GPSの1pps(1Hz)で10MHzVCXOをロック出来るか?(Mar 27〜Oct 20. 2010)
GPS-RXを購入して使うだけではエンジニアリングを感じない。ただのGPSユーザになってしまう。GPSモジュールには必ず1PPS(1Hz)の高安定基準パルスが出ているので、これを利用して10MHzVCXO(VoltageControlX-talOsc)のロックを試みる。下は参考回路。 VCXOの出力10MHzを1/10000000分周して1Hzを得、GPSモジュールの1ppsと位相比較して制御電圧を得てVCXOを制御する仕掛け。カウンタは10進カウンタを7段カスケードに使い、位相比較はEX-ORゲートで行う。Duty50%が必要なので果たしてどうなるか。
Duty50%にならない場合は波形整形が必要になる?・・・こんなアナログチックなことが出来るのだろうか?。まぁ多少の遅延やジッタがあっても長期の周期が外れなければ問題は無い・・・などと考えていると楽しくなる。最近はFPGAやPICのプログラムが主流で、TTLやCMOSを基板上に転がす人は少ないかも知れない。 右は2010年2月20日、思い付いたように製作した基板。福井のマルツ電波には74HC162や74HC86等が無く苦慮していたが、ICケースの中を探したら類似品がありこれ幸いと実装。当初同期式カウンタで組んだが、配線数が多いのと2個パッケージされた非同期式の74HC390を発見したためこれを使うことに。また位相比較のDuty50%確保は面倒なため74HC86を諦め、ポジティブエッジトリガのFF方式内臓の74HC4046に変更した。 果たしてどうなるか・・・余り深追いしない様に気をつけよう。

御注意
以下の回路図は暫定かつ実験中のもので動作を保証しているものではありません。
また、回路と部品に定数は随時変更し、案内や履歴は特に示しませんので併せてご注意願います・・・気まぐれです。



非同期カウンタは16DIPに2個組み込まれている74HC390に変更しスペースを稼ぐ。非同期だと遅延時間が増大するが元々スローPLLなのであっさりと無視。 さらにGPS受信モジュールを乗せた(左)。実はこのモジュール、かなり集積度が高くコネクタが小さいので苦慮する。aitendo@shoppingでアンテナとセット(受信モジュール:LR9543/LEADTEK、ANT:GPSANT1575-0305)で購入するとリーズナブル。
分周出力の1秒パルスとGPS-Rxの1秒パルスを位相比較し、出てきたDCでVCXOを制御するのだが、何分も超低周波比較方式なので一体どうなるのか。1Hzで僅かなジッタが10MHzではどうなっているのだろうかと思うと、このやり方に疑問も出てくる。 ご専門の方から見たら「何とアホな事を・・・」と思われるかもしれないのは百も承知だ。
位相比較のトライステート出力は抵抗分割によるVcc/2でバイアスする事にした。比較入力へ同じ信号を入れると出力はVcc/2に固定される。その時VCXOを10MHzに合わせておく。引き込み動作はVcc/2を中心に行われるはずだが・・・どうもそうならない。現状ではで非常にゆっくりした引き込みが終わると位相比較器出力のデューティ比が50%になるが、これって正常なのだろうか?。これで10MHz±2Hz辺りに居るが、何分にもカウンタの精度を校正する術が無いので本当の所は良く分からない。

話の種にむき出しのVCXOのVoltate(V)-Frequency(Hz)特性を取ってみた。
Vcc/2である2.5Vで凡そ10MHzに調整し、そこを中心に±2VをVCXO(Varicap)に与え周波数変化を測定する。 左のグラフはその様子。ちなみに入力0.5Vでは-98Hz、4.5Vでは+65Hzを示した。また下はVin=1.5V〜3.5V部分を拡大したもの。(2010.03.27/AM10/室温14℃)

どうも引き込み動作が可笑しいのでPC(PhaseComparator)インジケータの1番Pinを監視するが、常に1秒パルスが出ている。
要するにPC動作中の意味だ。試みに同一の信号(GPS 1Hz又は10MHz分周1Hz)を分配してPCへ入力するとパルスは発生しない。
可笑しい。それでGPS 1Hzと10MHz分周1Hzをオシロスコープで比較してみたら、やっぱりその段階で可笑しい。
デジカメのシャッター速度を最低にしてその模様を撮影したのが左。
シャッター速度は最低でも1/2秒で、1秒掃引のオシロスコープでは全ての掃引を表示する事が出来ないが、50枚以上撮影してこのタイミングを得た・・・何とか状況が分かる。
それでVCXOを±50Hz程度強制的に連続で周波数を変えても、この位相が殆ど変化しないのだ。
こんな事ある?・・・いやいやあるぞ、これは予想していた事だが、10MHz付近の1周期は0.1μsだから、仮に1Hz寄せる場合を考えると、1/10000000分周したらとんでもない微小時間変化となる。年老いた情報過多の頭では回らない。
VCXO側が早いので周波数を-75Hz落として様子を見るが10分や20分の時間の経過では全く状況が変わらない。

