現在進行中の作品

《賦物「アジアン千句」の巻》

(F5「おると」にて興行中)




賦物千韻「アジアン千句」の巻(3/5) 


 0401 森の人まんまるの目で指しゃぶり      みど
 0402  餃子の皮に身を詰めてゐる        鶴鳴
 0403 お土産はパンダの形の竹の櫛        蘭石
 0404  笛の音渡る山間の村           みど
 0405 歌合せイ族の娘恥じらひて         無耶
 0406  色とりどりに祝い赤飯          みど
 0407 郷関を出づる客家のこころざし       海砂
 0408  ミント一枝薬湯に添え          みど
 0409 纏足を洗はせてゐる金蓮嬢         無耶
 0410  歩む姿は百合と歌はれ          海砂
 0411 荒海に探し求める龍の玉          みど
 0412  燕の巣なら今やマンションに       無耶
 0413 霜の夜に着る火鼠のかはごろも       海砂
 0414  翁嫗は月を見上げて           みど
 0415 蓬莱の山にありとふ玉の枝         宗海
 0416  子安貝もて祈る安産           海砂
 0417 桃割れて仁王立ちする桃太郎        みど
 0418  犬猿雉も育てすくすく          無耶
 0419 持ち帰る鬼の宝は虎の皮          海砂
 0420  インド人までびっくりの島        無耶
 0421 ハイテクの機器満載に海賊船        海砂
 0422  核ミサイルの工場は空          無耶
 0423 カナリヤの籠提げてゆく機動隊       海砂
 0424  非常食には干飯ぞよし          鶴鳴
 0425 あこがれの米軍携帯食の缶         ロコ
 0426  オンリーさんの祖母の口癖        野猿
 0427 ワッツマラユゆっくりやんなよテキリージ  海砂
 0428  カメという名の犬が尾を振る       みど
 0429 吾妹子のいまだに消えぬ蒙古斑       海砂
 0430  廊下に置いた蚊取線香          みど
 0431 夏もはやのの字の灰のうずたかく      海砂
 0432  粽食べ食べ昔語りを           みど
 0433 クツハラの故事を一席語りけり       海砂
 0434  セクハラ知事の街宣車行く        みど
 0435 高楼にカタハラ痛き蛸踊り         海砂
 0436  ハラハラするも遠き中台         無耶
 0437 盗賊が印章拾うハラッパー         みど
 0438  ハラペーニョなどお好きかしらね     無耶
 0439 鬼灯を鳴らし安達ヶ原の婆         海砂
 0440  孕んだ猫にまとわりつかれ        みど
 0441 妓生の涙はらりとこぼれ落つ        宗海
 0442  天神さんに匂う白梅           真由
 0443 水牛を描く掛軸は唐渡り          無耶
 0444  青い狼蒙古の大地            野幸
 0445 健康に良いアミールは馬乳酒だ       梨乃
 0446  虫を払って前に進むんだ         みど
 0446 兄さんはキンチョールだと言ったはずだ   ロコ
 0447  雨季の市場に蚊柱のたつ         野幸
 0448 踊り子は切れ長の目を伏せながら      みど
 0449  合わす両手で虫を叩いて         ロコ
 0450 仏舎利を最高ですかと金に換え       野幸
 0451  佛の足の裏は巨大で           無耶
 0452 砂埃ふみしめていく黄の衣         みど
 0453  鸚鵡を肩に消えし密林          無耶
 0454 帝国の不滅信じて穴の中          宗海
 0455  恥ずかしながら帰還するべし       海砂
 0456 ベナレスの岸の骸に腰抜かし        無耶
 0457  目つきの悪い象の神さま         みど
 0458 文壇に倫理の糸は乱れゐて         鶴鳴
 0459  生まれたことにすみませんとは      野猿
 0460 キレました断筆しますと俳優し       梨乃
 0461  引越し好きなあの子は七瀬        みど
 0462 いつの日か日本沈没待ち望み        野猿
 0463  熊本襲う火星軍団            鶴鳴
 0464 銀河には両雄並び立たずとも        梨乃
 0465  グイン・サーガはいつ終わるんだ     野猿
