香水の知識<用語集>

知る 選ぶ 付ける 過程別 FAQ 用語集

実際に選ぶ際に使う言葉。
香りの性質をあらわす言葉
原材料の抽出方法(原材料から香料油へ。)
抽出された香料の種類
香料油 perfume oil〜香水の香りの正体〜
アルコール
香りを熟成させる過程
香水の香りの系統(女性用)
香水の香りの系統(男性用)
調香の際の用語、調香師さんたちに関する用語
香水の性質に関する用語

実際に選ぶ際に使う言葉。

ムエット
におい紙のこと。香水を選びに行くと置いてある紙で、これに香水を吹きつけて香りを試します。
メーカーの作ったものとかはそれだけでも見ていて面白いですよ。いろんな情報もわかりますし。

アトマイザー
香水を小分けにして使うビンのこと。スプレータイプ、ロールオンタイプなどがある。

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香りの性質をあらわす言葉

※「〜様(よう)」は、「〜みたいな香り」と置き換えてもらってかまいません。

アニマリック animalic
動物様の香気物質。実際の動物から取り出したもの、
またはそれを真似た合成物質のケースがある。
有名なものとして、ムスク、シベット、アンバー、カストリウムなどがある。
温かみのある香りを香水にあたえます。

バルサミック balsamic
バルサミック=バルサム様。甘く温かみのある香りの調子。
バルサムとは、植物の外部を傷つけたときに出来る分泌物です。
オリエンタル系の香水で使われます。

アーシー earthy
土、森林の土、ほこりなどの香りの印象を表す言葉です。
ベチバーやパチュリなどのような香りはこうした呼ばれ方をしますね。

ファッティ fatty
脂肪などの香りのこと。油脂やラードなどを思わせる香りです。
香水を肉感的な香りにすることが出来ます。

フローラル floral
読んで字のごとく、花の香り。あらゆる香水にはこの、花の香りがふくまれています。

フローラルフルーティ floral fruity
花様&果実様の香りです。主にフルーティフローラルの香水では、
トップにフルーティさを持ってくるものが多いですね。

フゼア fougere
男性用香水にみられる香り。コケの香りにラベンダーノートを加えたもの。

フレッシュ fresh
新鮮。柑橘系やグリーン系のような爽快感のある香りに対する主観を交えた感覚です。

フルーティ fruity
果実様の香り。この香りが強いと、「美味しそうな香り」になります。
トロピカルパンチみたいな感じですね。
逆に香りにちょっとしたメリハリをつけるために使われることも多いですね。

グリーン green
緑草、葉などの香り全般を指す言葉です。トップノートに出てくることが多いですね。

ヘイ ライク hay−like
枯草のような香調で、男性用香水に使われるケースもあります。
自然の香りを表現したいときに使われますね。

ハーベシアス herbaceous
「ハーブのような」という意味。ハーブや生薬を連想させます
。セージ、ローズマリー、ラベンダー等がこれにあたります。
男性用香水に良く使われていますね。

ヘビー heavy
シプレ系の一部の香りやオリエンタル系の香りは「重い」と一般に言われますが、
それを英語でいった感じです。(笑)
モスや動物系の香料など、揮発性のひくい成分の印象の強い香りに多いですね。

ジャスミニー jasminey
ジャスミンの香りを特に使っている香りは、こう呼ばれることがあります。

レザーノート leather note
なめし皮のような香調のことです。男性用に多く使われていますが、女性用でもありますね。
暖かい独特の渋みのある香りが多いように思います。
ブルガリブラックとか、ツァーとかに使われていますね。

ライト light
軽快な香りのこと。柑橘系、果実類、花、グリーン系などの働きによって作られます。

ミント ライク mint like
ペパーミント、スペアミント等を思わせる香りで、主に香水のトップノートで使われます。

モッシー mossy
コケ(moss)のような香り。モッシーの香りは意外と色んな感じがあるようで、
コケの要素他に、海藻様、レザー様などもあります。香りの保留性と深みを与える香りです。

ムスキー musky
ムスク〈ジャコウジカの分泌物)の香りが強いもの、ムスク系の香りをさす。
肉感的な温かみ、香りの保留性を持っている。

パウダリー powdery
粉っぽい香りのことを指す。様々な香りの要素の兼ね合いで出来るものです。
フルールダンテルディや、フルールドフルール他、色々なクラシックな香りに多いですね。

