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Om Shanti Om

Farah Khan

2007 Indien 168 Min. 劇映画

出演者

Shah Rukh Khan
(Om Prakash Makhija - 俳優志望の若者,
Om Kapoor - スター、2役)

Kiron Kher
(Bela Makhija - オムの母親)

Shreyas Talpade (Pappu Master - オムの親友)

Deepika Padukone
(Shanti Priya - スター,
Sandhya - シャンティーの役を演じる新人、2役)

Arjun Rampal
(Mukesh Mehra - プロデューサー)

Javed Sheikh (Rajesh Kapoor - 有名な俳優、オムを轢いてしまう)

Asawari Joshi (Mrs. Kapoor - ラジシュの妻)

膨大な数の本人出演

Amrita Arora, Malaika Arora (Kaal), Shabana Azmi, Abhishek Bachchan (Dhoom 2), Amitabh Bachchan (Veer-Zaara), Vidya Balan, Bipasha Basu (Dhoom 2), Mithun Chakraborty, Juhi Chawla, Priyanka Chopra, Vishal Dadlani (Dhoom 2 の音楽), Bobby Deol, Ritesh Deshmukh, Dharmendra, Lara Dutta (Kaal), Sanjay Dutt, Subhash Ghai, Govinda, Jeetendra, Karan Johar, Kajol, Karisma Kapoor, Rishi Kapoor, Tusshar Kapoor, Arbaaz Khan, Farah Khan, Saif Ali Khan, Salman Khan, Zayed Khan, Akshay Kumar, Bappi Lahiri, Urmila Matondkar, Diya Mirza, Dino Morea, Rani Mukherjee, Amisha Patel, Rekha, Hrithik Roshan, Shilpa Shetty, Sunil Shetty, Aftab Shivdasani, Tabu, Preity Zinta

見た時期:2008年2月

58回ベルリン映画祭特別出品作品。

★ 監督カーン

カーンという名前はアラビアやインドには多く、同じ苗字だから親戚というわけではありません。ファラ・カーンというのは女性監督で主演のカーンとは友人。普段は裏方の仕事が多く、監督するのは2度目です。最後にかなり大勢の俳優、スタッフがパーティーをするという設定になっていて、そこに本人役で出て来ます。全体がコメディーで彼女も笑いを取るシーンに登場します。

後で知ったのですが彼女はちょうど今臨月。そのため大成功のベルリン映画祭に来ることができませんでした。シャー・ルク・カーンがベルリンでちょうどインタビューをやっている頃子供が生まれる予定なのだそうです。

2人のカーンは15年前まだ両方とも新人だった頃に知り合いました。その後ファラ・カーンが主にダンスの振付をするという形で2人の関係は続いていました。上にも書いたように奥方ではなく、同僚です。シャー・ルク・カーンは最近自分の製作会社を興し、そこでファラ・カーンは仕事をするようになり、Om Shanti Om はその会社のブロックバスターになりました。

★ 新作のタイトル

非常に簡単なタイトルです。30年前に主人公として登場するのがオム(カーン)とシャンティー(カー)、30年後の主人公が別な青年オム(カーン)と30年前のシャンティーの幽霊。その名前を羅列しただけです。

★ あのカーン

そうなんです、あのカーンなのです。知名度は実に13億人。ただ13億人に知られているというだけではなく、ファンが13億人。聞いたか、ピット君、クルーニー君、カプリオ君?

映画を見てからいくつかインタビューを見たのですが、中には36億人のファンと言う局もありました。私はまだカーンの周囲の事情をよく知らないので、現在は13億人が熱狂的なファンで、知名度は36億人なのだという風に解釈しています。これからも彼の映画は見ると思うので、いずれはもう少し詳しく分かるでしょう。中国一国の人口に近い数のファン、もしかするとその3倍のファンを持つスターです。

私も13億分の1です。インド映画を見た回数はまだ少なく、彼が顔を出す作品はその中でたまたま多かったというだけなのですが、インド映画に出ている人たちの能力には感心しました。無論メロドラマもできますが、歌、踊りは当然の基本という感じで、かつてのハリウッドを思わせます(後の話も参照してくだい)。ボリウッドと呼ばれるにふさわしいです。ハリウッドにもレビュー映画を作っていた時期があり、その頃は大勢のダンサーもおり、スターを目指す人はたいていの事はできるという時代でした。ここまで殺伐とした現在、1年のほんの数時間をこういう映画を見て楽しく過ごすことが求められているのかも知れません。

