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曲名(上:原題 下:邦題) |
解説 |
1 |
Rondo (ロンド) |
Adiemus Singersのコーラス&Pamela ThorbyのリコーダーというこれまでのAdiemusの作風を順当に継承した曲であるがベートーベンのヴァイオリン協奏曲 ニ長調より、第三楽章"Rondo"を引用した事よって新たなAdiemusである事も表現しているのでアルバムの冒頭を飾るのに相応しい曲と言えるだろう
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2 |
The Protector (ザ・プロテクター) |
これはBoys Air ChoirのアルバムBoys Gregorianの為に書き下ろした曲「The Load, Our Protector」をAdiemus風にアレンジした曲である
原曲は聖歌風であり歌詞は英語であるのだが驚くべき事にこの曲も英語の歌詞をそのまま使用しているというさりげなくAdiemusの基本コンセプトから逸脱した異色の曲とも言える
ちなみに歌詞は輸入盤のブックレットに掲載されている
(国内盤にはない)
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3 |
Allegrettango (追憶のタンゴ) |
ベートーベンの交響曲第七番 イ長調より、第二楽章"Allegretto"を引用した曲で今作のコンセプトである「楽器のしてのボーカル」が全面に出ている
また後半のカウンターテナーTerry Barberのソロも取り入れる事によって今作のコンセプトを表現している
つまり同じベートーベンの曲をモチーフにしたAdiemus正当アレンジのRondoとは対称的な曲とも言える
ちなみに後半に出てくるバンドネオンの音はサックス担当のNigel Hitchcockが"MIDI wind controller"によって再現している
またピアノはJody K Jenkinsが演奏している
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4 |
Dona Nobis Pacem. Part I (ドナ・ノビス・パチェム・パート1) |
この曲は次のトラック「Dona Nobis Pacem. Part II」のイントロに相当する曲で"エスニック"ボーカルとして起用されたBelinda Sykesの哀愁を帯びたボーカルを堪能する事ができる
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5 |
Dona Nobis Pacem. Part II (ドナ・ノビス・パチェム・パート2) |
Dona Nobis Pacemの本編とも言える曲でAdiemus SingersのコーラスのメインパートにはImagined Oceansで使った「曲タイトルを繰り返す」手法が採用されておりこれにNigel Hitchcockのサックス、Martin Taylorのギターが絶妙に絡み合い深みのある曲に仕上がっている
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6 |
Akruzam (アクルザム) |
ショパンのマズルカ13番 イ短調を用いたこの曲はAdiemusの醍醐味と言える転調が用いられ耳に心地よい
この曲は転調前は「楽器としてのコーラス」だが転調後は「未知の言語による歌」という組み合わせになって転調の効果をより高く引き出している
また、まったりとしたコーラスに絡んでくるPamela Thorbyのリコーダーもこの曲の聴き所である
ちなみに曲名はマズルカ(Mazurka)を逆から読んだものである
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7 |
Schwanda The Bagpiper (シュヴァンダ・ザ・バグパイパー) |
ヴァインベルガーのピアノ作品「バグパイプ吹きのシュヴァンダ」を用いたこの曲は汽車の汽笛を思わせるバグパイプのイントロから小気味いいコーラスが展開される
曲としては短いがここまでの曲は重たい曲が多かったのでここで一服の清涼剤のような効果をもたらしてくれる
ちなみにこの曲のピアノもJody K Jenkinsである
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8 |
Exit Schwanda (エグジット・シュヴァンダ) |
タイトルからも判る通り前のトラック「Schwanda The Bagpiper」の締め括りであるインストゥルメンタル曲でサックスとパーカッションのシンプルな構成の曲である
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9 |
Bendigedig (ベンディゲディグ
〜ウェールズの聖なる恵み) |
彼のソロワークであるDewi Santの「Good Night, House of Dewi」のAdiemus版である
歌詞は「Dona Nobis Pacem. Part II」と同様にImagined Oceansで使った「曲タイトルを繰り返す」手法が取り入れられている
またGavin HorsleyのバスボーカルがAdiemus Singersの歌声に厚みを与えている
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10 |
Schubert's Dance (シューベルツ・ダンス) |
タイトルの通りシューベルトのワルツ 変ロ長調が用いられている曲である
軽快なワルツ調とジャズ風のサックスの音色が「新しいワルツ」となって開花している
余談だがこの曲は2003年10〜12月に日本テレビ「きょうの出来事」のエンディングテーマとして使用された
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11 |
Berceuse Pour Un Enfant Solitaire (孤独な君のためのベルスーズ) |
Adiemus Singers声色とフリューゲルホルンの音色がミステリアスで官能的とも言えるメロディーを堪能できるこの曲は今作のコンセプトである「ボーカルによる楽器」路線が顕著に表れている曲である
また途中で挿入されるピアノやカウンターテナー、リコーダーが加わる事によって万華鏡を覗いているかのような多彩な音楽世界を展開している
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12 |
Aria (アリア) |
ヴィラ=ロボスのバッキアーナス・ブラジレイラス(ブラジル風バッハ)第5番より、"Aria"を用いたこの曲はカウンターテナーの透き通った声、チェロの重厚な旋律、神の啓示を思わせるAdiemus Singersの躍動的なコーラスが巧みに組み合わせて聴く者を退屈させない
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13 |
Mysterious Are Your Ways (ミステリアス・アー・ユア・ウェイズ) |
この曲はコーランを連想させる男性ボーカルを軸に絡みつくようなAdiemus Singersの歌声が聴く者を深海を漂うような気分にさせる雰囲気を作り上げている
ちなみに途中に出てくるピアノソロはKarl Jenkins自らが演奏している
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14 |
Mi Contra Fa, Diabolus in Musica (旋律の中の悪魔) |
この曲はブルースハーモニカとサックスとコーラスが幾何学模様を連想させる独特な雰囲気を醸し出す旋律をもつ特異な曲である
歌詞は「Dona Nobis Pacem. Part II」「Bendigedig」と同様にImagined Oceansで使った「曲タイトルを繰り返す」手法が取られているがこの曲はそれだけではなくタイトルを文節毎に分解して再構成させるといった更に一歩進化させた手法が取られている
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15 |
Vocalise, Op.34 No.14 (ヴォーカリーズ作品34番第14章) |
アルバムのタイトルにもなったこの曲はラフマニノフのヴォーカリーズ作品34番第14章をモチーフにしておりカウンターテナーをメインに据えてその周囲を今回新たに加わったソリストが固めたこの曲はまさに今回のアルバムのコンセプトそのものを表現していると言える
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16 |
Boogie Woogie Llanoogie (草原の舞) |
あか抜けたリズムとすら言える躍動感あるリズムと共に「ブギウギ」を連呼するこの曲は過去の作品を含めてAdiemusの中でもっとも異色な曲である
ジャズピアノのような軽快なピアノはJody K Jenkinsによるものである
なお、輸入盤ではこの曲は何故か「アンコール曲」扱いになっている
もしかしたらKarl Jenkinsはこのアルバム自体を「オーケストラコンサート」と見立てて作ったのかもしれない
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