センシュアル sensual
センシュアル=肉感的な。肉欲的な刺激を与える香りですね。
私が「興奮する香り」とかいうヤツです。(笑)
動物性香料とか、エキゾチックな香料を使う香水はこういう香りですね。

スモーキー smoky
スモーキー=煙臭い。くすんだような香りで、だいたい
自然界のレザーの香りを再現するときに自然となるようですね。

スパイシー spicy
香辛料のような、刺激的な香り。

スウィート sweet
甘い香り。ほとんどの香水はなにかしら、こうしたスウィートな香りを含んでいます。

タバコ ノート tabacco note
文字通り、タバコっぽい(もしくはタバコの)香り。男性用香水で多く用いられていますね。
ボディショップのタバコフラワーとか、ジャコモのオーラフォーメンとかに入っています。

ウォーム warm
温かみのある香り。動物系の香料が多い香水はこうした表現をされます。

ウッディ woody
木のような香り。サンダルウッド系やシダーウッド系など、様々です。

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原材料の抽出方法(原材料から香料油へ。)

※これらがすべてではありませんが、基本的なものを押さえました。

蒸留法 distillation
植物系の素材から精油を作るもっともメジャーな方法です。
数種類ありますが、現在一般的なのは、「水蒸気蒸留法」です。
原材料をなんらかの方法で加熱し、その中の香りを取り出す方法です。

圧搾法 expression
主に柑橘系の原料は、果皮を圧迫して搾り、香料油を作ります。

抽出法 extraction
溶剤を使って、動植物の素材から粗製品を作り出す方法です。
主に石油エーテルや炭酸ガスを使用。

これにより、原材料は「ワックス」「色素」「芳香物質」に変化します。
ワックス様の物質から溶剤が蒸発すると、塊がのこり、
これを「コンクリート concrete」と呼び、
ここからワックスを取り除くと、「アブソリュート abusolute」が残ります。
これを香水で使用!

植物性樹脂の抽出ではレジノイドと呼ばれるものが出来ます、
植物性の原料からはチンキとインフュージョンが作られます。

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抽出された香料の種類

アブソリュート abusolute
植物性の材料から抽出された芳香性材料。
コンクリート(concrete)からワックスをアルコールで除いたもの。
非常に高価なものです。以下のコンクリートよりも香りは強いです。

コンクリート concrete
溶剤を用いて抽出されるもの。精油のほかに
アルコールに溶けない各種のワックスを含んでいます。
主に石鹸に使われています。

レジノイド resinoids
樹脂や植物のある部分から得られた抽出物。
精油のほかにワックスや樹脂のような成分を含んでいます。
色々な溶剤に可溶で、沸点の高い無臭の溶剤を使って使用されます。
優れた保留性があります。

チンキ 
冷圧した天然アルコール抽出物です。

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香料油 天然、合成〜香水の香りの正体〜

天然香料〜動物系〜

アンバーグリス チンキ ambergris tincture
マッコウクジラの腸内結石。高価なため近年は代用品が多い。

蜜蝋アブソリュート beeswax abusolute
穏やかな油様、青草様のある蜜様の香り。

天然香料〜植物系〜

アンブレットシード アブソリュート ambrette seeds absolute
ハイビスカスアンブレットの果実から得られます。花様、ムスク様の香りがします。

アンゼリカ根油 angelica root oil
土っぽいムスク様。男性用の香りを調整するのに使います。

アニス油 anise oil
モクレン科植物からとれる。力強く、甘い青草様の香り。

アルテミジア油 artemisia oil
フレッシュな青草様、スパイスがある程度効いている。
天然香料を使ったもの、バルサム調と良く合う。

バジル油 basil oil
フレッシュで、少し青草様、スパイス感がある。
天然香料を使ったもの、バルサム調と良く合う。

ベイ油 bay oil
とても力強いスパイス様で、クローブの香調を持つ甘い香り。

ベンゾイン シャム レジノイド benzoin siam resinoid
甘いバルサム様、チョコレートっぽい香りです。

ベルガモット油 bergamot oil
新鮮で清らかな果実用の香り。色々な香水に使われています。

ボローニアアブソリュート boronia abusolute
果実様、スパイス様で、甘いローズ様の香気。
高級なフゼア系、シプレ系の香りに使用。

ブルーム アブソリュート bloom abusolute
甘い花様、苦みを伴い独特の枯草香気があります。
高級な花の香りの香水に使用されます。

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アルコール

エチルアルコール
主に香水で使用されるのは、エチルアルコールです。
こうした溶剤(ソルベント solvent)は、無色、無臭です。

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香りを熟成させる過程

マチュリティ maturity
香水は、販売する前に主に4〜8週間熟成させます。
この期間に個々の香りの素材が混合、調和していきます。

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香水の香りの系統(女性用)

