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国内盤 (SRCS 8195) |
ドイツ盤 (SK 62276) |
Candybox (CC72353) |
Karl Jenkins作曲のクラシックアルバムでAdiemusのオーケストラ版である「Adiemus変奏曲」が収録されています。
オーケストラ版なので当然ながらMiriamのボーカルはありません。
このアルバムのタイトル曲「Palladio(パラディオ)」はデ・ビアス社のCM曲として作曲されたもので1曲目でこのアルバムの核ともいえる「Allegretto」は曲名を聞いてもピンと来ないかもしれませんが聴けば半分以上の人が聞き覚えのある事に気付くであろうKarlの隠れた有名曲です。(Bondも「Shine」にてカヴァー曲を発表しています)
また「Largo」ではCantus Insolitusの一節が使用されています。
「Adiemus変奏曲」は純粋なクラシック音楽なのでオリジナルの雰囲気を期待すると失敗するかもしれませんがクラシック系の作曲家としてのKarlの力量を知る事ができる作品です。
また、2004年に発売されたSweetboxの新譜「Adagio」の「Sorry」は「Allegretto」をモチーフにした曲です。
2010年発売のMatangi Quartetのアルバム「Candybox」には String Quartet No. 2(弦楽四重奏曲第2番)全5曲がカヴァーされています。(詳細)
国内盤 (SRCS 8705) |
台湾盤(スリーブケース) (SK 60668) |
このアルバムはKarl Jenkinsの別プロジェクトによる作品です。
月面の「海」の名前から来るイメージを曲にしたもので全曲に歌詞がついています。
歌詞はAdiemusの様な架空のものではなく各曲のラテン語のタイトルの一部もしくは全部を反復させるという手法を取っています。
残念ながらボーカルにはMiriamは参加していませんがリコーダーにはPamelaが参加しています。
もっとも、Miriamまで参加してしまったら完全にAdiemusになってしまいますが・・・。
全体的な内容は「Adiemus番外編」といった感じです。
Adiemusとは全く違う音楽世界の作品ですが上のDiamand Musicよりはお薦めです。
なお、演奏はKarl Jenkins Ensemble(カール・ジェンキンス・アンサンブル)が行っています。
Karl Jenkins Ensembleは1997年に結成されたKarl Jenkins作品専門のオーケストラで今後も世界各地でImagined OceansやPalladioやAdiemusを上演する予定です。
(ただしAdiemusのアルバムはロンドンフィルハーモニーが演奏しています。)
また、一部の収録曲がAdiemus最新アルバム「The Eternal Knot」でAdiemus風にアレンジされた上で使用されています。
国内盤CD (VJCP-68333) |
Anniversary Edition (50999 2 17296 2 1) |
75歳記念盤 (00028948178261) |
NTSC版DVD(Region:0) (0946 3 32346 9 7) |
プロモCD (n/a) |
フルカヴァーCD (BHSS0536) |
Karl Jenkinsがミレニアムの記念に王立造兵博物館から依頼を受けて制作された作品です。
少年合唱あり、コーランあり、男性合唱あり、女性合唱ありの多彩かつ重厚な内容でAdiemusとは明らかに異なる音楽世界を形成しています。
しかしながらKarl Jenkins作品の名に恥じないレベルの高い作品である事には変わりなく特に「Hymn Brfore The Action」「Charge!」はある種の戦慄を覚えるほどの力作です。
ちなみにこの作品はリリースは遅れたものの制作時期はThe Eternal Knotとほぼ同時期だそうです。
この作品のBenedictusとThe Eternal KnotのThe Eternal Knot(曲名)はおそらくアレンジを変えた同一の曲だと思われますが筆者にこれらの作品が似て非なる兄弟である証しのように思えます。
なお、2003年に発売された16歳のボーカリストHayley Westenraのアルバム「Pure」に「Benedictus」のカヴァー曲が収録されています。
2005年にリリースされたDVDは2004年にカーディフで行われた公演を収録したもので演奏風景と共に曲をイメージした映像が流れ曲のコンセプトをヴィジュアル的に観賞する事が出来ます。
またBrass Band Aidというブラスバンドグループがフルカヴァーしたアルバムも存在します。(レビュー)
2010年には10周年記念としてボーナストラック付きリマスタリングCDとDVDがセットになったAnniversary Editionが発売されました。(詳細)
(KJM 7001)
ウェールズの聖人であるドウィ・サント(A.D.520?〜589?)の聖誕祭として2000年3月にウェールズで行われた公演を収録したアルバムです。
少年合唱曲で構成されていてThe Armed Manをソフトにした感じの内容です。
収録曲の中の「Psalm 27」はThe Eternal Knotの「Salm O "Dewi Sant"」の元になったと思われます。
また「Good Night, House of Dewi」の一部には「Beyond The Century」と同じフレーズが用いられています。
この曲はVocaliseの「Bendigedig」にてAdiemus風にアレンジされています。
更に「Psalm 150」および「Cadwch y Pfydd」はRequiemの「Overture Part II: Now!」と同じフレーズです。
なおこのアルバムは一般の流通ルートでは販売していませんので入手は極めて困難です。
(0630-12379-2 CA-851)
Songs of Sanctuaryとほぼ同じ時期に発売されたKarl Jenkins+Miriam Stockley+ロンドンフィルハーモニーというAdiemusに限りなく近いメンバー構成のクリスマスミュージック集です。
エスニックなアレンジを施したした曲はAdiemusを彷彿とさせます。
