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玉台新詠 玉臺新詠

                謝朓
     金谷聚  
           
渠碗送佳人,
玉杯邀上客。
車馬一東西,
別後思今夕。



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金谷聚

                       
渠碗
(きょわん)もて  佳人を 送り,
玉杯もて  上客を 邀
(むか)ふ。
車馬  一たび 東西せば,
別後  今夕を 思はん。

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◎ 私感註釈

※謝朓:南朝・斉の詩人。464年〜499年。六朝後期を代表する詩人。陳郡陽夏(現・河南省)の人。字は玄暉。宣城の太守であったので謝宣城とよばれた。同族の詩人である謝霊運に対して小謝ともよばれた。斉の永明年間、沈約らとともに、四声のリズムを生かした新しい詩風を推進して、五言詩に一時期を画した。同族の詩人の謝霊運を「大謝」と称するのに対して、「小謝」と呼ばれた。

※金谷聚:楽府相和歌辞・楚調曲。『古詩源』巻十二にも録されている。

※渠碗送佳人:大きいお椀の料理で、送別の宴のお客をもてなして。 ・渠:大きい。=鉅。=巨。  ・送:送別する。 ・佳人:美人。愛する人、情人。友人。

※玉杯邀上客:玉(ぎょく)盃で、立派な客を迎える。 ・玉杯:玉(ぎょく)の盃。飲み物、お酒をいう。 ・邀:〔やう;yao1〕むかえる。 ・上客:立派な客人。すぐれた人。

※車馬一東西:乗り物に乗って、一たび東と西に別れ去れば。 ・車馬:乗り物。乗り物に乗って行くこと。 ・一:ひとたび。 ・東西:東と西に別れ去る。東西す。動詞として使われる。漢の卓文君の『白頭吟』に「皚如山上雪,皎若雲間月。聞君有兩意,故來相決絶。今日斗酒會,明旦溝水頭。御溝上,溝水
東西。淒淒復淒淒,嫁娶不須啼。願得一心人,白頭不相離。竹竿何嫋嫋,魚尾何。男兒重意氣,何用錢刀爲。」とある。

※別後思今夕:別れた後、今日のこの夕べを懐かしく思い出すことだろう。 ・別後:別れたあと。 ・思:懐かしく思い出す。 ・今夕:今日のこの夕べ。




               ***********
◎ 構成について

韻式は「aa」。韻脚は「客夕」で、平水韻でいえば入声十一陌。次の平仄は、この作品のもの。

●●●○○,
●○○●●。(韻)
○●●○○,
●●○○●。(韻)

2004.3.11完
     9.24補
2017.3. 6



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