朝日照綺錢, 光風動羅。 巧笑兩犀, 美目揚雙蛾。 |
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子夜歌
朝日 綺錢を 照らし,
光風 羅を 動かす。
巧笑 たる 兩犀,
美目 雙蛾 揚る。
◎ 私感註釈 *****************
※子夜歌:清商曲辞呉声歌曲。女性の名に由来する歌曲。 ・子夜:女性の名。
※朝日照綺錢:朝日が銅銭の形をした窓を照らして。 ・綺錢:銅銭の形をした窓。円形と方形で構成される窓枠、サッシ、欄間。
※光風動羅:光や風が、うすぎぬ(のベッドの簾幕)を動かす。 ・羅:うすぎぬ。。光風・光風:光や風。 ・動:うごかす。 ・羅:うすぎぬ。
※巧笑兩犀:巧みに愛らしく笑えば、えくぼが出来て、ヒサゴの種のような白く美しい八重歯がかわいい。 *この句は『詩經』衛風『碩人』で婦徳ある美女を歌った「手如柔,膚如凝脂,領如,齒如瓠犀,首蛾眉。巧笑倩兮,美目兮。」に基づく。『論語』にもある。 ・巧笑:巧みに愛らしく笑う。・:えくぼが出来る。前出『詩經』衛風『碩人』の「倩」のこと。 ・兩犀:二つの(ヒサゴ(瓠瓜)の種のような白く美しい)歯。前出『碩人』の「齒如瓠犀」に基づく。
※美目揚雙蛾:(ほほえんだので)美しい目許の二つの眉があがる。 ・美目:美しい目。「巧笑美目」のこと。 ・揚:あげる。 ・雙蛾:二つの眉。 ・蛾:女性の美しい眉。蛾眉。また娥眉。
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◎ 構成について
韻式は「AA」。韻脚は「羅蛾」で、平水韻でいえば下平五歌。次の平仄は、この作品のもの。
○●●●○,
○○●○○。(韻)
●●●●○,
●●○○○。(韻)
2004.2.20 2.21 |
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