佳期期未歸, 望望下鳴機。 徘徊東陌上, 月出行人稀。 |
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王主薄の 思ふ所有りに 同す
佳期 期すれども 未だ歸らず,
望望として 鳴機を 下(くだ)る。
徘徊す 東陌の上,
月 出でて 行人 稀(まれ)なり。
◎ 私感註釈 *****************
※同王主薄有所思:王主薄の作った「有所思」に和して作る。楽府相和歌辞・楚調曲。『古詩源』巻十二にも録されている。
※佳期期未歸:結婚の日が来たのに、まだ嫁ぐことができないでいる。 ・佳期:美人と約束をして会うこと。男女が日時を決めて会うこと。よい時節。ここでは結婚の日をいう。 ・期:会う。待ちもうける。契る。約束する。 ・未歸:(主格が女性側の場合)まだ嫁がないでいる。(主格が女性側の場合)(夫の男性が)まだやって来ない。 ・歸:嫁ぐ。かえる。
※望望下鳴機:失望してハタを織るのをやめた。 ・望望:失意のさま。恥じるさま。去って顧みないさま。思い慕うさま。 ・下:やめる。おりる。 ・鳴機:ハタを(音を立てて)織る。
※徘徊東陌上:東の方の道の辺りを行ったり来たりさまよい歩く。 ・徘徊:行ったり来たりする。さまよい歩く。 ・東陌:東の方の道。 ・陌:東西に通ずるあぜ道。 ・上:かたわら。ほとり。…で。…に。漠然と場所を指す。
※月出行人稀:月が東の方から出てくる宵になると、道を行く人の姿は、まれになる。 ・月出:月が東の方から出る。宵になること。 ・行人:道を行く人。旅人。 ・稀:まれである。
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◎ 構成について
韻式は「AAA」。韻脚は「歸機稀」で、平水韻でいえば上平五微。次の平仄は、この作品のもの。
○○○●○,(韻)
●●●○○。(韻)
○○○●●,
●●○○○。(韻)
2004.3.12 3.13 |
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