数時間放置して位置関係がどうなるか監視する。
・・・それで新発見!。約2時間後に同様の写真撮影をすると当初は130msあった位相差が105ms程度に縮まっている。
2時間で25ms程度だから残りは8時間・・・気の遠くなるような話だ。でもVCXOの周波数は約-75Hz附近で変わっていないので、位相が揃う時にはどのような振る舞いになるのだろうか?実に面白い。
PCインジケータ用LEDを組み込み、PCトライステート出力のVcc/2バイアスは取り止め、LPF定数を変更。(2010.03.28)
電源投入時の立ち上がりタイミングがランダムで困惑する。GPS/1ppsの立ち上がりでVCXOを起動する制御回路が必要だ。GPS/1ppsの立上りをRS-FFで保持し、VCXOのインバータをNANDゲートにして発振開始制御をするとそれが実現しそう。意識的に発振を停止させて再起動を試みると、タイミングによりPC出力が大きく変化する。素早く操作してタイミングを合わせ込むとPCインジケータLEDの点灯時間が減り目的周波数へ収斂していく。しかし剥き出しのVCXOでは、室内温度の変化で数Hzの変動が伴うため、VCXO制御と温特変化が混在している状況。制御動作が遅いため、その間に両者が存在すると制御が怪しくなってくると考えているが、どうだろう。(2010.04.01)

位相比較器の入力位相を長時間監視する。 電源投入で立ち上がり位相がマチマチなので、意識的にVCXOの発振を停止(インバータ入力接地)&起動させ大まかなタイミングを追い込み数時間放置。
何時間放置しても一致するまでには至らず、写真の様に10ms程度の位相差が残る。インジケータLEDは微小ながら点灯し追い込み動作中を示す。
写真をクリックすると、PaseDetectIndicator"LED"の点灯状況を動画で見ることが出来る。内容は3秒程なのでプレーヤーは連続再生がお勧め。
LEDの点灯は位相比較動作中であることを示している。実験では完全に消える状態には至っていない。その理由を検討している・・・超スロー制御が原因なのかも知れない。
この状態で発振周波数を見ると±1Hz程度に収まっている・・・てことは±0.1ppm・・・こりゃ未だ未だだぁ。しかし時間が掛かっても10MHz±数Hzに収斂してくるのは大したものか・・・。(2010.04.02)

どうもこの季節の室内温度は変化が激しく、前述のようにVCXOの発振周波数変化が、ドリフトなのか制御結果なのか良く分からない状況に陥っている感がある。
そこで小型のOCXOをネット上で探すと、最近はDIP-ICサイズの物が製品化されていて驚く。温度特性は1E-8を補償していてこれまたビックリだ。TCXOでも良いのだが、周辺温度の急激な変化には補償が追いつかない場合がありオーブンの方が数桁優れている。
しかし新品は中古のGPS-Rxが買えてしまう程高価で本末転倒になる。ネットオークションを探しISOTMP RESEARCH社OCXO 131-100と称するOCXOを適価で緊急購入した。
制御入力はVcc/2で10MHzを発振する仕様である。実際には2.6V付近で10.0000000MHz(Vcc=5.24V)を発振した。電源を投入し暫くするとオーブンによる温度上昇で筐体が暖かくなる。
写真は早々にVCXOを撤去しOCXOを搭載した様子。裸でも0.1Hz桁の数字が動かないので、手持ちのカウンタや測定器群ではロックしているか否かも含めて評価のしようがない。
ただLPFとOCXOの整合性をとる為にDCアンプの必要性を感じてきた。回路を修正したが基板には未だDCアンプは実装していない。

ところがふと思いついた・・・1Hzオーダーでは10MHzを1/10000000分周もしていると殆どが位相の世界で、間違っても周波数を追い越すなんて事は有り得ない!。てことは位相比較器にエッジトリガJK-FF&トライステートバッファを使う必要などないと思えてきた。それから74HC4046のそれは、位相が揃い出し始める辺りからの動作がリニアでなくクリチカルに思える。さらに超スロー動作のため不特定な動作を誘発している感じもある。それで思い切って74HC4046に同梱のSetRest-FFによる比較器に変更してみた。LPF出力の収斂値をVcc/2とすることで、OCXOの入力センターであるVcc/2にそのまま整合できる。このため位相比較の入力は180度ずれた位置が収斂値となる。
実はこれが功を奏し良好な動作を示している様に見える。また電源投入のタイミングにも依存しなくなった(理由は考察中)。ただ本当にロックしているのかどうか、GPSにより精度が上がったのかどうかは測定環境が10MHz比で0.01ppm(0.1Hz)までしかないので分からない。
再び回路図を修正した。(1010.04.04)

