香水にも色々な系統があり、その系統ごとに適したシーズン、適した付け方があります。ここでは、等サイト内で説明する系統別の使用方法を見ていきたいと思います。
なお、これは押し付けではなく、基本的にはつける人それぞれが一番好きな香りを、好きな方法でつけることが一番です。なのでこのコーナーは「こういう付け方が良いと思いますよ」といったひとつの提案のようなものですので、深刻にならずに読み流しましょう。(笑)
これを読んで「香水によって付け方を考えてみるか、、、」というふうに考えてもらえるようになれば幸いです。また、日々新しい香りというものは作られ、ここでは説明できないものも多く存在します。参考程度にご覧ください。
フローラル系 | |
フローラル グリーン | floral green |
フローラル フルーティ | floral fruity |
フローラル フレッシュ | floral fresh |
フローラル フローラル | floral floral |
フローラル アルデヒド | floral aldehydic |
フローラル スイート | floral sweet |
オリエンタル系 | |
オリエンタル アンバリー | oriental ambery |
オリエンタル スパイシー | oriental spicy |
シプレ系 | |
シプレ フルーティ | chypre fruity |
シプレ フローラルアニマリック | chypre floral−animalic |
シプレ フレッシュ | chypre fresh |
香水の主成分の大半は、花の香りを基調にして作られています。このフローラル系は、花の香りを主体にした香りの系統です。
グリーン系の香り(草などの青っぽい香り)を加えた香りです。初めてのものは、ピエールバルマンの「ヴァンベール(1945年)」で、有名どころだとシャネルの19番、資生堂のむらさき、グレのカボティーヌ、ディオールのタンドゥルプワゾンなどがあげられます。
果実の香りが特徴的で、種類はかなり多くなります。このフルーツの種類によっても香りのイメージは大きく異なってきます。一応あげておくと、ヒューゴウーマン、トロピカルパンチ、などなど、、、多種多様ですね。
フローラル系のなかにあって、比較的サワヤカというか、清涼感のある花を使っていたりとか、柑橘系の香りを加えてよりサワヤカな香りに仕上げているものを指します、そういった意味ではフローラルフルーティと分類上重複する部分もありますね。
成分的にはスズランとか、ヒヤシンス、ネロリなんかを使っているケースが比較的多いよいです。初めてのものは、コティの「ミュゲドボヌール」あたりかな?ディオールのディオリッシモとか、ギラロッシュのフィジー(グリーン系でも、シプレ系でもあります。)、ラウラ、アクアディジオ、スプリングフィーバーなんかがありますね。
ナチュラルな花の香りを多く使っているものですね。実際は他の色々な成分が入っていますが、特に花の香りを主体にしたものです。もっとも初期のものとなると、ウビガン社の「ケルケフルール」じゃ、ジャンパトゥのアムールアムール、ジョイなどになると思います。名香ぞろいですね。ほかには、ジャルダンバガテール、ジャイプール等が挙げられますね。
言わずとも有名な、シャネルのno.5を筆頭に香水に革命を起こした香りで、合成香料アルデヒドを使用し、フローラル系に華やかさを際立たせた香りです。シプレ系などとも組み合わされることも多いですね。短鎖脂肪族であり、日本の消防法に定める特殊引火物のアセトアルデヒドとは別物です。ランバンのアルページュ、ジバンシーのランテルディ、ニナリッチのフルールドフルールなど、名香に多い系統ですね。
次項の「オリエンタル系」と、フローラル系の中間に位置し、別称「フロリエンタル」とも呼ばれます。フローラル系の香りに、セクシーなオリエンタル系の香りが溶け合い、なんとも濃厚でセクシーな香りが多くなります。古典的なものとして、コティーのロリガン、ゲランのルールブルーなどがあげられ、ジルサンダーno.4、アリュールなどもこの系統といえるでしょう。
主に東洋的なイメージの香り、甘みの強いものやスパイスの効いたものなど、神秘的なイメージをほうふつとさせるものです。
香水の系統中、もっとも濃厚な香り。アンバーやバニラなどの濃厚な香りをミドルからラストにもっていく香りです。これにより、トップのサワヤカな香りをひきたてたりしています。古典的なものでは、ゲランの「ジッキー」「シャリマー」「夜間飛行」「サムサラ」などや、ガラエロエベなどが挙げられます。
オリエンタル系のなかでも、クローブやシナモンなど、スパイスの効いた香辛料のようなイメージを持たせる香りです。これにアンバーグリスやアニマリックな感じの香りを加えるケースが多いようです。ダナの「タブー」、イブサンローラン「オピウム」や、シャネルの「ココ」などが挙げられます。