カーンはスポーツ万能、大学では修士という両方に優れた人物で、イスラム教徒。豚肉は食べません。奥方はヒンズー教徒で牛を食べません。子供は両方の教育を受けているそうですから、牛も豚も食べないのでしょう。イスラム教徒は4人まで奥方をめとっていいということになっていますが、カーンは1人。俳優になる前から知っていた彼女と結婚し、ずっとそのまま落ち着いた生活を送っています。

★ 観客、ジャーナリストの反応

映画祭の切符を売り出したのですぐ飛んで行ったのですが、カーン本人が来る催しは全て目の前で売り切れ。後で聞いたら18分で売り切れたそうです。どうやらインターネットでもかなりの注文がついたらしく、8ユーロの入場券に500ユーロ(後で600ユーロという話も聞いた)の値がついたという話と、彼が来ない、ただの上映の回でも50ユーロの値がついたという話を耳にしました。

その時はインドの大使館の家族か誰かが行きたいのだろうと思ったのですが、そうでもなかったようです。ラジオはカーンだけのためにレポートの時間を割いていますし、私が行った上映だけの会場にはインド人の姿は無し。インド人は彼が来る回には来たそうですが、そこも大半がドイツ人。

これはドイツ独特の現象だったようで、英語圏、特にアメリカとイギリスでは彼が来るというので飛んで来るファンは大半がインド、パキスタン系の人たち。ところがドイツは大半がドイツ人です。本人はベルリンのインタビューで「生まれて初めて自分がスターだと感じた」と発言しています。

私は外国の事は知りませんでしたが、カーンのインドでの評判を知っていたので、万一の事を考え前の映画の観客が会場に入ってすぐの時間に会場に着きました。映画1本分待つ覚悟です。かつてベルリン映画祭の通し切符を買って全部に参加したことが何度かあったので、評判のいい作品ではどういう騒ぎになるか知っていたのです。私が行った会場はファンタの会場よりやや大きくて800人収容。ファンタの大きい方のホールは600人収容です。

さすがに2時間前、私は1番乗り。ところが心配は必ずしも外れていませんでした。1時間ちょっとの頃から急に人が集まり始めあっという間にドアの前は満員。ほとんどがドイツ人の女性で若い人から中年、年金生活に入っているだろうと思える年齢まで。中年の手前の年齢の人が多かったです。男性はほとんど全員が女性のお付き合い。ジャーナリストはかなり少なかったです。恐らくカーンがじきじきに来た回にジャーナリストは行ってしまったのでしょう。

カーンの映画に対するジャーナリストの反応はドイツでは一般的に冷たいです。今年は《ファンが殺到するから》というので取材に来たジャーナリストはいたようで、ビートルズ並みの騒ぎだとラジオで言っていました。インドなら当然と思いましたが、ドイツもいよいよブーム到来なのか、「へええ、そんなになったのか」というフィーリング。明らかにファンの関心の方がジャーナリストより先行しています。

上映会場で1時間前からの様子を見ていると、本当にジャーナリストの先導は無視して一般客がカーンに惚れこんだのだという印象を受けます。ベルリン映画祭はプロのジャーナリストが大きな顔をして出入りする映画祭で、その人たちが15分ほど見て書いた批評がまかり通ってしまうこともよくあります。80年代に何度か気合を入れてこの映画祭に参加したのですが、そのうちにそれに気付いて滅多に行かなくなってしまいました。その後は珍しい国の作品やノーカットや一般公開は無理だろうと思えるような作品だけを選んで行きました。全く行かない年もあります。

