映画のページ
2004 F/D/UK 92 Min. 劇映画
出演者
Vanessa Paradis
(Concia - 田舎娘)
Jean-Pierre Marielle
(Bosco - コンシアの父親)
Jason Flemyng
(James Bataille - スタントマン、コンシアの崇拝者)
Olivier Champain
(コンシアのバンドのメンバー)
Eric Piffeteau
(コンシアのバンドのメンバー)
Didier Poiraud
(コンシアのバンドのメンバー)
Benoît Poelvoorde
(Allan Chiasse - タレント・スカウト)
Venantino Venantini
(Matt Kelso)
Vincent Tavier
(Chef Brody)
Bouli Lanners (Chip)
Jacky Lambert (Dips)
Dominique Bettenfeld
(Peter Cheval)
Mar Sodupe (Kitty)
見た時期:2005年8月
1つ前に書いた地味な作品だけでなく、私はこういう全然わけの分からない作品も好きなのであります。意味も理屈もきれいに忘れ、監督や脚本家が行きたい所へ勝手に行ってもらい、こちらはひたすらそれにくっついて行く、そういう作品です。
なんでこんな作品を見る気になったかと言うと、ジョニー・デップのカミサンの顔が見たかったから。どうやってあの扱い難い男を落ち着かせ、子供2人作って、インタビューとなると子供の話ばっかりするような男に変えることができたのか、レベルの低〜い興味があったのです。
いざ会ってみると(もちろんスクリーンの上でのことですが)何となく納得してしまう人でした。オスカーのパーティーなどに来ている写真は時たま見たことがあったので、小柄な女性だということは知っていました。デップよりやや小さめで、どことなくお人形さんのようなイメージをふりまいていました。しかし彼女が動いて物を言っているところはこれまで見たことがなかったのです。で、可愛い人形を手に入れたデップなのか、言葉なんかどうしているんだろう、アメリカ人は外国語に弱いと聞いているし・・・なんて思っていました。
そのイメージは彼女が登場する最初のシーンで吹っ飛んでしまいました。まず映画に登場するパラディーはオスカーのパーティーなどの写真よりずっと老けて、貧血気味、不健康に見えます。可愛い少女に恋をしたデップという話はこれで海の藻屑。1972年生まれですから30過ぎ。小柄なデップはそうは言っても178センチ。パラディーは160センチだから確かに小さい。やっぱりデップはお人形さんを手に入れたつもりだったのか・・・。デップとの年の差は約10歳。子供は現在のところ2人。結婚したという話は聞きませんが、フランス人というのは20年、30年夫婦として公の場所に現われても結婚していないという人がたくさんいるので、別に変わっているわけではありません。デップがフランス式を選んだのかも知れません。2人とも音楽家として仕事をした経験があり、パラディーはもっぱら歌手として知られている人なので、映画でも音楽でも2人の話は合いそうです。
しかしパラディーは古いタイプの可愛い子ちゃんではなさそうです。自分の仕事はしっかり把握していて、体は細くて今にも折れそうなのに背骨がピシっと決まっているのです。デップがアホな事を言ったら彼女に笑い飛ばされそう。自分の出演する映画に恋人や亭主をチラッと登場させるなどという優柔不断な事もせず、共演は全然違う男。その名はジェーソン・フレミング。何だってここに英語の映画ばかりに出ているイギリス人を連れて来たのかは分かりませんが、彼はバタイユという名前のスタントマンの役。トランスポーターという映画の続編に顔を出す人ですがエイリアンVSヴァネッサ・パラディでは全く違うイメージの役を演じています。
パラディーちゃんは役名をコンシアといい,水辺に住んでいます。親父さんの経営する飲み屋を手伝っているのですが、その彼女にぞっこんなのがドジなスタントマンのバタイユ。コンシアちゃんは田舎の飲み屋の娘ですが、将来の夢はカントリーの歌手になること。何しろド田舎で、飲み屋は親父さんの店1軒しかない。ですからショーをやるとなるとその飲み屋が急に劇場に変身。
コンシアが歌いたいというので親父さんはショーを構えることになり、準備。で、スタントマンのジェームズも出ると言い出し、スタントの曲芸を披露することに決まります。ところがドジをしでかし、オートバイごと店に突っ込んで大破。懲役133年で、刑務所行き。未来のお嫁さんの親父さんを怒らせるとこういう結果になるといういい例です。ジェームズを嫌っているわけではないけれど、これも運命と諦めたコンシアは歌で名を上げるという夢を捨てず、そちらに希望をかけます。
どういうわけかタイミング良く刑務所から脱走して来たジェームズはコンシアに詫びがしたくて必死。そこへまたどういうわけかタイミング良くやって来たのがタレント・スカウト。この男に《発見》されれば大スターへの道が開けるかも。ジェームズは脇からコンシアを応援したい。そこへどういうわけかやって来たのが大量のエイリアン。人間を襲い、ゾンビにしてしまうのです。この後は思考停止状態で映画を見ると楽しめます。
しかしマジでおもしろいのです、このばかばかしい話が。国籍不明のセット、英国人も紛れ込んでいる村、経済が成り立つのかさっぱり分からない村の生活、エイリアンに対抗するのに警察も空軍も機能しない、立ち向かうはドジなスタントマン。話全体に統一が取れているかが勝負という典型的な例です。
普段あまりゴシップに興味を持たないファンタ仲間ですが、なぜデップがパラディーと一緒になったかについて1つおもしろい説を聞きました。2人は実は男女に分かれてはいますが、相似形だというのです。私には違いの方が目立つのですが。上にあれこれ比較を並べたのはそのため。この人の説によると2人はそっくりなのだそうです。かも知れませんね。パラディーはカワイコちゃんみたいだと何度か書きましたが、《みたいだ》というところを強調したい。《カワイコちゃんだ》ではないのです。特に仕事には熱心で、できるだけ納得した物を選ぶ傾向があるとの話。デップは契約上何でも演じますが、《自分が本当に気合を入れている仕事はこれだ》と観客に何となく伝わって来ますし。顔形は違うように思いますが、目がパッチリしている点など、あら捜しのように詳しく調べれば何かしら似ている点が出て来るかも知れません。そこまで詳しい研究はまだしていませんが。私は映画で動いている彼女を見て、デップに合いそうだと納得したので、それで十分。下世話は好奇心に他の人まで引きずり込んで済みません。
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