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ターミネーター /
The Terminator / Der Terminator

副題: アーニーはコメディーに向く

James Cameron

1984 USA 108 Min. 劇映画

出演者

Arnold Schwarzenegger
(Terminator - サラを殺すために2029年から1984年に送られて来たキラー・サイボーグ)

Michael Biehn
(Kyle Reese - サラを守るために2029年から1984年に送られて来たレジスタンスの戦士)

Linda Hamilton
(Sarah Connor - サイボーグに狙われるウエイトレス)

Bess Motta
(Ginger Ventura - サラの親友)

Paul Winfield
(Ed Traxler - 警部)

Lance Henriksen
(Vukovich - 刑事)

Earl Boen
(Peter Silberman - 警察の心理分析医)

Bill Paxton
(パンクのボス)

William Wisher Jr. (警官)

見た時期:2003年10月


ターミネーター 2 / Terminator 2: Judgement Day

James Cameron

1991 USA 137 Min. (ドイツ版、10分ほど長かった) 劇映画

出演者

Arnold Schwarzenegger
(元Terminator - ジョンを守るために2029年から1994年に送られて来たサイボーグ)

Linda Hamilton
(Sarah Conner - ジョンの母親)

Leslie Hamilton Gearren
(Sarah Conner - ジョンの母親のダブル、鏡のシーン、サラに化けたT-1000)

Michael Biehn
(Kyle Reese - サラを守るために2029年から1984年に送られて来たレジスタンスの戦士、回想シーン)

Edward Furlong
(John Conner - サラとカイルの息子、少年)

Michael Edwards
(John Connor - 青年)

Dalton Abbott
(John Connor - 幼児)

Misty Jo Walker
(サラの孫)

Robert Patrick
(T-1000 - ジョンを殺すために2029年から1994年に送られて来た新型ターミネーター)

Don Stanton
(Lewis - ガードマン)

Dan Stanton
(ガードマンに化けたT-1000)

Joe Morton
(Dr. Miles Bennett Dyson - 新型チップの研究者)

S. Epatha Merkerson
(Tarissa Dyson - マイルズの妻)

Castulo Guerra
(Enrique Salceda - サラの仲間、武器調達)

Earl Boen
(Peter Silberman - 警察の心理分析医)

William Wisher Jr. (カメラマン)

見た時期:2003年10月

ターミネーター 3 を見た時にはまだ見ていなかったのですが、先日 DVD でターミネーターターミネーター 2 を見ました。珍しく続編がこけなかったケースで、ターミネーター 2 には気合が入っていました。それでターミネーター 3 にも青信号が出たのでしょうが、3作を見るとターミネーター 3 が1番弱いような感じがします。とは言っても前の2作と比べるからの話で、アクション映画としてはかなり気を入れて作っています。弱かったのは SF としてのストーリー。ジェームズ・キャメロンが退いたためかも知れません。

ギャグを理解するためには制作順に見た方が良かったような気がします。思った通りで、メガネのギャグ他、3作目にも続くランニング・ギャグがありました。アーノルド・シュワルツェンエッガーは2作目でかなりコメディアンとしての才能を発揮しており、これは無視するべきではありません。この人はロビン・ウィリアムズよりコメディアンに向いているのではないかと思いました。ウィリアムズが笑いを取ろうとするとこちらは非常に緊張するのですが、シュワルツェンエッガーは自分でも楽しみながら悠々と笑いを取るので、リラックスして見ていられます。ターミネーター 2 でも状況を上手に利用したギャグが出て来ます。私が特に気に入ったのは、ジョンが「少しは笑え」と言って微笑み方を教えようとするシーン。ターミネーターはすぐやってみるのですが、顔がこわばってうまく行かない。頭の中ではコンピューターがきっちり微笑んでいる男の口元をスキャンして、それを自分にはめ込んでみます。ロボットをロボットと思わないで色々教え込む少年と、教えられた事を命令だと受け取ってすぐやってみるロボットのズレがいいのですが、演じる人がマジでやらないとここは失敗します。シュワルツェンエッガーはマジでロボットになり切って微笑みの練習。

ターミネーターターミネーター 2 を続けて見てみると、キャメロンは良く計画しているなと思います。7年も過ぎているので、最初から続編が作られると思っていたかは分かりません。しかし主演の女性は双子。2作目では何度か出演しています。私は2人出ているとは気付きませんでした。もう1組双子が出ています。

★ T1 のあらすじ

あまりにも有名になったので詳しい筋は紹介しなくていいでしょうが、ざっとこんな具合です。2029年から1984年、1994年にサイボーグや人間が送り込まれて来ます。一方通行で、一旦この世に来た者は元の時代には戻れません。ターミネーターではアーニー演じるところのターミネーター(= 最終的に片をつける者)101型が、サラ・コナーという一介のウエイトレスを殺しにやって来ます。彼女を今殺さないと間もなく彼女が妊娠してジョンという息子を産んでしまうからです。ジョンは2029年にレジスタンスのリーダーとして力を発揮することになっています。そのジョンにてこずった未来社会が過去にロボットを送って来て誕生を阻めば未来は安泰と、何者かが考えたのです。

