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トランスポーター 2 /
Le Transporteur II /
Transporter 2 /
Transporter - The Mission

Louis Leterrier

2005 F/USA 87 Min. 劇映画

出演者

Jason Statham
(Frank Martin - 臨時雇いの運転手兼ベビー・シッター)

François Berléand (Tarconi - 警視)

Matthew Modine
(Billings - 麻薬撲滅会議に参加する有名人)

Amber Valletta
(Audrey Billings - 妻)

Hunter Clary
(Jack Billings - 夫妻の子供)

Alessandro Gassman
(Gianni - 悪党)

Jason Flemyng
(Dimitri - ジャンニの部下)

Kate Nauta
(Lola - ジャンニの愛人兼殺し屋)

見た時期:2005年9月

実はパンフも手元にあったので、DVDを借りて先にトランスポーターを見ようと思っていたのです。そうしたらある日思いもかけず懸賞に3つも当たってしまい、(不幸にして(笑))1日に3本見なければ行けなくなってしまったのです。券はその日1日しか有効ではなかったのです。で、クーポンで貰った方の券をトランスポーター 2 に使うことにしました。

トランスポーターは主人公が両足を上げてジャンプしているシーンが間が抜けていますがそれ以外はクールという感じで、是非見たいと思っていました。主演の俳優の経歴も変わっていて、映画に出してもらえないと欲求不満に陥ってスキャンダルを起こすようなタイプの人ではないので好感も持てました。どちらかと言えば偶然俳優になったような人で、最初の2本がガイ・リッチの作品。26歳で芸能界というのはやや遅いですが、その前にすでに英国のオリンピック選手だったので無名でトレーニングをした時期を計算に入れるとかなり早くから世界を知っていた人です。スポーツが限界に来た所でファッション界へ。オリンピックではプールが活躍の場だったので、体はモデルでも行けるでしょう。その他にもいくつか仕事を経て映画に入ります。そのオーディションがガイ・リッチだったというわけです。ガイ・リッチの作品に出てしまうとその後の道は半ば勝手に開けて行くと見え、映画のチャンスが続きます。フランスとのつながりができたようで、ベソンとの関わりがリッチ以降のチャンスを生み出しているようです。

当然アクションのスターに収まっていますが、モデルもやっていたというだけに、どのシーンを見ても決まっています。俳優にならなければスタントマンになっていたかもという印象の人で、自分のシーンはかなりの部分自分でやっているようです。

筋はいたって単純。観客は人の動き、車の動きを堪能するようにできています。リュック・ベソンが絡んでいますが、その足跡は(タクシー・シリーズに負けない)車の動き、(ジェット・リーの個人教授でも受けたような)武道にはっきり見えます。ユーモラスなシーンもあるのですが、ジャッキー・チャン系のコメディーではないのでその辺は軌道を逸してしまわないように押さえ気味。それでも絶対にあり得ないような事が起きたりするので、隠れたコメディーだという認識は必要です。

もう1つ裏にリュック・ベソンがいるぞというのは助演の女優の姿で分かります。ミラ・ヨヴォヴィッチにそっくりなのです。ベソンは暫くヨヴォヴィッチと結婚までしていましたが、ヨヴォヴィッチはアッテンボロー、ベソン、リー、ヴェンダース、ウィンターボトム、スティラーと2000年頃まで監督の階段をどんどん上っていたので、1ヶ所に止まりたくなかったのでしょう。10本ちょっとの出演作にこれだけの監督の顔が並ぶのは尋常ではありません。ベソンとどういう事があったのかは分かりませんが、ベソンの側は一時トラブルが続いた時期がありました。最近はベソンもまた調子を取り戻してトラブルの話はとんと聞きませんが、そこへ同じくモデル出身のそっくりさんをドーンと出して来たのでびっくりしました。