 0466 何度でも菩薩峠を読んだ人         みど
 0467  重いコンダラ引いている君        鶴鳴
 0469 パイレーツといったら江口寿史なの     野猿
 0470  ネオ・トーキョーにアキラ誕生      みど
 0471 いつの日か綿の国星行けるかな       梨乃
 0472  トシちゃん28才だったね        野猿
 0473 こだわりはほうれん草の茹で加減      みど
 0474  バナナ・ブレッド流行る中国       無耶
 0475 コンテナに息を潜める波の上        海砂
 0476  ちゃんと逢えるよ離散家族に       無耶
 0477 お土産に鉄条網を買いました        宗海
 0478  暗号名はシュリというなり        みど
 0479 映画通キム・ジョンイルはおしゃべりで   無耶
 0480  鉄馬が繋ぐソウルへの道         海砂
 0481 今もなほ名を留めたる京義線        宗海
 0482  いづこの国もいなり海苔巻        海砂
 0483 横向いて箸使うなり儒の礼は        無耶
 0484  酌はせぬのが婦女のたしなみ       宗海
 0485 立て膝に婀娜めくアガシ伏目がち      海砂
 0486  雪野を渡るパンソリの声         宗海
 0487 銃声が砂漠の駱駝歩み止め         野幸
 0488  ろれつ回らぬロレンスの謎        宗海
 0489 痩身に大和言葉の澱を詰め         縄文
 0490  粘菌研究熊楠の家            蘭石
 0491 路地に立つ中上健次の肩の線        野猿
 0492  ころり転がるオリオンビール       みど
 0493 ヤキトリはやっぱり塩味粟国かな?     ロコ
 0494  天婦羅揚げる匂い立ちこめ        みど
 0495 おしたじにわさびを溶いちゃいけません   野猿
 0496  素人の客「あがり」というな       みど
 0497 ラーメン屋なんでそんなにえばりんぼ    野猿
 0498  蝦蟇の油の芸を見習へ          海砂
 0499 老人は麦を喰うべし新世紀         含胡
 0500  コーラは骨を侵す魔液ぞ         宗海
 0501 罌粟の花さわさわ育つ村はずれ       みど
 0502  誰が仕切るか殺人軍団          無耶
 0503 伝説のクメールルージュ森を行く      みど
 0504  八路軍から学ぶ戦術           無耶
 0505 思ひ出のグリーングラス去りにけり     野猿
 0506  タラップ降りる田中義三         みど
 0507 動物の占いボスも羊とか          梨乃
 0508  猫と出たるが大虎になる         宗海
 0509 冬日射す縁側二匹で分け合ひて       みど
 0510  心ならずも精進菜食           海砂
 0511 お茶の子の折敷に載する布施包み      宗海
 0512  贋の紙幣に贋の煙草が          無耶
 0513 親分は孫かと見ゆる娘連れ         海砂
 0514  恋文読めぬ無筆悲しき          宗海
 0515 従軍の慰問のと言ひ連れ去られ       無耶
 0516  木浦の丘に若き園長           海砂
 0517 一粒の麦となるべし異境の地        宗海
 0518  切支丹には仕置き厳しく         みど
 0519 紅楼の高きに登る九月九日         鶴鳴
 0520  月を洗ひし長江の波           みど
 0521 半分のツキでもリーチ一発ツモ       パパ
 0522  ヤキトリの札下げる点箱         縄文
 0523 長崎は新地の夜店で買う豚マン       梨乃
 0524  ぶらぶら節を歌ふ老人          鶴鳴
 0525 ステテコがハの字に下がる梅雨晴間     みど
 0526  台風の目もちょっと流し目        ロコ
 0527 ジャパニーズ・ドリームコミックマーケット 鶴鳴
 0528  宇治茶の里に下戸と生まれて       みど
 0529 夕立を気にしてバイクで仕事行く      坊主
 0530  はたた神さへ怒る内閣          野猿
 0531 サミットでクリーン作戦かり出され     ロコ
 0532  ギブミーチョコと言へと教へる      鶴鳴
 0533 交通の規制でバーゲン閑古鳥        梨乃
 0534  藍の浴衣に黄色の帯で          みど
