皇帝の正しくないチェス

第7回−ティハールにて(2002年11月6日記)


写真−7.1
【写真−7.1 ストゥーパ】

 11月4日〜6日はティハールです。

 ティハールってのは・・・、うーん、良くわからないけどお祭りです(笑)。
 富と繁栄の女神ラクシュミーを家に迎え入れるんだそうで・・・。

 ネパールの人々は3日間ともお休みです。我々は最終日だけお休みです(笑)。

 ということで、この日は自転車で散歩に出かけることにしました。
 とりあえず、目標はカトマンズ市内の北東方面です。

 まず向かった先はボダナート。
 ここにはネパール最大のストゥーパがあります。

 冒頭の写真がそのストゥーパで、仏塔のことです。台座の上に半円球のドーム、その上に目が描かれた塔、その上に円形の傘と小さい尖塔があります。
 そのそれぞれが、下から「地」「水」「火」「風」「空」と宇宙を構成する5大エネルギーを象徴しています。

 ネパール国内のあちこちに小さいストゥーパがありますが、このボダナートのストゥーパが最大のものということなのです。

 ストゥーパの周りには観光客向けの土産物屋と、巡礼者向けの線香や仏具を売る店が並びます(写真−7.2)。
 このストゥーパの周りは、時計回りに歩くのがルールでして、正面に「左に向かって歩け」と(勿論、英語で)表示されています。

写真−7.2
【写真−7.2 時計回りで歩いています。】

 写真−7.1を見てもわかるように、このストゥーパには登ることが出来ます。

 ホントに天気が良ければ、この上からヒマラヤの山々を見ることが出来るのでしょうが、微妙に霞みがかった空。
 まぁ、そこからの風景はこんな感じです。

写真−7.3
【写真−7.3 ホントはヒマラヤが見えるんだけど、この日はダメ。】

 さて、次はパシュパティナートです。

 こちらも「ネパール最大」の肩書きを持っているヒンドゥー寺院です。

 このあたりは、パシュパティナート寺院を含めて合計12の寺院が並ぶわけですが、まずは写真−7.4を見て頂きましょう。

写真−7.4
【写真−7.4 はっきりしないけど、パシュパティナート寺院。】

 真ん中やや左、木に隠れているのがパシュパティナート寺院です。

 で、写真のど真ん中に川が見えます。カトマンズとパタンの境界を流れるバグマティ川です。
 さらに川の右に煙が見えるでしょうか。

 実は数々の寺院に囲まれて、火葬場があるのです。
 この日も火葬が行われており、その煙です。
 そして、ヒンドゥー教徒は輪廻転生を信じて墓を作らないことから、遺灰はそのままバグマティ川に流されるのです。

写真−7.5
【写真−7.5 石塔が並び、その向こうにパシュパティナート寺院。】
 

 写真−7.5に見える石塔は階段沿いに並ぶのですが、その階段を登るとムルガスタリ森に入り、そして階段を下ってバグマティ川のほとりに出ます。

 このムルガスタリ森には猿がしこたまおりまして、道を歩きながら何かを食べようものなら猿に襲われるそうです。

 ちなみに私、バグマティ川のほとりで猿に取り囲まれました(笑)。
 いえ別に襲われたわけでも何でも無いんですが。

写真−7.6
【写真−7.6 とりあえずびびった、猿の軍団。】

 パシュパティナートにある寺院は、そのほとんどがヒンドゥー教徒以外の立ち入りを禁止しています。
 中をちらっと覗くと、修行中のサドゥー(ヒンドゥー教の行者)もおり、さすがに神秘的な香りを醸し出していました。

 いやぁ、この日は猿を除けば、ヒンドゥー教の王道でしたね(本当か?)。