香水の知識<知る>

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このコーナーでは、香水に関する知識を扱っていきます。香水に関する専門的知識を扱います。


香水の種類(濃度別)
経過時間に伴う名称(トップ、ミドル、ラスト)
香水の香りの系統(フローラル、オリエンタルetc)
香料の香りの分類

香水の種類

名称 香りの特徴 香料の濃度 持続時間
パルファン(香水)
PARFUM
香りが深く持続時間も長く楽しめる。
豪華で贅沢を極めている。
15〜25% 5〜7時間
オー・ド・パルファン
EAU DE PARFUM
香水と同じぐらいの持続時間を持つ。
価格は香水に比べ手ごろ。種類も豊富。
10〜25% 約5時間
オー・ド・トワレ
EAU DE TOILETTE
日常に気軽に使える。
香り立ちもやわらか。
5〜10% 3〜4時間
オー・デ・コロン
EAU DE COLOGNE
ユニセックスで使えるものが多い。
気分転換や香りの初心者にも手軽に使える。
3〜5% 1〜2時間

この表は「賦香率(ぶこうりつ)」によって分類されています。賦香率とは香水に含まれる香料の濃度のことです。上記の表の%で表しているところのことですね。

※ベビーフレグランスなど一切アルコール分を含まないアルコールフリーの香水は上記の表には含まれません。香料の濃度は1〜2%と低く、持続時間は1〜2時間です。

※”EAU=オー”は、フランス語で「水」という意味です。つまり、水(実際にはアルコール)が入っているもの、純粋な香水に水(アルコール)を加えたものには”オー”がつきます。

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経過時間に伴う香りの名称

経過時間 名称 他の呼び方
つけてすぐ〜10分くらい TOP NOTE(トップノート) peak(ピーク)
10分〜1時間くらい MIDDLE NOTE(ミドルノート) bouquat(ブーケ)、heart note(ハートノート)
それ以降〜 LAST NOTE(ラストノート) base note(ベースノート)、fond note(フォンドノート)

主に香水の本当の香りというのは「ミドルノート」であると言われています。素材的にサワヤカな香り拡散しやすくトップに、甘い、濃厚な香りはミドルからラストにかけて出てきます。とくにトップには柑橘系やスパイシーな香料が、ミドルにはフローラルといって花の香り、ラストには動物性香料のムスクやアンバーが香ります。

ここでいう「ノート」とは音楽用語です。

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香水の香りの系統

香水の香りは、だいたいこんな感じで分類されています。これはあくまでも「香水の香りの系統」であり、「香料の香りの系統」とは分けて考えた方が良いと思います。香料の香りの系統自体はここでは触れませんが、これがあれば、だいぶ様々な香水を説明できると思います。しかし、正直こうしている今でも新しい香りの系統というのは日々開発されています。参考までにご覧ください。

→香料の系統と、香水の香りの系統の違いは?
香料の香りの系統とは、香水を作る前の段階の、「アルコール、香料油、蒸留水」の香料油の香りの性質のこと。
香水の香りの系統とは、完成した香水そのものの香りの系統だった性質のことです。
このページで見ていくのは後者のほうです。


〜女性用〜

フローラル系  
フローラル グリーン floral green
フローラル フルーティ floral fruity
フローラル フレッシュ floral fresh
フローラル フローラル floral floral
フローラル アルデヒド floral aldehydic
フローラル スイート floral sweet
オリエンタル系  
オリエンタル アンバリー oriental ambery
オリエンタル スパイシー oriental spicy
シプレ系  
シプレ フルーティ chypre fruity
シプレ フローラルアニマリック chypre floral−animalic
シプレ フレッシュ chypre fresh

フローラル系

香水の主成分の大半は、花の香りを基調にして作られています。このフローラル系は、花の香りを主体にした香りの系統です。

フローラル グリーン

グリーン系の香り(草などの青っぽい香り)を加えた香りです。初めてのものは、ピエールバルマンの「ヴァンベール(1945年)」で、有名どころだとシャネルの19番、資生堂のむらさき、グレのカボティーヌ、ディオールのタンドゥルプワゾンなどがあげられます。

フローラル フルーティ

果実の香りが特徴的で、種類はかなり多くなります。このフルーツの種類によっても香りのイメージは大きく異なってきます。一応あげておくと、ヒューゴウーマン、トロピカルパンチ、などなど、、、多種多様ですね。

フローラル フレッシュ

フローラル系のなかにあって、比較的サワヤカというか、清涼感のある花を使っていたりとか、柑橘系の香りを加えてよりサワヤカな香りに仕上げているものを指します、そういった意味ではフローラルフルーティと分類上重複する部分もありますね。