〜女性用−フローラル系〜

香水の主成分の大半は、花の香りを基調にして作られています。
このフローラル系は、花の香りを主体にした香りの系統です。

フローラル グリーン
グリーン系の香り(草などの青っぽい香り)を加えた香りです。

フローラル フルーティ
果実の香りが特徴的で、種類はかなり多くなります。
このフルーツの種類によっても香りのイメージは大きく異なってきます。

フローラル フレッシュ
フローラル系のなかにあって、比較的サワヤカというか、清涼感のある花を使っていたりとか、
柑橘系の香りを加えてよりサワヤカな香りに仕上げているものを指します、
そういった意味ではフローラルフルーティと分類上重複する部分もありますね。

フローラル フローラル  
ナチュラルな花の香りを多く使っているものですね。
実際は他の色々な成分が入っていますが、特に花の香りを主体にしたものです。

フローラル アルデヒド
シャネルのno.5を筆頭に香水に革命を起こした香りで、合成香料アルデヒドを使用し
、フローラル系に華やかさを際立たせた香りです。
シプレ系などとも組み合わされることも多いですね。
短鎖脂肪族であり、日本の消防法に定める特殊引火物のアセトアルデヒドとは別物です。

フローラル スイート
次項の「オリエンタル系」と、フローラル系の中間に位置し、
別称「フロリエンタル」とも呼ばれます。
フローラル系の香りに、セクシーなオリエンタル系の香りが溶け合い、
なんとも濃厚でセクシーな香りが多くなります。

〜女性用−オリエンタル系〜

主に東洋的なイメージの香り、甘みの強いものやスパイスの効いたものなど、
神秘的なイメージをほうふつとさせるものです。

オリエンタル アンバリー
香水の系統中、もっとも濃厚な香り。
アンバーやバニラなどの濃厚な香りをミドルからラストにもっていく香りです。
これにより、トップのサワヤカな香りをひきたてたりしています。

オリエンタル スパイシー
オリエンタル系のなかでも、クローブやシナモンなど、
スパイスの効いた香辛料のようなイメージを持たせる香りです。
これにアンバーグリスやアニマリックな感じの香りを加えるケースが多いようです。

〜女性用−シプレ系〜

シプレ系は、コティ社の「シプレ(1917年)」という香水を筆頭として出来あがった系統です。
主にオークモスのしっとりした香りに柑橘系の香りや、
ウッディなパチュリなどを加えて作られた、上品でフォーマルなイメージの香りです。

シプレ フルーティ
フローラルフルーティとは違い、シプレ系にフローラルを調合すると、
エネルギッシュで濃厚な香りになることが多いようです。

シプレ フローラル アニマリック
シプレ系のなかでもフローラルを主にしていたり、
男性的なレザーっぽい香りを使っているものです。
かなり幅広い種類がありますね。

シプレ フレッシュ
つまり、もっともクラシックなシプレ系といえるでしょう。
シプレ系なかでも、濃厚さを控えめにした香りで、若々しさを感じさせる香りです。

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香水の香りの系統(男性用)

〜男性用−フゼア系〜

男性用の香水の特徴的な香り、フゼア系は
オークモス、ラベンダー、クマリンなどを特徴とした香りです。
もともと女性用として現れた香りですが、今は男性用として一般化しています。
エネルギッシュで男性的なイメージの香りですね。

フゼア ラベンダー
純粋なラベンダーを基調としたもの、
ラベンダーの香りが中心になったものを特に分類します。

フゼア フレッシュ
フゼア系のなかでも、サワヤカさを強くした香りで、
近年(2000年代初頭現在)の男性用香水に多く見られる香りです。

フゼア ウッディアンバーリー
フゼア系のなかでも、セクシーさの強まった部類です。
アンバーの甘く、セクシーな香りとフゼア系のエネルギッシュな男らしさが特徴の香りです。

