遙:はるかに。 ・萬里:曇りなく、遠くまで輝き亘るさまをいう。 ・暉:かがやく。日光が輝く。=輝。

※蕩蕩空中景:雄大な天上の光。広々とした大空の(月)光。 ・蕩蕩:宏大なさま。蛇足だが、古詩で「湯湯」と書いているのも実はこの「蕩蕩」で、読みも「蕩蕩」と同じ去声(古韻は上声)になる。 ・空中:天の。空の。・景:太陽。日の光。かげ=影。景=影。ひかげ。『歸去來兮辭』では「景翳翳以將入」(日は、かげってきて、薄暗くなり、沈もうとしている。)でも太陽という意味で使われている。「靈景」のことで、太陽、日光のこと。西晉の左思の『詠史詩』八首之五に「皓天舒白日,靈景耀神州。」と、使っている。ここでは、前後の表現から、月のようすを詠っているとみるのが自然。

※風來入房戸:風が家の中に吹いてくる。 ・房戸:家。部屋。

※夜中枕席冷:夜になって、マクラや布団が冷やされると。 ・枕席:マクラとしとね。 ・冷:冷やされる。

※氣變悟時易:気候が変わって、季節が易(か)わったことがわかる。 ・氣變:気温がだんだん変わってきた(ことで気候が変化した)。 ・時易:時間が移り過ぎた。季節が易(か)わった。

※不眠知夕永:眠らずにいると、夜が長くなったことが分かる。 ・不眠:眠らない。 ・知:わかる。 ・夕永:夜が長い。秋になって夜の時間が増えたこと。秋の夜長。

※欲言無予和:語ろうとしても、わたしに応えてくれる(人)がいない。 ・欲言:語りかけようとして。 ・無予和:わたしにこたえて、調子を合わせてくれる(人)がいない。 ・予:わたし。=余。 ・和:こたえる。調子を合わせる。和する。上代漢語語法で人称代名詞が否定の語のすぐ後につく。〔否定詞+代詞+目的語〕で、「無和予」のこと。

※揮杯勸孤影:杯をもちあげて、独りぼっちの自分の影に、酒を勧める。 ・揮杯:杯をもちあげる。酒を勧めるさま。挙杯。 ・勸:すすめる。 ・孤影:独りぼっちの影。自分の影のこと。

※日月擲人去:天地自然の運行は、人をうち捨てて、(人の思いなどとは関わりなく)過ぎて行く。 ・日月:月日。時間の経過。年月。自然の運行。後世、宋の朱熹は、勸學文(勿謂今日不學而有來日)で、「
日月逝矣歳不我延,嗚呼老矣是誰之愆。」と詠った。 ・擲人去:(天地自然の運行は)人をうち捨てて、(人の思いなどとは関わりなく)過ぎて行く。

※有志不獲騁:大志があっても、はせるチャンスが得られなかった。 ・有志:大志があっても。 ・不獲:…を得ることができない。 ・騁:〔てい;cheng3〕はせる。ほしいままにする。のばす。≒逞。

※念此懷悲悽:このことを思うと、かなしみいたむ気持ちで胸がいっぱいになり。 ・念此:この(「有志不獲騁」という)ことを思うと。 ・懷:いだく。胸に思う。 ・悲悽:かなしみいたむ。

※終曉不能靜:あかつきに到るまで(悶々として)穏やかになれなかった。 ・終曉:あかつきに到るまで。 ・不能靜:穏やかになれなかった。胸が騒いだ。

               ***********




◎ 構成について

韻式は「aaaa(a)aa」の上声韻。韻脚は「嶺景冷永影騁靜」。平水韻で見れば主として上声二十三梗(嶺景永影騁靜)になる。この作品の平仄は次の通り。「和」は両韻ここの意ではになる。

   
●●○○●,
   
●●●○●。(韻)
   
○○●●○,
   
●●○○●。(韻)
   ○○●○●,

   ●○○●●。(韻)
   ●●●○●,
   ●●○●●。(韻)
   ●○○○●,
   ○○●○●。(韻)
   ●●●○●,
   ●●●●●。(韻)
   ●●○○○,
   ○●●○●。(韻)
2003.5.13
     5.14
     5.15
2007.4.27

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