強引に町中のサラ・コナーという名前の女性を全部殺してしまおうとするのに対抗して、同じ未来社会からカイル・リースという男が送られて来ます。彼はロボットではなく人間。未来のジョンの友達です。彼は殺されようとするサラを守る役目。サラが1984年に死んでしまうと、2029年のジョンが消滅してしまうからです。しかしカイルは生身の人間。ターミネーターはやたら強い機械ですのでチャンスはほとんどゼロ。絶望しながらサラとカイルは逃避行。しかしカイルにできてターミネーターにできない事が1つあった・・・。悲劇も伴いながら終わる第1話。

ここでふと思ったのがカイル・リースの末路。こういう終わり方をすると、メビウスの帯のような疑問にぶつかって、話がごちゃごちゃになり、切りがつかなくなるのです。これはキャメロンに頼まれなくても、自発的に忘れた方がいいのでしょう。

★ T2 のあらすじ

リースが言っていた「核戦争で世界が破滅」という話。しかしサラはその後の戦いでリーダーとなる子供を妊娠。身重のまま南下。どうやらメキシコ向きに逃げたようです。彼女はちょっとアメリカへ戻った時につかまり精神病院送り。息子のジョンは養子に出され、あまり幸せな生活をしていません。1994年、またターミネーターがやって来ます。姿形はアーニーとそっくり。しかしジョンを守るようにプログラムされています。送り主は未来、青年になっているジョン自身。

しかし敵も新型の T-1000 を送り込んで来ます。アーニーは T-800 で時代遅れ。ウインドウズ 95 がウインドウズ NT に対抗するようなものです。そしてリースの言う破滅まであと3年。精神病院から母親も救い出し、2人と1台で逃避行。しかし T-1000 はしつこい。かつての T-101 (これはウインドウズ 3.1 みたいなものでしょう)と同じですが、何にでも簡単に姿を変えることができるので、逃げる方も騙されることがあります。

破滅の直接の原因はスカイネットというコンピューターのネットワークで、これが人間を差し置いて世界を掌握してしまいます。その瞬間に人間は奴隷と化すのです。どこかで似たような話聞いたなあ、確かあれも3部作だった・・・。しかし墓穴を掘るとは考えもせずそのスカイネットをせっせと開発している研究所があります。そこには T-101 の破片が保存してあり、それを元に開発が進んでいます。サラはその研究所の責任者を殺しに向かいます。これがあのブルース・ブラザーズ 2000 のキャブ。スピードでリーヴスのティームの指揮を取っていた上司の警官マクマホンです。ターミネーター 2 では残念ながら美声は披露してくれません。サラはキャブ殺しには失敗したものの説得には成功し、犠牲者を出しながらとにかく研究成果は破棄します。T-1000 と T-800 は死闘の末ハッピーエンド・・・のはずだったのになぜターミネーター 3 があるんだろう・・・。それはウインドウズ XP が出たからです・・・。

という風に話が展開します。ターミネーター 3 は単独に見ると力の入ったアクション映画ですが、全体のストーリーから見ると、ターミネーター 2 が1番いいようです。ターミネーターではまだ世界がどうなっているか、どうなるかという説明が必要なので、それにかなり時間を使っています。ターミネーター 2 ではその辺を前提として据え、そこへサラの苦悩とジョン、T-800 との奇妙な友情に時間をかなり割いています。リンダ・ハミルトンは時代を反映してか強い女性の役で、カイルからも「兵士」と呼ばれます。かなりトレーニングをしたと見え、ハミルトンの動きはきびきびしており、男性と肩を並べられます。最近はこの種の女性はまた流行ではなくなり、ターミネーター 3 では女性の強さをミリタリー風でなく、職業についている常識を持った女性という風に変えてあります。

珍しく DVD で見ましたが、これはやはり映画館で見ないとだめです。暗い画面が多く、大きめのモニターで見たとしても、あるいは大型テレビで見たとしても良さが消えてしまいます。しかしターミネーターを今時やる映画館はまずない。最近近代的な映画館がたくさんでき、サービスでただ券などもたくさん出していますが、古い映画を扱う場所がどんどん消えてしまい、今では80年代の映画を見るのはほとんど不可能になってしまいました。1軒に15もホールのある映画館もあります。ドイツ語の吹き替えのほかに原語で流す館もあります。しかし古い映画を見せる館はほとんどゼロ。夏場にただで見せてくれる近所の映画空き地(建物の外で見ます)ぐらい。しかし経営は非常に苦しそう。フィルムを借り出すのが大変だなど、色々事情があるのでしょうが、残念です。

後記: 残念ながらアーニーはカリフォルニア州知事に当選してしまったので、ここ当分映画には出ないようです。立候補を決定する前にターミネーター 3 の撮影をきちんと終えており、ターミネーター 4 にも出ると発言しています。この人は言った事はやってしまうので、本当にターミネーター 4 に出演するということは大いにあり得ます。I'll be back. と言うと本当に戻ってくるサイボーグですから。問題はいつの話になるか。州知事の任期が終わってからでしょうから、当分待たされます。すると60歳のターミネーターか・・・、ロボットは年取らないからいいのか・・・。もし再選なんてことになると・・・。

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