URAtop厨房裏地下食料庫

illumination

 jaune
vert
blanc
rouge
bleu

 
 

 

イルミナシオン
illumanation
 

blanc





 


 
 
 
 
 
 

5
 
 
 
 
 
 
 

最近、ナミがクロコダイルの屋敷に来ない。
来ても密かに話をするどころではない。
ビビが心変わりしてないということをナミは知っている。
おそらく居場所を知っているのだ。
ゾロはいらいらした気持ちでナミが来るのを待っていた。
情報を知る手段がゾロには全くなかった。
ここは別世界だ。
恐らくクロコダイルのところは台風の目のようなものだろう。

相変わらずの日常。
バロック・ワークスの要人が次々と館を訪れ、去っていく。
数日に一度の巡視。
後は、館にこもりっきりのクロコダイル。
ミス・オールサンデーの情報によると、
何ものかがクロコダイルを陥れる動きをし、
軍のものに情報を漏らしているものもいるらしい。

だが、この館は何一つ異状はない。
クロコダイルは、
いつものように快適に過ごしているようだ。
この館の中で執務は全て行うことが出来る。
時々どこかに行くが、
その時はゾロは外で待たされるだけの事も多い。

「ゾロ、サーが外出される」
ミスター・プリンスが鞄を持ってゾロの所にやってきた。
 
 
 
 

いつもの仕事用の顔だ。
クロコダイルがこの館にこもり始めてから、
時々昼間からヤっている時がある。
それも場所も選ばず、だ。
この前、
執務室でまでシていた。

快楽にまみれ、
肌をさらして喘いでいるクセに、
今はすかしたツラしやがって。

「わかった」
ゾロが答えても、
ミスター・プリンスはすぐにはその場を動かなかった。

互いに無言のまま目が合う。
それはにらみ合いに近いものだった。
互いに敵意を込めている。
味方ではない。
なら敵でしかない。
油断のできない相手。

ゾロにはミスター・プリンスの目的が何か分からなかった。
クロコダイルに抱かれ、
乱れているようだが冷めた目をしている。
ただの淫乱じゃねえ。
コイツには裏がありそうだ。
 
 
 

「ミスター・プリンス」
クロコダイルが呼んでいる。
サンジは背中にゾロの視線を感じながらクロコダイルの元へ向かった。
サンジがこの館でどう動いてもゾロが見ている。
この前の護衛のように、
サンジを蕩けるような視線で見てはいない。
だが、刺すようなきつい視線をいつも感じる。
軽蔑と激情といら立ちの入り交じった視線。
素直にミス・オールサンデーの手足となって動くタイプではないだろう。

何故ここに?
隙があれば斬ってかかろうとしているような視線でクロコダイルを見る。
ゾロにも隠された何かがある、と思う。
だけどもし違ったら?
オレは身の破滅だ。

ここに一度入ったものは、
死ぬまで抜けられない。
オレもナミさんも、
クロコダイルの懐深く入りこんだが、
肝心の情報が得られねえ。
チョッパーの求めるものも知った。

多分、あのコンピュータからアクセスできるんだ。
執務室の机のあれから。
でもクロコダイルは誰にもあのコンピュータを触らせねえ。
もうオレはなりふり構っちゃいられねえ。
毒を食らえば皿まで。
立派な淫乱だから、
ドコででもシてもいいんだ。
だから、わざといろんなところでクロコダイルを誘う。
いっぱいシてたら、
情報が転がりこんでくるかもしれねえからな。

前だってヤられてる時に、
バロックワークスから緊急の知らせが入った。
クロコダイルはオレと繋がったままで、
アラバスタ王女ビビ捕獲の知らせを聞いた。
聞くとひとしきり笑い、
悠々と行為を続けた。

だけど、
クロコダイルにとって「ガラクタ」な品物の情報なんて、
セックスの最中に知らせる程のことではないらしい。
「反乱」とか「ダンスパウダー」の成果は、
オレとヤってる時でも情報を受けてるのに。

クロコダイルはこのアラバスタを乗っ取ろうとしている。
国取り。
壮大でイカれた計画だ。
ビビちゃん達はそれを阻止しようとして捕らえられてる。

あの檻の鍵・・・。
どこにあるのか。
オレは何にも知らねえ。
知りてえことは何もわからねえ。

ジジイの「航海日誌」。
どこにある?

疲れたな。
時々、自分が本当にただの淫乱になり下がった気分になる。

まだ「ある」のか。
もう「ねえ」のか。

見つかる。
見つける。

そのためにオレはここに居る。
 
 
 
 
 
 



NEXT