成分的にはスズランとか、ヒヤシンス、ネロリなんかを使っているケースが比較的多いよいです。初めてのものは、コティの「ミュゲドボヌール」あたりかな?ディオールのディオリッシモとか、ギラロッシュのフィジー(グリーン系でも、シプレ系でもあります。)、ラウラ、アクアディジオ、スプリングフィーバーなんかがありますね。

フローラル フローラル  

ナチュラルな花の香りを多く使っているものですね。実際は他の色々な成分が入っていますが、特に花の香りを主体にしたものです。もっとも初期のものとなると、ウビガン社の「ケルケフルール」じゃ、ジャンパトゥのアムールアムール、ジョイなどになると思います。名香ぞろいですね。ほかには、ジャルダンバガテール、ジャイプール等が挙げられますね。

フローラル アルデヒド

言わずとも有名な、シャネルのno.5を筆頭に香水に革命を起こした香りで、合成香料アルデヒドを使用し、フローラル系に華やかさを際立たせた香りです。シプレ系などとも組み合わされることも多いですね。短鎖脂肪族であり、日本の消防法に定める特殊引火物のアセトアルデヒドとは別物です。ランバンのアルページュ、ジバンシーのランテルディ、ニナリッチのフルールドフルールなど、名香に多い系統ですね。

フローラル スイート

次項の「オリエンタル系」と、フローラル系の中間に位置し、別称「フロリエンタル」とも呼ばれます。フローラル系の香りに、セクシーなオリエンタル系の香りが溶け合い、なんとも濃厚でセクシーな香りが多くなります。古典的なものとして、コティーのロリガン、ゲランのルールブルーなどがあげられ、ジルサンダーno.4、アリュールなどもこの系統といえるでしょう。


オリエンタル系

主に東洋的なイメージの香り、甘みの強いものやスパイスの効いたものなど、神秘的なイメージをほうふつとさせるものです。

オリエンタル アンバリー

香水の系統中、もっとも濃厚な香り。アンバーやバニラなどの濃厚な香りをミドルからラストにもっていく香りです。これにより、トップのサワヤカな香りをひきたてたりしています。古典的なものでは、ゲランの「ジッキー」「シャリマー」「夜間飛行」「サムサラ」などや、ガラエロエベなどが挙げられます。

オリエンタル スパイシー

オリエンタル系のなかでも、クローブやシナモンなど、スパイスの効いた香辛料のようなイメージを持たせる香りです。これにアンバーグリスやアニマリックな感じの香りを加えるケースが多いようです。ダナの「タブー」、イブサンローラン「オピウム」や、シャネルの「ココ」などが挙げられます。


シプレ系

シプレ系は、コティ社の「シプレ(1917年)」という香水を筆頭として出来あがった系統です。主にオークモスのしっとりした香りに柑橘系の香りや、ウッディなパチュリなどを加えて作られた、上品でフォーマルなイメージの香りです。

シプレ フルーティ

フローラルフルーティとは違い、シプレ系にフローラルを調合すると、エネルギッシュで濃厚な香りになることが多いようです。ゲランの「ミツコ」、イブサンローランのイグレック、ジバンシーのトロワなどが挙げられます。

シプレ フローラル アニマリック

シプレ系のなかでもフローラルを主にしていたり、男性的なレザーっぽい香りを使っているものです。かなり幅広い種類がありますね。有名どころでは、カボシャールなどがこの系統になりますね。

シプレ フレッシュ

つまり、もっともクラシックなシプレ系といえるでしょう。シプレ系なかでも、濃厚さを控えめにした香りで、若々しさを感じさせる香りです。ディオールの「ディオレラ」ブルガリの「オパフメ」等がこの系統です。


〜男性用〜

フゼア系  
フゼア ラベンダー fougere lavender
フゼア フレッシュ fougere fresh
フゼア ウッディアンバーリー fougere woody ambery
オリエンタル系  
オリエンタル スパイシー oriental spicy
オリエンタル アンバーリー oriental ambery
シプレ系  
シプレ ウッディ chypre woody
シプレ レザリー chypre leathery
シプレ フレッシュ chypre fresh
シプレ シトラス chypre citrus

フゼア系

男性用の香水の特徴的な香り、フゼア系はオークモス、ラベンダー、クマリンなどを特徴とした香りです。もともと女性用として現れた香りですが、今は男性用として一般化しています。エネルギッシュで男性的なイメージの香りですね。最初に出たのは、ウビガンの「フゼア ロワイヤル(フジュール ロワイヤルとも。1882年)」で、クマリンの発見された年でした。