 0535 下駄の歯を知らない人に拾われる      野猿
 0536  屋形船にてさしつさされつ        梨乃
 0537 沖縄のサミットまたも軽口が        無耶
 0538  警備厳しき立川の基地          宗海
 0539 自国機がまっすぐ飛べぬ空の下       真由
 0540  月はどっちか探す森さん         無耶
 0541 太平洋プレート揺する大鯰         海砂
 0542  延期になった花火大会          みど
 0543 かたつむり雅楽に耳を傾ける        鶴鳴
 0544  そぼ降る雨に濡れる紫陽花        ロコ
 0545 足裏に洗濯物を踏みしだき         縄文
 0546  神通力もさっぱりと消え         みど
 0547 喉元を過ぎて忘るるワイドショー      野猿
 0548  牛乳飲んで下痢が止まらぬ        鶴鳴
 0549 そごうって閉店セールやらないの?     野猿
 0550  華僑に負けたヤオハンの夢        みど
 0551 シャープとはシャープペンシルからきてる  鶴鳴
 0552  宇多田ヒカルはよく稼ぐなあ       野猿
 0553 新しき弐千円札出回りて          みど
 0554  真札贋札だれも分からぬ         海砂
 0555 煙草なら火を付けてみよ札もまた      無耶
 0556  キ印となる雪印なり           海砂
 0557 北京までお詫びに走る後始末        無耶
 0558  活断層は富士へと続く          みど
 0559 くさや干し焼きもせぬのに灰まみれ     海砂
 0560  基地が使えず撤退の軍          真由
 0561 蕨掘る力失せゆく首陽山          海砂
 0562  兄と弟に天よりの水           無耶
 0563 河原ではひとつ積んでは母のため      鶴鳴
 0564  来世を誓う白鷺の舞           梨乃
 0565 風少し出でて植田の微笑めり        縄文
 0566  この期におよびwho are you?とは     みど
 0567 ヒラリーの夫も平和の礎となるか     唐辛子
 0568  心ここにあらず中東にあり        海砂
 0569 計画都市モヘンジョダロに月浩々      無耶
 0570  駱駝の運ぶ封印の壷           みど
 0571 三宅坂トンネル出ると夜だつた       海砂
 0572  じっとり濡れた後ろのシート       みど 
 0573 キョンシーの呪いを受けて石となる     無耶
 0574  あびらうんけん安倍ノ晴明         宗海
 0575 茨木の唄の哀れやご祭文          海砂
 0576  牡丹灯篭は中国製です          無耶
 0577 冬の夜にランタン燈る港町         真由
 0578  マラッカ海峡ごめ渡るなり        宗海
 0579 海賊に乗っ取られるか鰹船         無耶
 0580  髑髏じるしの床し守旧派         海砂
 0581 麻薬だけは積まぬ親爺の遺言で       無耶
 0582  お罌粟頭が路地を駆け出す        宗海
 0583 領袖が天の上から指示下す         筑前
 0584  北緯三十八度界隈            縄文
 0585 平壌は主体の聖地というけれど       筑前
 0586  嘆きの壁に長い影さす          みど
 0587 小便の切れが悪くて右大臣         鶴鳴
 0588  気をつけようねミスド寄り道       梨乃
 0589 生涯の忘れえぬ味ナシゴレン        坊主
 0590  キューブアイスに赤痢菌いて       みど
 0591 ハンバーガー牛肉100は真か偽か       筑前
 0592  サハリンに飛ぶ火傷救出         海砂
 0593 プーチンの外交手腕なかなかに       無耶
 0594  猫を被りて臨むサミット         海砂
 0595 愛知ではにゃんともにゃらぬ万国博     無耶
 0596  グリーンピースはしばし沈黙       海砂
 0597 船上の食事に白いアスパラガス       無耶
 0598  太平洋に赤線を見た           海砂
 0599 祭とて腰蓑つけてフラダンス        無耶
 0600  日本語残るコンガ王国          海砂


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