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サンドラ・ブロックはコメディーに向くか

Sandra Bullock

1964 Arlington/Virginia, USA

サンドラ・ブロックは一応コメディアンヌということで通っています。出演作にもコメディーやコミカルなトーンの入ったものが多いです。前にも書いたように私は原則的には彼女のファンではありません。それにも関わらず見た本数だけは増えて来ました。

・ 失踪
・ スピード
・ ザ・インターネット
・ プラクティカル・マジック
・ 恋は嵐のように
・ ガンシャイ
・ 28 Days
・ デンジェラスビューティー
・ 完全犯罪クラブ
・ トゥー・ウィークス・ノーティス

後記: その後加わった作品:
・ シャッフル
・ イルマーレ
・ クラッシュ
・ スピード2

とまあこんな具合です。なんでこんなにたくさん見てしまったかというと、ただ券に当たったり、無料映画館で上映されたりしたためです。1番最近のトゥー・ウィークス・ノーティスは半額券のおかげです。

マジに見ていられるのは前にも書いたようにスピード完全犯罪クラブ。実はスピードの成功の後彼女はいくつかシリアスな作品にも出ているようなのですが、それはまだ見ていません。1番古い失踪はスリラーで、ちゃんと見ていられる作品ですが、彼女の役は被害者で、名前は上の方に出ていますが主演の男性2人の対決が主題のため、あまり俳優として実力を示すチャンスはありません。何せ映画が始まって間もなく失踪してしまうのですから。

その他の作品はコミカルなトーンが入っていますが、どうも大味で日本人向きで無いばかりか、欧州でもこの種のコミカルさはあまり受けません。これは彼女がアメリカで圧倒的な強さを見せている部分で、大西洋、太平洋を越えると念力が効かなくなってしまうようです。コミカルさを出してこれほど圧倒的な人気を長時間保っている女性の俳優というのは少ないので、そういう意味で評価をしなければ行けないのでしょうが、私は彼女がコメディーに向いているのかすら疑ってしまいます。物語はシリアスに進み、所々でちょっとコミカルな台詞をはさむ程度の方がずっと彼女の良さが生きるように思います。

アメリカでのネームバリューはジュリア・ロバーツと肩を並べており、自分の制作会社も持っているので共演者は自由に選べるようで、 現在大ブレーク中のヴィゴ・モーテンゼン、間もなく JLo とゴールインを噂されているベンアフレック、スター・ウォーズのライアム・ニーソン、ジュリア・ロバーツから独立したベンジャミン・ブラット、最近上昇株のベン・チャップリンなど選び放題。最新作ではヒュー・グラントも登場。女優ではニコール・キッドマン、キャンディス・バーゲン、ダイアン・ベーカーと共演しています。

さらに助演を見るとこれがまた素晴らしい顔ぶれ。スティーブ・ブシェミ、スティーブ・ザーン(ドイツ語で歯という意味)、オリバー・プラット、マイケル・ケイン(を助演!)、エイダン・クインなど。映画を作る時に丹精こめているなあと思わせます。

ところが出来上がった作品を見るとどうもその木目の細かさが画面に出て来ない!どたばたになってしまい、あの大きな体で転んで見せたり倒れて見せたりするわけですが、それが受けているのはどうやらアメリカ国内市場だけのようです。ああいうのは欧州向きのジョークではありません。長く日本を離れているので確信を持って言えませんが日本人に好まれるユーモアでもないような気がします。女性ですが女性らしさをあまり強調せず、いびきをかいて見せたり、話す時に無意識に変な音を立ててみたりして笑いを取ろうとするシーンなどはどうも逆効果に見えてしまいます。

映画界に貢献という意味では決して手を抜いている人ではありません。そろそろ教育委員会から表彰状をもらってもいいのではないかと思うぐらい盛りだくさんに社会の問題を扱い、分かりやすく説明しています。私が見た上の作品だけでも・・・

・ コンピューターにしがみついて家から1歩も出ず、人間との直接の関係から遠ざかってしまう弊害
・ 製薬会社が作る錠剤ばかりを取っていては健康に良くない、自然療法にも注目すべきだという趣旨(ドイツではこの作品に出て来るような薬草を使ったりする方法はずっと生きていて、現在も積極的に応用されています。日本でいう漢方と同じようなステータス)
・ 仕事のし過ぎでストレスというのは良くない
・ 依存症と決別しましょう、悪い友達とは手を切りましょう
・ 頭の良過ぎる若い層にもう少し人間性を教えなければ行けない

といった具合。毎回何かメッセージを用意しています。

さて、今回のヒュー・グラントとの共演はどんな具合でしょう。

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