曲のほとんどがトラディショナルなクリスマスミュージックですが「Lullay」と「On Christmas Day」はこのCDのための書き下ろし曲です。(「On Christmas Day」はKarlの妻であり彼女自身も作曲家であるCarol Barrattが作詞してます)
特に1曲目の「In Dulci Jubilo」はAdiemusのアルバムの中に入っていても違和感が無いくらい雰囲気が似ています。
このアルバムはドイツで僅か35000枚プレスされただけなので日本はおろか海外でも入手が極めて困難でしたが最近はアマゾン・ジャパンのマーケットプレイスに出品されているので入手が容易になりました。
Karl Jenkins MusicにSongs of Sanctuaryとの関連を問い合わせたところ特に繋がりは無いそうです。(事実AdiemusはVirginレーベルからリリースされているのに対してこれはワーナーミュージックからリリースされています)
しかしながらこれは筆者の推測ですがCM曲としてAdiemusを制作した時に参加メンバーに手応えを感じたKarl JenkinsがAdiemusのアルバム化すなわちSongs of Sanctuaryとこのアルバムの制作をほぼ同じメンバーで平行して制作したのかもしれません。
(7243 5 57966 2 2) |
75歳記念盤 (00028948178803) |
タイトル通りレクイエムをテーマにしたアルバムです。
「死」というテーマを様々なアプローチで表現しており悲しみ・静謐さ・(ある種の)高揚感を持った曲で聴く者を退屈にさせる事はありません。
また数曲には「辞世の句」を歌詞として取り入れるという斬新な試みが成されています。
ヨーロッパにはご存知の通りレクイエムと言う「死の音楽」がありますが日本の「死の詩」とも言える辞世の句の存在に対してKarlはインスピレーションを感じたのかもしれません。
これらの曲は一部に尺八が用いられていますが海外のアーティストが日本を表現するのにしばしば陥る事の多い「琴や尺八を安易に多用したステレオタイプな日本」になっていない所もKarl Jenkinsの日本文化に対する深い理解と敬意が感じられます。
ただ辞世の句のヴォーカル部分はもっと大胆にアレンジしてもいいかな、とも思いました。
日本語を聞く機会の少ない欧米の人は日本語の歌詞は(例えばAdiemusの様に)ミステリアスに聞こえるのでしょうが日本人としてはちょっと単調な感じがします。
また後半1/3は「In These Stones Hrizons Sing」というウェールズに昨年開設された、オペラ・演芸の国際的な拠点、ウェルシュ・ミレニアムセンターの嘱託作品でウェールズの詩人達の詩を扱っています。(つまりRequiemとは別の音楽プロジェクトです)
こちらにはハープのCatrin FinchやサックスのNigel Hitchcokが参加しており全体的な音楽スタイルもよりKarl Jenkinsオリジナルのテイストが発揮されています。
(SICP 1129)
カザフスタンの高名な作曲家Tlep Aspantaiuly(1757-1820)の子孫からの委嘱により製作されたアルバムです。
クラシックにカザフスタン固有の楽器や旋律を取り入れつつFinnish Vocal Ensemble(実質的にはAdiemus Singersと同じメンバー)が曲を素晴らしく彩っています。
歌詞の言語はおそらくカザフ語だと思われますが正確なところは不明です。
演奏はRequiemや2006年の来日公演に参加したウェスト・カザフスタン・フィルハーモニック・オーケストラが行っています。
更にサックスのNigel Hitchcokも参加しています。
(0946 3 53257 2 0)
マオリ族の血を引く英国でもトップクラスのソプラノ歌手Kiri Te KanawaのアルバムでKarl Jenkinsが全面的にプロデュースしています。
曲はアルゼンチンの作曲家Carlos Gusstavinoの曲のアレンジ版を中心にKarlの書き下ろし曲やThe Armed Manから「Kyrie」、Requiemから「In Paradisum」、AdiemusV Vocaliseから「Allegrettango」「Mazruka(Akuruzam)」で構成されています。
参加メンバーにはAdiemusに深く携わっているロンドンフィル、バックコーラスにAdiemus Singers、リコーダーのPamela Thorby、ギターのMartin Taylorといったアーティストが名を連ねています。
内容的にはKarl Jenkinsの持ち味を生かしつつも主役のKiri Te Kanawaの歌唱力を最大限まで引き出しています。
国内盤は東芝EMIやCDショップでは「ソプラノ・ソングス」という邦題が表記されていますがCD自身には何故か「イン・パラディスム」と表記されています。
(0946 3 83274 2 4)
同タイトルの映画のサウンドトラックでKarl Jenkinsが全曲を手がけています。
Karl Jenkinsのソロワークと同じ傾向のクラシック寄りな曲ですが映画はニュージーランドでのマオリ族と英国人の対立を描いたもので曲にもOceaninaっぽさを感じさせる内容となっています。
またAdiemusっぽい雰囲気の歌詞の曲がありますが造語なのかマオリ語なのかは不明です。
ちなみにAdiemus Vの「Dona Nobis Pacem. Part I」を歌っていたBelinda Sykesも参加しています。
(50999 5 09093 2 2) |
Sing Out Loud (N/A) |
Karl JenkinsのAdiemus&ソロワーク&とウェールズのトラッド曲をTim Rhys Evans率いる男声クワイアとCory bandというブラスバンドが演奏したアルバムです。
AdiemusからはCantilenaがチョイスされていますが歌詞はAdiemus語ではありません。(おそらくウェールズ語だと思われます)
男声クワイアとブラスバンドのコラボレーションが温かみのある音楽を紡ぎ出して聴くものを心地よくさせてくれます。
以前のiTunesではボーナストラック3曲(Palladio/Largo/Handbags & Gladrags)を追加してタイトルを「Sing Out Loud」と改題して販売していましたが2019年現在は購入できません。