フゼア ラベンダー

純粋なラベンダーを基調としたもの、ラベンダーの香りが中心になったものを特に分類します。イングリッシュラベンダー(アトキンソン社、ヤードリー社)などはこの分類になります。

フゼア フレッシュ

フゼア系のなかでも、サワヤカさを強くした香りで、近年(2000年代初頭現在)の男性用香水に多く見られる香りです。ダビドフのクールウォーター、ヨープのナイトフライト、シャネルエゴイストプラチナム、ジェフェリービーンのボウリンググリーンなどがこれにあたります。

フゼア ウッディアンバーリー

フゼア系のなかでも、セクシーさの強まった部類です。アンバーの甘く、セクシーな香りとフゼア系のエネルギッシュな男らしさが特徴の香りです。ダンヒルのダンヒル、イブサンローランのクーロス、ベルサーチのブルージーンズなどはこの部類です。


オリエンタル系

従来男性用の香水には甘さとスパイスはあまり必要ないと思われていたようですね。この分類が出来たのは比較的最近のようです。女性用のオリエンタル系を男性向けにしたもの(EX、オピウム→オピウムプールオム等)や、始めから男性用のオリエンタル系として作られたものがあります。

オリエンタル スパイシー

スパイスの効いた、男性的なセクシーな香りで、種類によって異なりますが、刺激的な、挑発的なイメージの香水が多いですね。エルメスのエキパージュとか、シャネルのエゴイスト、イブサンローランのオピウムプールオムあたりがこの系統になりますね。

オリエンタル アンバーリー

アンバーグリスやバニラなど、甘みのある香りを使ったオリエンタル形です。ゲランのアビルージュを筆頭に、オブセッションフォーメン、ジャンポールゴルチェのルマルなどがあります。


シプレ系

男性用でフゼア系とともに種類の多いのが、このシプレ系です。おもに柑橘系の香りにオークモス、パチュリなどを加えたもので、刺激、爽快感のある香りです。

シプレ ウッディ

このウッディのなかには、大きくわけてサンダルウッド、パチュリ、ベチバーなどのウッディ系の香りをもって作られています。サンダルウッドはスパイシーで落ちついたイメージ、パチュリは個性的でオリエンタル調の香り、ベチバーは土っぽい温かみのあるウッディです。ゲランのベチバー、ジバンシーのジェントルマン、アラミス900などがあげられます。

シプレ レザリー

レザー(皮)のような渋みのある香りを基調とした香りで、非常に男らしいドライでスモーキーな香りです。ヴァンクリフアンドアーペルプールオムやシャネルのアンテウス、エルメスのベラミなどがあります。

シプレ フレッシュ

揮発性、刺激の多いのが特徴的なこの香りは、非常にサワヤカな香りに属します。グリーン系の香りを加えたり、他の様々な香りと調合して作り出される香りです。この系統のなかに「マリンノート」など呼ばれている海を思わせるものも属します。シャネルのプールムッシュ、ディオールのファーレンハイト、ケンゾープールオムなどがこの分類です。

シプレ シトラス

オーデコロンなどに使用される、比較的軽くてリフレッシュ感のある香りです。あまり男性らしさは感じさせない香りでもありますね。ディオールのオーソバージュ、ゲランのオーデゲラン、オーデコロンエルメス等がこれに属します。

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香料の分類

香料には自然の動植物からとれる天然香料と、科学的に合成された単品香料に分かれます。

天然香料は大きく「動物系香料」と、「植物系香料」に分かれ、単品香料は大きく、「合成香料」〜天然材料の化学構造を分析し、それとまったく同じものを化学的に作った香料〜と、「単離香料」〜天然香料の精油から抽出した成分。単一の成分のみを単離精製するもの。〜に分かれます。

香水を作る3つのもの「アルコール、香料油、蒸留水」の、香料油をつくるもとになるものです。これからあげる素材たちを「オイル」にしてから、実際の香水に使う素材にしていくのですね。いわばこれは、原材料です。

香料分類評
天然香料 植物性香料 ローズ、ジャスミン、スズラン、ベルガモット、etc,,,
動物性香料 ムスク、アンバー、シベット、etc,,,
単品香料 合成香料 アルデヒド等
単離香料 メントール等

