URAtop厨房裏地下食料庫

illumination

 jaune
vert
blanc
rouge
bleu

 
 

 

イルミナシオン
illumanation
 

blanc




 


 
 
 
 
 

1
 
 
 
 
 
 

「あー、ハラへった」
とルフィは寝たままで言った。
「まったく、何時なんだ、今・・・・」
ウソップはぐったりしている。
「うっうっうっうっ・・・」
泣いているビビを慰めるカルー。
「クエークエー」
明るい部屋の中でそれぞれの世界に浸る3人と一羽。
ゾロが探しつづけるルフィ達は閉じ込められていた。

ルフィたちは海賊だ。
ルフィとゾロとウソップ。
航海の途中アラバスタの王女ビビに出会った。
事情を知り、
アラバスタを乗っ取ろうとするクロコダイルの元に乗り込み、
あっさり捕まってしまったままなのだ。

「なあ、あいつ来るかな・・・」
ウソップが小声で言った。
「メシくれたヤツな!! サンジって言ってたよな」
ルフィはニカリと笑った。

秘密地下の檻の中に閉じ込められて、
どのくらいになるのかさっぱり分からない。
海楼石で作られているため、
ルフィの力も出ない。
時々バロックワークスの者がやってきて、
ビビに心変わりの程を尋ねる。
クロコダイルと協力しないかという勧め。
もっとも答えはいつも同じだったが。

「野郎ども、メシ持ってきてやったぜ」
そう言って、
その中の一人、ミスター・プリンスは上手いメシをくれる。
自分で作っているということで本当はコックだという。
色々話しているうちに本名はサンジということも聞いた。
「おーーーー。うめえ!!!
なあ、お前。こっから出れたら、
オレの船のコックになってくれよ!!!!!」
ルフィが嬉々として言う。
サンジはただ笑っただけだった。
メシをくれて、いろいろな話をただ聞くだけだ。
敵側の人間だ。
でも分かる。
敵なんかじゃないってことは。

アイツ、いいよな。
絶対、オレの船に乗せる!!
そんでもって、毎日アイツの料理食うんだ!!
ルフィは決してあきらめることなく次々考えた。
 
 
 

「あと、ナミもオレの船の航海士になってもらうんだ!!」
ミス・プリンセスは王女ビビと年が近いということもあり、
よくこの檻に来ていた。
色々話をして帰る。
もちろん説得などしてはいなかったのだが。

「ルフィ、あんたたちの仲間はこれで全員でしょ?」
ナミの言葉に皆がうなずく。
言ってはいけない。
まだ一人仲間がいることは。
ゾロと言う剣士がいることを。
オレたちは信じているから。
生きていたら、
ゾロは来る。

希望。
それさえあれば、
どんな状況だって大丈夫。
「よし、次はシャンクスのモノマネをする!!!」
ルフィの言葉にウソップは紐を取り出した。
「なら、オレは、ジャンゴだ!!
ワン・ツー・ジャンゴ!!!」
ばったり倒れるルフィ達。
術にかかり全員が倒れているのを見つけ、
ナミは駆け寄った。

みんな倒れている!!
どうしたっていうの!!
いい人たちだ。
死んじゃだめ!!
いかないで!!
バロックワークスの嘘くさいコードネームの者を仲間だと思ったことなど一度もない。
むしろルフィたちのあたたかさや、
屈託のなさがナミは好きだった。

「ルフィっっ!!!!」
叫ぶナミを見て、
ルフィは驚いた。
「あれ、ナミじゃねえか。
なんで泣いてんだよ。
オレの航海士を泣かせたやつは誰だ!!」
「ばかね、あんたよ・・・」

こんな奴は今まで見たことない。
一緒に行きたい。
ナミはそう思った。
彼等を生かしたい。

・・・ココヤシ村の宝。
それさえ見つかれば。
あたしはこんなところから抜け出せる。

この檻の鍵。
それを持っているのはクロコダイル。
鍵がなければ開かない。
鍵はおそらくクロコダイルの私室のどこかにあるのだろう。

彼等を助けられたら・・・。

このままでいいわけがない。
私も、
ルフィ達も。
 
 
 
 
 



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