ところが私の回でカーンの作品を見に来たのは大半が一般人。会場は満員になり、少し遅れて上映開始。168分です。

私は僅かとは言えいくらかインド映画を見たことがありました。ですからミュージカル仕立ての作品ではわくわくし、歌い踊る俳優を見て自分も一緒にメロディーを口ずさんだりします。見せ場が出ると拍手喝采。ファンタで1番大きな会場に20人弱しか客が入っていない時にも、音楽部分では大喝采をしたことがあります。その時同じ反応をしたのは隣に座っていた見知らぬうら若いドイツ人のおなご2人と、反対側に座っていたドイツ人の中年男のみ。他の人はずっと後ろに静かに座っていました。

変われば変わるもの。この日は元からカーンが歌い踊るのを楽しみに、つまり私と同じ根性で来ていた女性が観客の大半。ですからみんなで手拍子。さすがに立ち上がって一緒に踊る人はいませんでしたが、まもなく覚えてしまった Om Shanti Om という部分の歌詞を歌う人は大半、中には他の部分も一緒に歌う人が出ました。と言うことはどこかでもうこの映画を見ていたか、あるいはヒンドゥー語が分かる人たち。しかしどこを見ても普通のドイツ人の女性ばかり。

その上(一部は私も見たことがある)カーン以外の大スターが顔を出すとどっと歓声が上がり、拍手。この作品は前半と後半があって、途中に Interval と文字が出るのですが、ベルリン映画祭はそんなのは無視。突貫工事で休みは無く後半に突入。

後半は30年後となるのですが、そちらにはインドでは名の通った俳優、スタッフが実名で登場。去年のファンタで見た Dhoom 2 の主演も出ていて、ちょうど Dhoom 5 のプロモーションをやっているというような設定になっています。これほど少ない数の映画しか見たことのない私にも分かるようなシーンがあるのですが(Dhoom はまだ2までしか無い)、どうやら他の人にはお馴染みのギャグが連発されているようでした。それに皆が反応して大笑いしたり、驚いたり。

後半事件にもオトシマエがついて、大団円のシーンになるともうスクリーンの大パーティーが観客席にも伝染して、映画館全体で大合唱。外国人が見たら「これがドイツ人か」と驚くかも知れません。会場には私以外はほとんど外国人の姿はありませんでしたが。

外で次の映画を待っている人たちは声を聞いて何事かと驚いたのではないかと思います。前の映画が中国の作品だったらしく、終わる頃記者章をつけた人が深刻な顔をしてぞろぞろ出て来ました。これがベルリン映画祭の典型的なパターン。映画祭が嫌いになった理由のもう1つは上映後15分から30分ぐらいで出て来る人たち。全員がジャーナリストです。この作品ではかなりの数の人が出て来ました。皆が深刻そうな顔。その次が Om Shanti Om だったのですが、こちらには元からジャーナリストはいなかった上、観客がどんちゃん騒ぎ。これほど映画祭らしくない回は珍しいのではないかと思います。

★ 映画に集中

実はカーンが来る回に入ろうと思えば入れないことも無かったのです。人に頼まれて購入した切符が余ってしまったのです。考えた末それは別な人に譲ることにしました。ベルリンの外からわざわざ来た人がいたのです。残念と言えは残念ですが、私はこのどんちゃん騒ぎを経験して、それで良かったと思いました。(後でインタビューを見たら、その人の他にもフランクフルト他かなり遠方からわざわざ来た人が大勢いました。)

カーンの回に行くと本人の顔が見たいなどと雑念が入って映画に集中できなかったと思います。本当にビートルズ規模のファンという想像が正しいです。日本でブラピ様とかヨン様と言っている人がいるとすれば、その人たちの気持ちをカーン様に置き換えて下さい。そうなると、本人が同じ映画館で自分と同じ空気を吸っていると想像しただけで気もそぞろで、映画どころではなくなります。

Om Shati Om は他愛ない恋愛の絡んだ犯罪映画。幽霊物でもあり、ファンタに来るかも知れません。カーンも言わば大根役者で、演技派とはとても言えません。その上本人が会場に来ているとなると、映画のことが記憶に残らないかも知れません。

この日はそういう雑念の入る余地が無かったので、私だけでなく観客は皆映画だけに集中。私はこのファンに好感を持ちました。開場になる前1時間ほど待つ間、そこにおいてあった等身大の写真のカーン様と並んで記念撮影をするファンも続出。本当にカーンやミュージカルが好きなんだなと感じました。