天然香料−植物系香料

果皮から使用

ベルガモット bergamot
ベルガモ地方原産の柑橘。柑橘系のなかではかなり甘み、温かみのある香り。刺激も強い。

マンダリン mandarine
中国で主にとれるオレンジに近い柑橘。独特の甘みがある。

タンジェリン tangerine


レモン lemon
ご存知レモン。酸味が強く、非常にフレッシュな香り。

グレープフルーツ grapefruit
こちらも日本人の方になじみの深いグレープフルーツ。レモンよりは甘みがあるが、フレッシュな香り。

果実から使用

アニス anis
しそ科の植物。その実は香辛料。

コリアンダー coriander
セリ科の植物。甘く、スパイシーな香り。果実や種子を使用。

レッドペッパー redpepper
唐辛子。刺激が強く、辛味がありスパイシーな香り。

バニラ vanilla
アメリカ熱帯地方産らん科のつる性植物。香水で使われるのはその実から取ったエッセンスです。

花から使用

ローズ rose
文字通りバラ。昔から香水の代表的な香りとして使われている。甘みがあり、深い香り。また、ローズにも色々な種類が存在し、それによっても香りの性質は違ってきます。ex)スイートローズ、チュベローズ、フレッシュローズ等。

ジャスミン jasmine
甘く、透明感のあるリラックス効果の高い香り。

ラベンダー lavender
シソ科に属するラベンダーの花は、サワヤカかつほんのりと甘みのある香り。この香りを使うのは、フレッシュなイメージの香りに多く見られます。香水では、フゼア系の香りの重要な要素。ちなみに、アロマテラピーは、このラベンダーが火傷に対して強い効果を発揮するのが発見されたことら始まっています。非常に香り全般を語る上では重要な香りになってきます。藤色というように薄い紫色です。

ネロリ neroli
ミカン科の花からとれる香料で、柑橘系のようなサワヤカな印象のフローラルです。

リンデン linden blossom
菩提樹科の植物。ソフトで甘みがあり、かつスパイシーな香り。リラックス効果のある香りです。

蕾(つぼみ)から使用

クローブ clove
フトモモ科の植物。スパイシーで刺激的な香り。

種子から使用

セロリ

カルダモン

パセリ

根から使用

オリス

ベチバー vetibert
稲科の植物。土っぽい、スモーキーなくすんだ香り。

木部から使用

サンダルウッド sandal wood
ビャクダン科の植物。高級な扇子とかにも使われていますね。甘く、スパイシーな香り。

シダーウッド cedar wood
ヒノキ科、松科の植物。ウッディでオリエンタル系の乾いた香り。

ローズウッド rose wood
クスノキ科の植物。ローズをウッディにしたような、スパイスの効いた甘い香り。

葉を使用

セージ
シソ科の植物。シャープな香りで、集中力を高めるそうです。

プチグレン petitgrain
ミカン科の植物。リフレッシュ感のある葉の香りで、ストレス、疲労に効果がある。

バジル
シソ科の植物。ハーブ系のスパイスの効いた香り。

パチュリ patchouli
シソ科の植物。ウッディ系で土っぽい香りで、個性的な印象を持つ香りです。

シナモン cinnamon
くすのき科の植物。スパイシーでちょっと甘みがある。樹皮からも使用します。

針葉、小枝を使用

イトスギ
ヒノキ科の常緑植物。「このてがしわ」の変種。枝は細く糸状で下にたれる。鑑賞用。

樹脂とバルサム

ガルバナム

ミルラ myrrh
カンラン科。ムスクのような香りで、抗菌効果が高く、口の中の病気等に効果。没薬。

オリバナム

ベンゾイン benzoin
エゴノキ科の植物の樹脂。バニラ系の甘みのある香り。

乳香 frankincense
甘く、ウッディ系の香り。リフレッシュ感があります。


天然香料−動物系香料

ムスク musk(正確にはマスクと発音するようです。)
麝香鹿(じゃこうじか)の分泌物。暖かく、肉感的な香り。香気が強く、香料のほか薬用にする。

シベット
ジャコウネコからとれる分泌物。セクシーで動物的な香り。霊猫香(れいびょうこう)

アンバー amber
琥珀(こはく)。まっこうくじらの腸に出来た結石。香りは様々である。正確にはアンバーグリス(本当か?)と呼ぶ。


単品香料−合成香料

アルデヒドC9
力強い花様のアンダーノートのあるワックス系の香り。

アルデヒドC10
力強く、やや甘みのある酸敗脂肪臭を伴った柑橘の果皮系の香り。

アルデヒドC11
力強く、ワックスまたはローズ系で、金属的でグリーンっぽい香り。

アルデヒドC12
松葉、青草、花様でちょっとワックスっぽい香り。

アルデヒドC12 MNA
甘みの少ないアンバー調のあまり強くない果実系の香り。


単品香料−単離香料

メントール
ハッカなどから抽出される香料。爽快感がある。

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