草木泥染大島紬 テーチ木、藍以外の奄美の草木などの天然染料で染められ、古典柄な染色法に改善を重ねて染め上げた紬です。
大島紬の帯・小物etc
本場奄美大島紬は、古来より高級絹織物として全世界に高く評価されてきました。
類を見ない精巧な絣織りの技術とともに豊かなアート性が人々を魅了しつづけてきたのです。
いにしえのシルクロードの浪漫を伝える美しい日本の織物、本場奄美大島紬。
「泥染めの誕生」
奄美群島では平安の昔から上布が織られていました。自生していた麻や芭蕉の繊維だったのが、やがて、江戸中期には桑の木が植えられ、絹がつむがれるようになりました。インドのイカットがルーツとされる絣の技法が伝来していた奄美の人々にとって、紬を織ることはたやすいことでした。ところが、薩摩藩は租税としてこの高級な紬に目をつけたのです。
奄美大島では紬の着用禁止令(1720年)が発布され、奄美の人々は紬を着ると罰せられたといいます。
美しい紬を織りながら、自分では着られず上布をまとう島民の気持ちはどんなにさみしかったことでしょう。そして、泥染めはこうした背景の中から生まれたといわれています。
ある日、代官の調べを受けた農家の主婦が自分の着物をそっと泥田に入れて隠しました。後で取り出して洗ったらテーチ木で染めた茶褐色が黒く変わっていたというのが、奄美大島の泥染め誕生の伝説です。
大島紬泥んこ物語
泥んこはおもしろい?
奄美の泥は古代地層なので、粒子が丸く細やかです。だから、紬の糸を傷つけずにやさしく染め上げることができるのです。まるで、泥のおしろいのようですね。
いい泥たがいい泥染をつくる
蘇鉄が自生している土質は泥染めに向いています。だから、鉄を蘇らすと書く”蘇鉄”。泥田の鉄分が枯れると蘇鉄の葉を刻んで泥田に埋めます。蘇鉄の葉に含まれた鉄分が泥田に溶け、再び泥染ができるようになるのです。
流星が落ちて鉄分を含んだ大地に変えた
奄美大島の大地が鉄分を多く含んでいるのは、その昔流星が落ちたからといわれています。島の土が星の力を引き込んだ?そんな星のロマンをいっぱいに秘めて大島紬なのです。
本場奄美大島紬の
お手入れ法
大島紬は天然染めですので、多少泥落ちします。お仕立て前には、必ず専門業者で「湯通し」をされ、のりや泥汚れを落としてください。洗い張りを重ねるたびに、色つやが増し、いっそう美しくシックに着こなしていただけます。天然染めならではの味わいをお楽しみください。
*汚れ防止加工をすればさらに安心です。
襟アカや汗は、濡れたタオルをきつく絞って叩くようにしてふきとってください・。
*ひどい汚れは専門家へ
泥は完全に乾燥させてから乾いたスポンジ等で拭くとよくとれます。醤油、ソース、紅茶、コーヒー等をつけたときは応急処置として、すぐに軽くつまみ洗いをしますが、綿布を下に当てがい、水で湿したタオルなどで拭くようにして綿布に吸い取ってください。そして、念のため専門家にご相談くだされば安心です。
カビが出た場合は日光に当て乾燥させてから専門家にご相談くださ。
酸類、とくに酢や果汁がついた場合は、すばやくぬるま湯で洗って専門家にご相談くださ。
口紅、ボールペン、墨、インク、油などがついたき、または、ひどい汚れは素人処置(ベンジン等でふきとる)せずに、すぐ専門家にご相談ください。
お手入れは乾燥が大切です。ご着用後は陰干しをして十分風を通してください。
虫干しは秋晴れの日に。
年に一度は爽やかな空気に当ててあげましょう。秋の乾燥した日が一番です。
必ず、たとう紙に包む。
紬は生きています。密閉されると呼吸ができません。必ず、和紙でできたたとう紙に一枚づつ入れてください。
タンスに保管するときは綿布の下に新聞紙を敷くと便利です。
新聞紙が湿気を吸収します。
◎マルキ
縦絣糸だけの本数を表す単位でマルキという。
1マルキは縦絣糸80本を単位とする
例えば、大島紬の7マルキは正確には7.2マルキで(576本80本*7.2)の縦絣糸で作られている。
◎取引方法による分類
(1)誂え品
問屋の注文を受けて生産した商品
(2)市場品
自主的に図柄を選んで見込み生産された自由に販売できる商品
◎織りの種類
(1)縞・・・簡単な縞や格子柄
(2)横絣・・横糸だけで絣模様を出したもの。
(3)縦横絣・・・縦糸と横糸を正確に絣合わせして柄を出したもの。
◎大島紬の長さ、幅、量目
(1)織り上げ長さ
1疋あたり男物24.39m、女物1反あたり12.34m以上である。
(2)織り上げ幅
男物35.2cm、女物34.8cm以上である。
(3)量目
1反あたり450グラム以上である。
◎着物と何をつけるの?
着物+羽織
なにはなくとも、きものがないと、はじまりませ
長襦袢
物の下に着ます。
半襦袢+裾除け、半襦袢+ステテコで代用可能!
半襦袢(上)と裾除け(下)
長襦袢の代わりに。初めての方には、こちらもおすすめ。
肌襦袢
長襦袢(あるいは、半襦袢)の下に着る、肌着です。
U首シャツなどでも、代用できます。
また、半襦袢の場合には着なくてもかまいません。
帯
足袋
長着とは、足のくるぶしまである
長いきもののことで、
一般的に「きもの」というと、
この長着をイメージする人が多いようです。
また、その上からはおるのを「羽織」といい、
長さは様々ですが、
普通ひざ上までの物が多いようです。
また、長着+羽織を同じ布で作り、
セットにした物を
「お対」又は「アンサンブル」と呼びます。
大島紬の帯・小物