URAtop厨房裏地下食料庫

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イルミナシオン
illumanation
 

vert



 


 
 
 
 
 

1
 
 
 
 
 
 

「あなたの仕事は、サー・クロコダイルの護衛よ」
目の前のミス・オールサンデーと名乗る女をゾロはじろりと見た。
「くだらねえ仕事だ」

女はにっこり笑って言った。
「三刀流のロロノア・ゾロ。
噂では、高名な剣士もクロコダイルの首を狙っているそうだわ。
貴男の探している男も来るかもしれなくてよ。
前回あなたがバロックワークス社の誘いを蹴ったことは内密にしておくわ」

ゾロは女について、
豪邸の中に足を踏み入れた。
砂漠の中にあるとは思えない、
豪華な建物。
庭には水が溢れ、
小川や噴水さえある。
民がこれを見たら何と思うだろう。
一杯の飲み水にも苦しんでいるというのに。

「あなたにはプライベートな護衛としてついてもらうの」
あの男に護衛なんているのかね。
遠巻きに見たクロコダイルの姿を思いだす。
がっちりとして堂々とした体躯。
聞けば「スナスナの実」という能力者でもあるらしい。

使用人が黙って扉を開ける。
広い天井。
床は大理石が敷き詰められている。
豪華絢爛という言葉がぴったりとあてはまる屋敷だ。
「警備の者はこの屋敷の中には入れないの。
あなたは特別に許可されたということよ」

あちらこちらに値のはりそうな絵画や彫刻が飾られている。
ゾロはそれを一瞥するとミス・オールサンデーの後に続いた。

「ここにはバロックワークスの者が出入りするわ。
貴男はクロコダイルの命を殺めようとするものから守る。
いいわね?
それが誰であっても」
ゾロは黙ってそれを聞いていた。
広い館だ。
だが、無防備にいたるところに出入り口がある。
権威者の好む、大層な建物。
どこからでも潜入できそうだ。

巨大な扉をノックすると、
静かに扉が開き、
中に招き入れられた。

執務室のような部屋の中心に椅子があり、
そこにクロコダイルは尊大に座っていた。

「ロロノア・ゾロ。
貴男の新しい護衛よ」
クロコダイルは興味なさげにゾロを見た。

「余計なマネをするなら護衛などいらぬ」
「ゾロは大丈夫よ。
あの男とは違うわ」
ミス・オールサンデーは謎の微笑みを浮かべた。

「いいだろう。
邪魔はするな」
命令しなれた尊大な口調にゾロは内心ムカついたが、
極力顔に出さないようにする。

とりあえずは、
これでいいだろう。
 
 
 

「それで、さっきの続きだ」
クロコダイルの側に立っていた、
オレンジ色の髪の少女が図面を出して説明を始めた。
その側にはメガネをかけた黒いスーツの男がいて、
やはりその説明を聞いている。
二人ともゾロとそう年が変わらないだろう。

「オレンジのコがミス・プリンセス。
メガネのコがミスター・プリンス。
彼等はレインディナーズの管理をしてるの」
「レインディナーズ?」
「カジノよ。
もっともそれ以外のことも扱っているけれど」

「それ以外のことだと?」
ゾロの眼が暗く輝く。

「そのうちに話してあげましょう」
ミス・オールサンデーは笑顔を浮かべるとゾロを残して去っていった。

ゾロは腰を降ろし、
目の前の3人をじっと眺めていた。
 
 
 
 
 
 
 



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