〜男性用−オリエンタル系〜

オリエンタル スパイシー
スパイスの効いた、男性的なセクシーな香りで、
種類によって異なりますが、刺激的な、挑発的なイメージの香水が多いですね。

オリエンタル アンバーリー
アンバーグリスやバニラなど、甘みのある香りを使ったオリエンタル形です。

〜男性用−シプレ系〜

男性用でフゼア系とともに種類の多いのが、このシプレ系です。
おもに柑橘系の香りにオークモス、パチュリなどを加えたもので、
刺激、爽快感のある香りです。

シプレ ウッディ
このウッディのなかには、大きくわけて
サンダルウッド、パチュリ、ベチバーなどの
ウッディ系の香りをもって作られています。
サンダルウッドはスパイシーで落ちついたイメージ、
パチュリは個性的でオリエンタル調の香り、
ベチバーは土っぽい温かみのあるウッディです。

シプレ レザリー
レザー(皮)のような渋みのある香りを基調とした香りで、
非常に男らしいドライでスモーキーな香りです。

シプレ フレッシュ
揮発性、刺激の多いのが特徴的なこの香りは、非常にサワヤカな香りに属します。
グリーン系の香りを加えたり、他の様々な香りと調合して作り出される香りです。
この系統のなかに「マリンノート」など呼ばれている海を思わせるものも属します。

シプレ シトラス
オーデコロンなどに使用される、比較的軽くてリフレッシュ感のある香りです。
あまり男性らしさは感じさせない香りでもありますね。

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調香の際の用語、調香師さんたちに関する用語

パーヒューマー perfumer
調香師のこと。かなり鍛えられた香りの記憶力、嗅ぎ分ける能力、さまざまな知識を必要とする。
一般的に5年くらいの修行がないといけないそうです。(入り口まで。)私にはムリですな。(笑)
ちなみに、訓練をうけて2、3年目の人はトレイニーと呼ばれます。

ネ 
フランス語で「鼻」の意味。調香師さんのなかでも超一流の人達に対する称号です。

アコード accord
「調和」のことです。新しい香りの効果を作り出す為に各種の単一の香りを組みあわせたものです。

クリエーション creation
香料の組成物を新たに作ること。経済的要因の影響も大きいみたいですね。

スメリング ストリップ smelling strip
長さにして15センチ前後の吸い取り紙の小片で、これに香りの資料をつけて試します。
私たちが香水屋さんで使うムエットの専門家バージョンといったところでしょうかね?

フォーミュラ formula
調香する香料の処方箋のようなもの。企業秘密で、とても大切なものです。
詳細に成分が書かれています。(いるそうです。見たことないので。笑)

フレグランスオルガン fragrance organ
かのセフォラ銀座店の店頭にあった、あのセットのことです。
様々な香料が、まるでオルガンのように配置されています。
調香師さんは、あそこで仕事をするのですね。

ハーモニー harmony
「調和」のことです。香りのそれぞれの成分が、香りのどの段階でも目立ち過ぎない、
不快にさせないようにすべての成分を同調させることです。
調香師さんの大切な仕事の一つで、難しい作業のようですね。

インテンシティ intensity
香りの強さのこと。香料の香りの濃度(strength)はそれぞれの香りの成分等により異なります。

ニュアンサー nuanser
微妙な差異を調整するものです。香り全体を調整し、
折り合いをつけるものといったところですね。

オブトルーシブ obtrusive
調合香料の配合バランスが悪い状態。

ラウンド オフ round off
香りに丸みをつけることです。香水の成分の調和をはかって、つなぎ合わせることですね。

偽和(ぎわ)
高価な香料の変わりにそれに似た合成香料を入れて代用することです。

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香水の性質に関する用語

安定度 stability
光線や、酸化に対して抵抗する力のことです。香水は、冷暗な場所に保管しましょうね。

揮発性 volatility
香りの拡散(蒸発)のしやすさのことです。揮発性の高いものは、ライトな香り、フレッシュな香りで、持続性は基本的に短く、香水で使用された場合にはトップにきます。逆に揮発性の低いものはヘビーな香り、スイートな香りで、持続は長く、香水で使用された場合はミドルからラストにきます。

また、それぞれの素材により蒸発していく段階で香りが異なり、こうした様々な揮発性をもった複雑な香りの混合物は香水であるわけです。

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