映画のページ

スピード 2 / Speed

Jan de Bont

1994 USA 116 Min. 劇映画

出演者

Keanu Reeves
(Officer Jack Traven)

Dennis Hopper
(Howard Payne - 悪漢)

Sandra Bullock
(Annie Porter)

Jeff Daniels
(Detective Officer Harald Temple - ジャックの同僚)

Joe Morton
(Lieutenant Herb McMahon - ジャックの上司)

見た時期:公開当時、2002年7月

ストーリーの説明あり

記事のタイトルにスピード 2 と書いてあるからと言って、映画のスピード 2と勘違いしては行けません。前の記事が長くなってしまったので、スピードの話に入るのはここからです。これはキアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックスピードの話です。

筋はもう皆さん知っているでしょう。悪漢デニス・ホッパーがお金を要求、エレベーターに爆弾を仕掛けたのに、キアヌ・リーブス扮する警官ジャックとジェフ・ダニエルズ扮する相棒ハリーが乗客を救い出してしまったものだから、悪漢ホッパーが腹を立ててストーカーに変身。リーヴスを追い掛け回して、今度はバスに爆弾を仕掛けるという話です。バスが時速50マイルを下回ると爆発します。50マイルというのはだいたい80キロなので、信号でも止まれず走り続けるにはかなりの速度。タイトルをスピードとしたのは納得できます。

ご都合主義、現実に合わないシーンは無視して、ただ楽しむ映画です。細かい事を言ったらアラは・・・出ます。でもそんな事は気にしなくていい。とにかくおもしろいです。公開された当時見ましたが、あれから8年経っているんですね。ブロックとリーヴスの出世を考えると10年以上経ったような気持ちになりますが、芸能界というのは何事も普通の世間の倍ぐらいの速度で進む所なので、8年でもかなり状況は変わります。めでたいことに2人とも1人で主演を張れる大スターになりました。

監督はオランダ人。オランダ人はどういうわけかエレベーターのスリルが好きなようで、以前人食いエレベーターの話を見たことがあります。食物として人間をむしゃむしゃ食べるわけではありませんが、エレベーターが人を殺す話で、怖いです。去年のファンタでは同じ監督が話をアメリカに持って来たらしく、リメイクをやっていました。上映館の外に立っていたら悲鳴が聞こえて来ました。興味のある方にはお勧めします。オリジナルは悪魔の密室(1983年)、リメイクは Down (2001年)といい、監督は両方ともディック・マースです。

このエレベーター殺人事件のダイジェスト版のようなのが最初出て来て、その部分だけで1つの話としてほぼ完結しています。犯人が生き残ったためにその後バス篇に移動します。リーヴス他、エレベーターの乗客救出に成功した警察の部隊が表彰されます。それを苦々しく見ているのがホッパー。彼はこの頃いろんなバリエーションで悪漢を演じていました。スピードの演技はマーロン・ブランド風にやっています。

あっという間に話が飛んで、観客にはバスに爆弾が仕掛けられ、運転手はスピードを落とせないということが分かります。明るい勇気いっぱいの警官リーヴスは当然乗客の救出にかかります。今回は相棒は事務所にいるので1人。代わりにスピード狂のアニーがアシストにつきます。この映画、携帯電話無しには成立しないのですが、ちょうど都合よく携帯が手に入り、バスのリーヴスと警察の事務所にいる相棒は連絡がつきます。

この時のブロックがとても良かったです。明るくて、太っ腹で、キャーっと驚きはするもののじき状況に慣れて、黙々とバスを運転し始めます。バスは大型車なので普通の自動車とは勝手が違います。彼女は運転免許をスピード違反で取り上げられた猛者で、楽々とバスを運転して見せます。ウエスタンなら西部のじゃじゃ馬の役になりそうなキャラクターです。緊急事態には明日のことを考えるのはやめて、今どうやってこの急場を乗り切るか、それだけに集中する役です。こういう女性は現実には時々いますが、映画の主人公になるのは珍しいです。それでか、彼女はこの作品で国中からすっかり気に入られてしまいました。

リーヴスもこういう映画につきものの勇気ある立派な警官役。「なぜこの人がここで警官としてこういう行動を取るの?」などということは考えず、映画のヒーローはこういうものなのだと考え、納得しましょう。リーヴスもブロックもこういう役ばかりやって8年過ごして来たのなら、私はファンにならなかったでしょう。2人とも94年から2002年までにいろいろな役をやり、失敗し、またやり直して来ました。ブロックについては他の記事でも書いたように長い間ファンではなかったのですが、この間の完全犯罪クラブで見直したところです。明るい善意の人が事件にぶつかり、そこから立ち直ったみたいな印象を受ける役で、連続性があり両方がマッチしていました。

ホッパーを逮捕するために家に向かった警官が何人も爆弾にやられ、エレベーター事件とバス事件の間にホッパーがリーヴスの注意を引くために別なバスを1台運転手ごとふっ飛ばし、終わり近く、飛行機が1機衝突炎上。20人ほどの人を助けるために、かなりの犠牲を払っています。脚本家は算数が不得手のようです。自動車もブルース・ブラザーズ並みにたくさん壊れます。リーヴスのティームの指揮を取っていた上司の警官マクマホンは後にシカゴだかどこかに出向、そこでブルース・ブラザーズ 2000 のキャブになり、歌っていました。救出と犠牲の収支が合っていないのですが、その辺は深く追求しないことにしましょう。

この作品は野外映画館の今年のプログラムに入っていませんでした。アメリカン・ビューティーが予定されていたのですが、前にフィルムを借りた人がフィルムを壊してしまったとかで、代わりです。サウンドはかなり悪く、画面も黄色っぽくなっていて、フィルムの状態は悪かったようです。当日は雨天。その場合は屋内で見られるので得をしましたが、それでも見るのは大変でした。はらはらするシーンになると巻の交換で中断。最初はバスの運転手が撃たれて車を運転できなくなるところで「パウゼ!(休憩)」。

ま、悪条件で見たわけですが、それでもおもしろかったです。

参考作品: トゥームレイダー 2イエスタディ

 

この後どこへいきますか?     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画一般の話題     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