★ ではストーリーの方へ

前半はディスコ時代の70年代。登場するのは A Night at the Roxbury のようなアホ兄弟オムとパプ。実の兄弟ではなく大親友ですが、どこへ行くにもつるんで、同じ夢を追っています。ちょうど映画界に新人としてデビューを果たしたので、将来をばら色の夢で思い描いています。

スタジオへの出入りが許されるので、大スターとすれ違うこともあります。オムが憧れているのは美人女優のシャンティプリア。町中にポスターも出ています。

ある日撮影中に手違いがあって、シャンティーが焼け死にそうになります。そこへ猛烈に突進して助けたのがオム。これでオムはシャンティーに近づくことができ、友達と認められます。大スターへの夢が1歩近づいたと喜ぶパプ。オムは本気でシャンティーに恋をしてしまったようです。

シャンティーも命の恩人ということもあり時々オムに会ってくれます。しかし彼女の本命はプロデューサーのムケシュ。彼の子供まで妊娠しています。ムケシュとシャンティーの言い合いを聞いてしまったオムは大失恋。

その直後に何とシャンティーはムケシュに殺されてしまいます。シャンティーを助けようとしたオムはムケシュの用心棒に襲われ重症。シャンティーを助けることができないままたまたま通りがかった車にはねられ入院。結局助かりませんでした。この車を運転していた男は有名な俳優で、妻が臨月だというので病院へ急いでいました。幸い子供は無事生まれ、オムと名付けられます。

☆ インターバルを無視して続行

30年後。オムが死んだ時に生まれた新しいオムは将来を嘱望されるスターに成長しています。その彼に新しく入った仕事の話。ところがその話を進めている時にオムは時々妙な経験をします。

例えば火を異常に恐がります。実は30年前オムが助けようとしたシャンティーは焼き殺されたのです。そして最近ハリウッドから戻って来たというプロデューサーと面会するとまた妙なフィーリング。時々幻想を見るようになり、オムは少しずつ30年前のオムに近づいて行きます。

そしてついに行き着いたのはパプと前のオムの母親。新しいオムは30年前の出来事を知ります。これはオトシマエをつけなければ行けないということになり、パプと若いオムは作戦を練ります。ムケシュを落とし入れようというのです。

そのためにシャンティーの代役を務めるサンディーという女優を雇い、パプはあれこれトリックも用意するのですが、事はそう上手く行きません。予定のスイッチが入らなかったり、困る事態になります。ところがなぜかそれがうまく行ってしまいます。

変だなと思っていると、成仏していなかったシャンティーが裏で助けているのです。というわけで最後は悪漢は退治。残った人たちは大喜びでハッピーエンド・パーティー。めでたし、めでたし。

★ 批判

エンターテイメントの役目を十二分に果たしているのでマイナス点はほとんどありません。強いて言うなら主演の2人があと10歳(カーン)か5歳(カー)若ければ良かったというぐらい。30年前のティーンを42歳のおっさんに演じさせるのはちょっと無理。皮膚を見ると若さがちょっと足りません。ボリウッドには脚本家もたくさんいるでしょうから、2人を主演にして幽霊物でもいいですからもう少し別な年齢設定にしたらどうでしょう。

★ カーンに好感

とは言っても私はカーンという俳優には好感を持ちました。映画館に行く前にラジオで聞いたインタビューのためです。

あれこれ質問されていましたが、「なぜハリウッドに行かないのか」という所でこんな風に答えていました。「自分は英語が下手だ」「肌の色のせいで与えられるのはせいぜいほにゃららの役程度だ」「自分は大根役者だ(とは言いませんでしたが、大した能力は無いと言っています)」、そして「ハリウッドに行かず、インドで1番のスターになって、インドの映画を世界に広めたい」ですって。良く分かっている。

俳優には色々種類があります。ざっと見ても「演技をするぞ」と意気込んで演技をする俳優、自然なままで凄い演技になってしまう天才俳優、努力しても今一の普通の俳優、大した演技はできないけれど監督が適した場所で使うので様になる幸運俳優、スターと言われていながら演技派を目指す足元を見ない俳優等など。珍しいのはスターとして期待され、そのポジションを上手にキープする俳優。せっかくスターに選ばれたのに自分は演技を頑張るんだってな具合に自分の中で葛藤を持ってしまう俳優が多いですよね。

