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パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち /
Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl /
Fluch der Karibik

Gore Verbinski

2003 USA 143 Min. 劇映画

出演者

Johnny Depp
(Jack Sparrow - 一世を風靡した海賊の船長)

Geoffrey Rush
(Barbossa - 呪われた海賊の船長、元ジャックの部下)

Orlando Bloom
(Will Turner - 刀鍛冶)

Keira Knightley
(Elizabeth Swann - 総督の娘)

Jonathan Pryce
(Weatherby Swann - カリブ海植民地の英国人総督)

Jack Davenport
(Norrington - 提督)

Isaac C. Singleton Jr.
(Bo'sun - 海賊)

Mackenzie Crook
(Ragetti - 海賊)

Zoe Saldana
(Anamaria - 海賊、スパロー側)

その他恐ろしい数の海賊、兵士

見た時期:2003年10月

キル・ビルが最近まれに見るエンターテイメントだとちょっと前に感激しましたが、今度はパイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちに子供向きのエンターテイメントだと感激したところです。ジョニー・デップが子供向きだと盛んに宣伝していましたが、言葉通りです。作ったのはディズニー。

私はディズニー映画に100%感激するタイプではないのですが、子供の頃に見た映画にはいくつか心に残るものがあります。その1つに難破船というのがありました。確か原題は In Serch of the Castaways と言い、子供向きですが手を抜いていませんでした。ヘイリー・ミルズ、モーリス・シュバリエ、マイケル・アンダーソン・ジュニアなどが出演し、子供心をわくわくさせてくれる作りになっていました。

海賊映画はテレビで古いものをいくつか見ましたが、それほど感激しませんでした。話が単純過ぎたのか、エロール・フリンのタイプが私に合わなかったのか、人があまりにも大勢動き過ぎたのか・・・理由は分かりませんでした。

近年になって見たものの中ではデニス・ホッパーの演じていた海賊が良かったです。しかし彼の海賊シーンはコメディータッチで映画全体のシリアスなコンセプトと合わず、あたかも2つの映画が1本の中に登場したかのようでした。このミス・マッチはウォーターワールドの中で起きていました。

パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちはひいきにしているジョニー・デップが出るというだけでなく、ベルリンの評判はかなり良く、何度も見た予告編では特殊効果のシーンがおもしろそうで、これはぜひただ券に当たりたいと思っていました。ところが当たりたいと思うと当たらないものです。キル・ビルバッド・ボーイズ2ターミネーター 3 など大型作品に当たり続けていたのに、パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちだけ当たらなかったのです。しかしある日全然違う作品に当たり、券を貰いに行ったら、くれたのがその映画の券でなく、クーポン。映画館に行って、その時間のその映画の券と交換しろということだったのです。そこで思い出したのが、クウェンティン・タランティーノ監督の偉いお言葉。「他の券買って映画館に忍び込んでキル・ビルを見ろ」。キル・ビルはもう見たので、パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちをやっているホールに忍び込んだのです。

さて、その結果は・・・。「ジョニー・デップはティム・バートンの作品に出るのが1番いい」という確信は揺るぎませんでしたが、ジャック・スパローを演じているのがデップであろうがなかろうが、愉快な役です。1番印象に残ったのが、冒頭上陸するシーン。こんな愉快なシーンは見たことがありません。次に思いっきりの悪漢を演じているジェフリー・ラッシュ。オスカー貰って一段とエンターテイメントの要素が上がったようです。この人、シェークスピア風のきっちりした演技も行けますが、オーストラリアではずっこけた役もやっていて、非常に巾が広く、バーロッサの役も本人が楽しみながらやっているようです。そしてヒーロー役が今売り出し中のオーランド・ブルーム。別な作品では世界中の若い女の子を魅了してしまったそうですが、私はこちらの方が好きです。前半のデップとのチャンバラは凄く決まっています。事故で背骨を折って、二度と歩けないかも知れないと言われた人、よくぞここまで回復した、と喜んでいます。お姫様役は元サッカー選手、いえサッカー選手役のキーラ・ナイトレー。ちょっと前ベッカムに恋しての準主演をやっていました。お姫様役とは言え、今回の役はかなりスポーツの要素がありますから、ぴったり。顔はタイタニックのケイト・ウィンスレットを思わせ、これもぴったりです。

海賊船の船員、英国軍の兵隊役があるので、その他大勢出てきますが、主演、脇役を問わず皆楽しそうに演じているため、その雰囲気が伝わって来て、見ている方も楽しいです。海賊の島はこういうものだろうと子供の時から想像していた通り、金貨、財宝があふれています。小道具がプラスティック、めっきでもいいから1度ああいうスタジオに行ってみたいものです。

子供の時帆船のプラモデルなどを作っていた者としては、1度でいいからああいう木造の船に乗ってみたい、そういう憧れと思い出が混ざってしまうので、子供を放り出して、大人の方が夢中に、とそこまでプロデューサーが考えたかどうかは分かりませんが、とにかく楽しい。

欧州では海賊というと必ず1人黒人の大男が出て来ます。これは、海賊話の伝統なのでしょうか、それともアステリックスというフランスの漫画の影響なのでしょうか。この漫画には R が発音できず、マストのてっぺんに立って見張りをする海賊がいて、とても有名です。

筋は単純で、海賊の船長スパローが、部下バーロッサの謀反に遭い、孤島に弾が1発だけ入ったピストルと共に置いてきぼりにされます。ところが新船長バーロッサと部下には呪いがかかり、昼は人間、夜は骸骨になってしまいます。このゾンビは何も感じることができず、死んでもおらず生きてもいないという中途半端な、成仏できない状態のままです。呪いを解く方法があり、海賊たちはそれを達成する寸前まで来ています。

その最後の1歩に関わってしまったのが、ウィルとエリザベス。エリザベスは海賊に拉致され、ウィルは彼女を救うべくスパローに協力を求めます。このコンビでバーロッサを追跡。その後をエリザベスの父親と求婚者が追いかける・・・。船ですからカーチェースに比べて速度は落ちますが、なかなかの迫力。気合が入っています。

ディズニーのお約束通りハッピーエンドになりますが、そこに至るまでに愉快なシーンや、策略もあり、退屈する暇はありません。結構長い話なのですが。主人公の3人は死んでいないので、続編も作れそうです。

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