映画のページ

9 デイズ /
Bad Company /
Bad Company - Die Welt ist in guten Händen

Joel Schumacher

2002 USA/Cz 116 Min. 劇映画

出演者

Anthony Hopkins
(Gaylord Oakes - CIAエージェント)

Chris Rock
(Jake Hayes - チンピラ /
Kevin Pope - CIAエージェント)

Peter Stormare
(Adrik Vas - 悪漢)

Kerry Washington
(Julie - ジェイクのガールフレンド)

Garcelle Beauvais
(Nicole - ケビンのガールフレンド)

Brooke Smith
(Swanson - ゲイロードの同僚)

見た時期:2002年6月

ストーリーの説明あり

つまらない話をよくここまで見られるものにしたものだと感心しました。予告編などを見た方はご存知でしょうが、CIA の有能なエージェント、ケビンが任務の途中で殺されます。たまたまこの人に双子の兄弟ジェイクがいたため、無理やり CIAにリクルートされてしまうという筋です。リクルートできる人がみつかったというのは運のいい話ではありますが、死んだケビンと一緒に仕事をしていたゲイロードはジェイクを10日以内にケビンと同じぐらいのレベルに持っていかなければなりません。双子とは言っても性格が全然違うので楽な仕事ではありません。敵も用心深く手ごわいです。あのペーター・ストルマーレ

主演のクリス・ロックを見るのは初めてですが、サタデー・ナイト・ライブのベテランということで、経験は充分。クリス・タッカーとウィル・スミスの中間のような感じです。アンソニー・ホプキンスがなぜコメディアンと共演する気になったのかは分かりませんが、何でも文句を言わずにやる人のようです。この映画はどうしようもなくつまらない筋で、下手をするとフロップ。それを監督、出演者、スタッフ息を合わせて努力して、アラが目立たないように仕上げてあります。

いくつか良い点を挙げてみましょう。まず監督、主演は一流。クリス・ロックはドイツではまだそれほど知られていませんが、アメリカでサタデー・ナイト・ライブが持つ威力はかなりなものらしく、このショー出身の人たちは立派な演技教育を終えていると言ってもいいような印象を受けます。ペーター・ストルマーレは日本ではけっこう知られた人らしく、長く日本に住んでいたという話も聞いています。故国ではマジに受け取られる立派な俳優です。アメリカではもっぱら変態男、殺人鬼、ロシア・マフィア専門にやっています。今回は元ロシアの将校ということになっていますが、アクセントはあまりロシア訛りに聞こえませんでした。ゲイロードの同僚をやっているブルック・スミスはなかなかユニークな映画に出ていたことがあります。シリーズ 7: ザ・バトルロワイヤルといいます。無茶苦茶強引な内容で、その無茶苦茶強引な主演でした。機会があったらぜひ見て下さい。バーバーにも顔を出しています。シリーズ 7: ザ・バトルロワイヤルとは違い今回は冷静な役です。

次に冒頭のシーンがすばらしいです。チェコが参加しているから当然ですが、チェコの野外シーンは美しいだけでなく、本物です。近いので何回かチェコには行ったことがあります。いくつかのシーンは私がいた所とそっくりでした。光の加減なども画面に正しく映っています。チェコは最近映画産業に力を入れており、ハリウッド映画がベルリンのシーンの撮影をチェコでやるなどということもあります。

音楽もチェコのすばらしいシーンと混ざって期待を持たせるようにできています。セットだったのかも知れませんがホテルのシーンは豪華です。実際チェコには立派な部屋が残っているホテルがあります。そして平凡なストーリーにアクセントをつけるためにホプキンス vs ロックの漫才と、気合の入ったアクションがあります。ホプキンスにアクションをやらせるのは酷かと思いましたが、がんばっています。いわばプロが集まって手を抜かずにやったためアラを全部隠しおおせたという物語です。

この後どこへいきますか?     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画一般の話題     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