シプレ系は、コティ社の「シプレ(1917年)」という香水を筆頭として出来あがった系統です。主にオークモスのしっとりした香りに柑橘系の香りや、ウッディなパチュリなどを加えて作られた、上品でフォーマルなイメージの香りです。
フローラルフルーティとは違い、シプレ系にフローラルを調合すると、エネルギッシュで濃厚な香りになることが多いようです。ゲランの「ミツコ」、イブサンローランのイグレック、ジバンシーのトロワなどが挙げられます。
シプレ系のなかでもフローラルを主にしていたり、男性的なレザーっぽい香りを使っているものです。かなり幅広い種類がありますね。有名どころでは、カボシャールなどがこの系統になりますね。
つまり、もっともクラシックなシプレ系といえるでしょう。シプレ系なかでも、濃厚さを控えめにした香りで、若々しさを感じさせる香りです。ディオールの「ディオレラ」ブルガリの「オパフメ」等がこの系統です。
フゼア系 | |
フゼア ラベンダー | fougere lavender |
フゼア フレッシュ | fougere fresh |
フゼア ウッディアンバーリー | fougere woody ambery |
オリエンタル系 | |
オリエンタル スパイシー | oriental spicy |
オリエンタル アンバーリー | oriental ambery |
シプレ系 | |
シプレ ウッディ | chypre woody |
シプレ レザリー | chypre leathery |
シプレ フレッシュ | chypre fresh |
シプレ シトラス | chypre citrus |
男性用の香水の特徴的な香り、フゼア系はオークモス、ラベンダー、クマリンなどを特徴とした香りです。もともと女性用として現れた香りですが、今は男性用として一般化しています。エネルギッシュで男性的なイメージの香りですね。最初に出たのは、ウビガンの「フゼア ロワイヤル(フジュール ロワイヤルとも。1882年)」で、クマリンの発見された年でした。
純粋なラベンダーを基調としたもの、ラベンダーの香りが中心になったものを特に分類します。イングリッシュラベンダー(アトキンソン社、ヤードリー社)などはこの分類になります。
フゼア系のなかでも、サワヤカさを強くした香りで、近年(2000年代初頭現在)の男性用香水に多く見られる香りです。ダビドフのクールウォーター、ヨープのナイトフライト、シャネルエゴイストプラチナム、ジェフェリービーンのボウリンググリーンなどがこれにあたります。
フゼア系のなかでも、セクシーさの強まった部類です。アンバーの甘く、セクシーな香りとフゼア系のエネルギッシュな男らしさが特徴の香りです。ダンヒルのダンヒル、イブサンローランのクーロス、ベルサーチのブルージーンズなどはこの部類です。
従来男性用の香水には甘さとスパイスはあまり必要ないと思われていたようですね。この分類が出来たのは比較的最近のようです。女性用のオリエンタル系を男性向けにしたもの(EX、オピウム→オピウムプールオム等)や、始めから男性用のオリエンタル系として作られたものがあります。
スパイスの効いた、男性的なセクシーな香りで、種類によって異なりますが、刺激的な、挑発的なイメージの香水が多いですね。エルメスのエキパージュとか、シャネルのエゴイスト、イブサンローランのオピウムプールオムあたりがこの系統になりますね。
アンバーグリスやバニラなど、甘みのある香りを使ったオリエンタル形です。ゲランのアビルージュを筆頭に、オブセッションフォーメン、ジャンポールゴルチェのルマルなどがあります。
男性用でフゼア系とともに種類の多いのが、このシプレ系です。おもに柑橘系の香りにオークモス、パチュリなどを加えたもので、刺激、爽快感のある香りです。
このウッディのなかには、大きくわけてサンダルウッド、パチュリ、ベチバーなどのウッディ系の香りをもって作られています。サンダルウッドはスパイシーで落ちついたイメージ、パチュリは個性的でオリエンタル調の香り、ベチバーは土っぽい温かみのあるウッディです。ゲランのベチバー、ジバンシーのジェントルマン、アラミス900などがあげられます。
レザー(皮)のような渋みのある香りを基調とした香りで、非常に男らしいドライでスモーキーな香りです。ヴァンクリフアンドアーペルプールオムやシャネルのアンテウス、エルメスのベラミなどがあります。
揮発性、刺激の多いのが特徴的なこの香りは、非常にサワヤカな香りに属します。グリーン系の香りを加えたり、他の様々な香りと調合して作り出される香りです。この系統のなかに「マリンノート」など呼ばれている海を思わせるものも属します。シャネルのプールムッシュ、ディオールのファーレンハイト、ケンゾープールオムなどがこの分類です。
オーデコロンなどに使用される、比較的軽くてリフレッシュ感のある香りです。あまり男性らしさは感じさせない香りでもありますね。ディオールのオーソバージュ、ゲランのオーデゲラン、オーデコロンエルメス等がこれに属します。