稀代の下品な悪女で、サドマゾ的な雰囲気たっぷり。死に様も全身串刺しです。さすがに血だらけにはしていません。そう言えば両トランスポーターは全体的には品位を保ち、あまりひどい怪我や死体は出て来ません。水に縁の深いベソン監督と主演のステータムは第1作に続き泳ぐシーンもばっちり入れています。ステータムとの相性も良さそうなので、いつの日かまたダイバーの映画でも撮ったらどうでしょうねえ。

手口、結末がばれます。見る予定の人は退散して下さい。目次へ。映画のリストへ。

単純な筋ですが、前はフランスで運び屋をやっていたらしいフランク。今はアメリカで仕事中。金持ちのビリングス夫妻の息子ジャックを学校に送り迎えしています。たかが子供ですが親が上流階級に属すると誘拐の的にされてしまう恐れがあるためこういう金のかかるボディーガードが必要になって来るのです。夫妻は夫が仕事に没頭し過ぎているため関係がギクシャクしていて毎日喧嘩。その間フランクがジャックを車の中で面倒見てくれているのは大いに助かっていました。フランクは今休んでいる運転手の代理なので間もなく用済み。

ところがジャックが本当に誘拐されてしまいます。手口は大胆で、病院に行ったところで襲われそうになります。フランクが異変に気付き助け出すのですが、今度は自宅から車ごと堂々と攫われてしまいます。車が監視されていることを正確に示され、相手の言うままになるしかなかったのです。嫌々片棒を担がされてしまったフランクは、子供を取られてしまった後無罪放免ですが、車にセットしてあった爆弾を何とか(あり得ない方法で)はずし、夫妻の元に密かに戻って来ます。(第1作にも爆弾をお土産に貰って来る話が入っていましたっけ。)

ちょうどそこへフランスから訪ねて来た友達(あの刑事です)もいたので、手助けを頼みます。危機一髪なのですが、悠々としている我がヒーロー。慌てても意味はありません。事件のからくりは観客にわりと簡単に明かされます。見せ場は子供救出の際のアクションの方ですから気前良く話はばらしてあります。

昔、ある所にグリムという兄弟が・・・ではなく、現代、麻薬で有名な南米の国にアメリカの麻薬撲滅会議を快く思わない人がいました。今度開催される会議に何百人も関係者が集まるのでここで一挙に火薬を破裂させれば効率良く片付けられるでしょうが、そういう手は警備の人にすぐばれてしまいます。で思いついたのが細菌。子供を攫って身代金をせしめるような形にしておいて、子供を細菌に感染させるのです。助かった子供を感激して抱きしめる両親。そこで子供から近くにいる大人へ感染。その親父さんが会議に出席すれば会場にいる大人全員に感染というわけです。子供ではなく、本当は輝かしいキャリアのお父ちゃんがターゲットに選ばれていたのです(本来のターゲットには手も触れないこの手口は推理物としては斬新)。

その謎をいとも簡単に解き明かしたのが子供の運転手をやっていたフランク。実はこの人はかつて・・・と彼の輝かしいキャリアも明かされます。詳しくはトランスポーターを参照。彼は自分と間違えられて警察につかまったフランス人の友人を通して警察の PC から情報を得ながら犯人を追って行きます。そこで車のスタントばかりでなく飛行機までが曲芸飛行。タクシー・シリーズを見ているつもりでも楽しめます。シリーズはまだ続けなければ行けないので、フランクは軽症で助かり、フランス人の友達も無事釈放されて国へ帰っていきます。スタローン、シュヴァルツェンエッガーとは一味違うアクションスターですが、こういうのもいいです。

余談にはなりますが、悪漢の1人を演じているのがジェーソン・フレミング。彼も英国人でフランスの映画に顔を出しています。フランス語はいけるそうです。先日はヴァネッサ・パラディーに恋をするアホなスタントマンを演じていました。トランスポーター 2 で使っている俳優の出身はいい加減で、英国人の彼はロシア人らしき男を、そしてイタリア人俳優はコロンビア人を演じています。あまりスウェーデン人を演じさせてもらえないペーター・ストルマーレと似たような運命です。こういう人を国際俳優と言うのでしょう。

関連作品: トランスポーター  トランスポーター 3

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