連年大旱, 天逼民反。 苛捐雜税, 官逼民反。 若要不反, 離死不遠。 大家起來, 實行共産。 |
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説書
連年 大旱は,
天 民の反(そむ)くを 逼(せま)る。
苛捐 雜税は,
官 民の反(そむ)くを 逼(せま)る。
若(も)し 反するを 要せざれば,
離死 遠からず。
大家(みな) 起來(たちあが)りて,
共産を 實行せん。
◎ 私感註釈 *****************
※劉志丹:(中央紅軍(江南軍)が北上して来る35年までの)中国北部にある陝北革命根拠地の革命指導者。名は景桂。字は志丹。1903年(1907年?)〜1936年。陝北保安縣(現・陝西省志丹県)の読書人階級の家庭に生まれる。土地革命戦争の時期(20年代後半〜30年代前半)陝北地区の革命指導者だった。中国革命に於いて陝北地区の革命根拠地の位置は、大きい。江南の福建、湖南、井岡山等にあった毛沢東指導者(遵義会議後)とした中央紅軍(江南軍)が西遷北上の万里長征の後、受け容れてもらった場所である。劉志丹はその後すぐに紅軍の東征作戦の時に死んだ。
※説書:講談。
※連年大旱:毎年続く旱魃で。 ・連年:(何年か引き続いての)毎年(の)。 ・大旱:〔だいかん;da4han4〕旱魃。ひでりによる農業上の大被害。(降雨の不足による)水がれに因る大災害。
※天逼民反:厳しい天候が、民衆を謀叛にかりたてる。 ・天:神。自然に定まった運命。ここでは、天候や自然現象のことになる。 ・逼:〔ひつ(ひょく);bi1●〕せまる。おどす。近づく。 ・民:民衆。 ・反:叛乱する。そむく。“造反有理”(叛逆は理にかなっている)の「反」。蛇足になるが「反」〔はん(ほん);fan3上声〕。「叛」〔はん(ほん);pan4去声」。
※苛捐雜税:苛酷なとりたてと多様な徴税は。 ・苛捐:〔かえん;ke1juan1○○〕苛酷なとりたて。苛酷な税金。苛斂誅求。 ・雜税:いろいろな名目での課税。多くの租税。
※官逼民反:(収奪が激しいために)お上(かみ)が民衆を謀叛にかりたてる。(役人の政治が悪いために)民衆に謀叛することをせまってくる。 *義和団のスローガン『官逼民反』『掃清滅洋』の後を受け継いで使っていることになる。 ・官逼:役人が(民衆に対して、)そうせざるを得ないようにさせてくる。おかみのせいで…させられた。
※若要不反:もしも謀反を起こさないのならば。 ・若要:もしも…ならば。 ・不反:叛逆しない。
※離死不遠:一家の離散と我が身の死亡は、そう遠い話ではない。 ・離死:(家族の)離散と(身の)死亡。 ・不遠:間もなくである。そう遠いことではない。
※大家起來:みんな、起ちあがって。 ・大家:みんな。諸君。 ・起來:たちあがる。『インターナショナル(國際歌)』の「起來!饑寒交迫的奴隸!起來!全世界受苦的人!滿腔的熱血已經沸騰,要爲眞理而鬪爭!舊世界打個落花流水,奴隸們起來!起來!不要説我們一無所有,我們要做天下的主人!這是最後的鬪爭,團結起來到明天!英特納雄耐爾,就一定要實現!」を聯想する。
※實行共産:共産を実行しよう。 ・實行:行う。実行する。 ・共産:生産において社会の成員全体で助け合って行動する意、ほどになろう。
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◎ 構成について
韻式は「aaaaaa」。韻脚は「旱反反反遠産」で、(『詩經』を除いて)伝統的な押韻様式ではない。現代北方語の「−an韻」。平水韻では上声十三阮(遠反)。十四旱(旱)。十五潸(産)。次の平仄はこの作品のもの。
○○●●,(韻)
○●○●。(韻)
○○●●,
○●○●。(韻)
●●●●,(韻)
○●●●。(韻)
●●●○,
●○●●。(韻)
2004.11.12 11.17 11.20完 2008.9.26改行 |
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