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(A) |
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バランシングする理由
デュプリケートブリッジでは、スコアの10ポイントの差がマッチポイントに効いてきます。
オポーネントが低いコントラクトで止まるのはHCPが24以下なのです。上図の(A)は切札のフィットは不明ですが、(B)は切札が8枚あるでしょう。
トータルトリック則
(LTT) から「切札の枚数だけトリックがとれる」ので、このままパスすると、コントラクトは多分メークするでしょう。
こちらにも、HCPが20近くあるわけですから、スペードのフィットがあれば、8トリックとれます。スコアはプラスになります。
コントラクトを買えるのに、オポーネントにコントラクトを買わせることはありません。
このため、バランシングシートでは余程のことがない限り、パス以外のコールをします。
バランシングの種類
オポーネントが1のスーツでオープンした場合、バランシングの基本パタンは下図のとおり2種類になります。
この講座では、便宜上、(A)をT型、(B)をU型と呼ぶことにします。
(A) |
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(B) |
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LTT
1992年に CHOEN が"To Bid or Not To Bid”を出版して、ベストセラーになりました。これは The Law of Total Tricks (LTT) を解説したものです。LTTは切札枚数ととれるトリックの関係を示したものです。
トータルトリックの数は 両サイドの切札枚数の合計にほぼ等しい。 |
(詳細は こちらをご覧下さい。)
もっと、簡単にいうと、
「HCPが20で、切札が8枚あれば、8トリックとれる」ということです。
T型の場合
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T型のバランシングは左図のように、オプナーがスーツの1でオープンし、パスが2つ続いた場合に起こります。
Wがパスすると、コントラクトはオプナーのビッドしたコントラクトで決まります。
1でオープンするハンドのHCPは12-21HCP
ですが、ミニマムレンジなら12-15HCPです。
Sは5HCP以下ですから、相手側のHCPは17-20
HCPです。
切札が7枚で、20HCPなら楽に1のコントラクトは作れるでしょう。
味方にもHCPが20近くあるのですから(自分のHCPが少なくても,残りはパートナーが持っています。)、8枚フィットのスーツがあれば、2レベルのスーツコントラクトが買える筈です。
こちらでもコントラクトが買えるのに、オポーネントに1レベルのコントラクトをつくらせることはありません。オークションを再開すべきです。
バランシングの根拠は次のとおりです。
【根拠】 | パートスコアで止まるのは、HCPが十分にないからだ。こちらにも、HCPの半分はあるはずだ。 |
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U型の場合
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U型のバランシングは左図のように、オプナーがスーツの1でオープンし、レスポンダーがシングルレイズした後、パスが2つ続いた場合に起こります。Eがパスすると、コントラクトはオプナーのビッドしたコントラクトで決まります。
オポーネントがフィットして、2レベルで止まるのはミニマムレンジで
HCPが不足しているためです。従って、味方にもHCPが20近くある筈です。
8枚フィットのスーツがあれば、2レベルのスーツコントラクトが買える計算になります。9枚フィットなら、3レベル迄できるかもしれません。
バランシングの根拠は次のとおりです。
【根拠1】 | オポーネントがフィットしていれば、こちらにもフィットしたスーツがある。 |
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【根拠2】 | パートスコアで止まるのは、HCPが十分にないからだ。こちらにも、HCPの半分はあるはずだ。 |
余裕のパス
オポーネントが1のスーツでオープンした時、
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(A) | ![]() ![]() ![]() ![]() |
(B) | ![]() ![]() ![]() ![]() |
(A)はダブルをコールできます。(B)は(A)より強いハンドで、ペナリテイダブルをかけたいところですが、ダブルはT/Oになるので、パスするより仕方がありません。パートナーがダブルをコールしたら、パスするでしょう。
バランシングの保証があれば、ダイレクトシートのプレイヤーはデフェンシブ・コールのパタンに適合した時だけコールし、該当しなければ安心してパスできます。無理して、コールすることはありません。
安全なパートスコア
ラバーブリッジではオポーネントが低いコントラクトで止まるのは大歓迎です。
しかし、デュプリケート・ブリッジでは、パートスコアの競り合いがゲームのいのちです。
コントラクトを決める要素はHCPと切札の枚数とバルネラビリテイです。
パートスコアの競り合いに勝つには、HCPと切札枚数の情報を正確に把握しなければなりません。
バランシングを知っていれば、オポーネントが楽なコントラクトでプレイすることを防止し、こちらで、安全なコントラクトを買うことができるのです。