
序にかえて、(グローリーズへのご案内)
七夕や、月も眠そに 夜半酒。
7月。七夕の夜に作りました。お店を終わって食事を済ませて帰路につくともう真夜中。月はすっかり西に傾き、その半月の赤く眠そうな様子がおかしくて、ワインでほろ酔いの自分と重ねて詠みました。最初は、「半月も やっているらし 夜半の酒。」と出たんですが、「せっかく七夕だし、」なんて思って・・・。
時折の挨拶状などに川柳とか書くものだから、「俳句とか川柳なさっているんですか。」ときかれます。「いえ。ことさら誰に習って、ていうこともありません。おもしろがって勝手に遊んでみてるだけなんです。ただの文章だけじゃつまらんことだってありますし・・・。」
ことこと、がたがた、そろそろ、ふわふわ、なんてとにかく擬態語が大好きです。別に反復されなくてもかまいません。様子を表す言葉に敏感。でも、歌人、詩人と言われるほどではありません。
レストランの仕事はハードです。朝から真夜中までの仕事、ほかに何ができるわけもなく、容赦なく一日一日が過ぎて、あたかもそれが生活のすべてであるかのように思えます。
そんなこと、重ねれば知的枯渇は深刻です。コック10年続ければ、きっと人間パーになる。ただ、そんな中でもどうにか自分を維持できるのは、ひょっとして、こんな風に自分勝手に言葉遊びを楽しんでいるからなのかも知れません。
趣味と言って、ことさら言えるものがあるわけではありません。むしろ、「それが趣味であったら、きっと楽しいだろう。」と思って、いつまでも未練がましく捨てきれないでいることが山ほどあるだけのこと。
グローリーズ。栄光の数々というにはあまりにも個人的な事柄です。ビールの王冠で作ったバッジやビー玉のコレクションが、他人の目に何であるわけもありません。自分にとってはかけがえのないもの。それが、これらがらくたどもがこのページを飾る、ただ一つの理由です。
2003年8月6日 マリオ
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