カーンはどうやら自分が大スターで、歌と踊りを見せ、そこそこの演技で時々流し目を送れば、10億の人がついて来るということをしっかり分かっているようです。重圧に押し流されて鬱かノイローゼというタイプではありません。歌と踊りも下手ではありませんが、もっと上手い人も見たことがあります。結局はその調合の度合いと、本人がどの程度リラックスして自分の運命を受け入れるかにかかっているのでしょう。そのあたりが上手く行った例なのではと思います。

★ カーン&カーンの再スタート

再かどうか実は分からないのですが、2人は最近仕事上新しいスタートを切ったようです。ちょっと前にシャー・ルク・カーンが新しく製作会社を設立し、ファラ・カーンに仕事を依頼しています。ファラ・カーンは上にも書いたように裏方としてはシャー・ルク・カーンと付き合いが長いのですが、監督としてはまだ2作目。これからもこのコンビでやって行くようです。

インタビューで聞いた話なのですが、これまでシャー・ルク・カーンは常に着衣のカーン。いつもきちんと服を着ていたのだそうです。Om Shanti Om は彼が上半身裸になった初めての作品だそうです。セックス・シーンとキス・シーンはそれまで同様無し。と言うことはこれまではきちんと服を着たまま、流し目だけで36億の女性を引きつけていたということです。何となく高橋英樹のイメージが頭に浮かんで来ました。Om Shanti Om では大成功はしていませんでしたが、二枚目半は適した役どころで、うまく行く時もあるのではと思いました。もしかして過去の映画には成功作もあるのかも知れません。

★ 踊りは特に上手くなくてもいい

んだそうです。ダンス・シーンを撮影する時は10秒程度のカットを何度も重ねて行き、後でつぎはぎをやるのだそうです。確かにあんなに激しい踊りを10分とか続けると汗だくになるはずなのに、皆平気な顔をしています。なるほど、10秒なら持つなあ。そんなこともあってカーンは「自分は大した俳優ではない」と言うのでしょう。

★ 主演2人の体に好感

カーンは絶世の美男子というわけではありません。比較的小柄。しかしよくトレーニングされた体をしています。それが行き過ぎでないのがいいです。そしてもう1つ好感を持ったのは歯をむやみにいじっていない点。アメリカのスターは不自然なほど歯をぴかぴかにしていて、入れ歯だと逆に分かってしまいます。カーンはきれいに手入れのできた自前の歯でした。

カーは絶世の美女。完璧な顔をしています。しかし歯はカーンと同じくあまりいじっていません。そして胸もほどほど。ハリウッドのようにいかにもシリコンを入れたと分かるような体のバランスを崩すような大きな胸ではありません。ボリウッドの人がどのぐらい自分の体に手を入れるのかは分かりませんが、ハリウッドよりは自然に見えます。

いくらかトレーニングして体の線を整えるのには私も賛成です。見せるのが商売ですからね。しかし最近のハリウッドを見ていると体をいじったなあとみえみえの姿の人が多く、あそこまでやって人工的に見せて人に好かれるのか疑問に思えます。何人かのスターは徐々に顔つきが似て来るので気味が悪いです。それに比べるとインドの俳優はまだ自然さが残っています。ちなみにインド人というのはその辺の普通のねえちゃんでも絶世の美人がいるので、人材にはあまり不自由しないのかも知れません。

★ 日本では1度インド映画がブレーク

したそうですが、最近は下火だとか。ドイツはいよいよ来るぞという感じです。私の見た数少ないインド映画の中のスターは皆カーンのように考えているらしく、要所要所でポーズを決めかっこいいです。スターの役目をハリウッドの俳優よりよく理解しています。長い間あれこれ考えることを要求される映画ばかり見ていたので、インドのエンターテイメントに徹した作品は清涼飲料水のような効果を持ちました。同じ日会場に来ていた女性たちも同じ感想だったのかも知れません。皆幸福そうな顔で帰宅して行きました。映画祭の色々な作品を見に来た人たちではありませんでした。

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