周波数精度について適当な評価設備が無いので、オシロで位相の流れを確認する事にした。GPS-LOCKしたSG(HP8657D/正弦波)出力とOCXO搭載の試作基板からの出力(パルス)を比較する。正弦波でのオシロEXTトリガはタイミング設定がクリチカルなので、こちらに試作基板のパルス出力を入れ水平軸を駆動。一方SGの正弦波は垂直軸に入れ波形の移動速度を計測する。もし1周期が1秒で流れたら1Hzの違い(1Hzビート)と計算出来る。まず電源投入すると2次遅れで収斂する。波形は最初前方向へ移動し、次に後ろ方向へ移動し再び前方向へ進み落ち着く。だだ本件では、前方向へ僅かな移動が残った(SG側が周波数高)。何処かに何らかのズレがあると思われる。
約12時間経過で1周期の移動時間は約120秒程度に落ち着く。これは1/120=0.008335Hzと計算できる。したがって0.000833ppm=0.833ppbって事?・・・これって本当だろうか?。OCXOのスペックは±20ppbなので遥かに良好ではあるが・・・。この世界になると色々と外乱にシビアになりる。試作基板出力を1MΩプローブで観測している所へ、もう一つの同じプローブでカウンタをつなぐと移動速度が上がるのが分かり驚く。へぇーこんな事が発振周波数に影響するんだと・・・。ちなみにLFP時定数変更(1.5KΩx220μF)。
写真はHP8657D(10MHz)・Tektronix457(0.1μs/Div)・SEIKOストップウォッチ。GPSの受信状況がイマイチな部分があるので要再テスト。(1010.04.06)

オシロスコープはEXTトリガリソースにOCXO出力(矩形波)を入れていたが、水平起動する時の内部回路の動作やタイミングが気になってきた。
おそらくあるレベルをシュレッショルドとして起動掃引するのだろうが、その間にアナログの能動回路が介在するのでその特性が気になってくる。
それでオシロスコープを直接XY駆動してリサージュを描いてみた。写真はその様子。オシロスコープ内部の能動回路は増幅器しか使っていないのでより監視の精度が上がったと思われる。
ただし動きだけではRefとOCXOの位相関係、つまりどちらが先か後かが分かり難くなった。しかし、追い込みの調整はやり易くなった。
こうなると25回転のトリマーVRの1/4回転以下での違いが分かってくるので、もう少しインクレメントしないと調整がやり辛い。或いはバーニアダイアルの如き数値目盛りを刻まないと調整の方向性が掴みづらい。
これで波形が一回りしてくるまでの時間を測定し精度を逆算する。
この追い込み調整で32分経過でも1周期に至らない状況になった…あくまで短時間のチャンピオンデータだが5.2E-11まで達し、なおも経過中だが本当だろうか?。 (1010.04.14)

以前から気になっていたLPFのケミコン220μFをタンタルコン220μF(6.3V)に変更した。また電源入力に5Vの3端子Reg(7805)を挿入した。そして74HC04でXOをやらなくなったのに気付きパワーのある74LS04へ変更した。
これらに併せOffsetVRのインクレメントのために、VRのホット側とコールド側の抵抗を47KΩから75KΩに変更した。
これにより追い込み作業の分解能が向上した。VRでOCXOのOffsetをとり、Ref側の波形との位相差を一致させるのであるが、今まではドリフトの中心へ持って行くのが至難の業であった。それが比較的簡単に出来るようになった。ただ現状の75KΩ-10KΩ/VR-75KΩの構成で、25ターンのVRを使っていてもVR回転にはかなり神経を使うので、5KΩ以下に落とすか75KΩを100KΩ以上に設定するのがベターと思われる。
いずれにしてもLPFは時定数を持っているので、VRを回してOffsetを与えても最終的にOCXOが追従するまでには時間が掛るので調整にせっかちは禁物である。
なおタンタルコンに変更したことで、ケミコン時の漏れ電流が改善されたのかOffsetがとりやすくなった様な気がする。
この状態で1E-10をクリアしている。
写真は本日のボード上の様子。右下の茶色がタンタルコン220μF。その左が75KΩx2とOffsetVR。アルミ板は3端子Regの放熱板。
安定領域に入るとLEDインジケータの点滅のDuty比が50%になる。電源投入のタイミングでそれに至る時間が大幅(時間単位)に異なるが、発振周波数精度はヒートアップ時間でOCXOのスペックに落ち着き、その後追い込みが始まる。追い込み動作完了後の電源再投入時は、2次遅れで2バウンズして数分でOCXOのスペックを超え追い込み動作を再開する。衛星が受信できるまでは位相比較出来ないのでLEDインジケータは点灯した状態が続く。時々刻々と「点」と「滅」の時間が半々に近付いて行くのが実に楽しい。
現在、GPS専用Rxの10MHz出力との比較では、45分間で凡そ±90度以内を、その後2時間で凡そ±180度以内をドリフトしている。明らかに上下(前後)から追い込み制御をしているのでロックしていると見なしても良さそうである。GPS専用RXと本機はANTと受信モジュールが異なるので絶対量(それぞれ変動している)の評価は出来ないが、短時間では1E-11付近にいると思われる。

実はOffsetの調整にはコツが要る。オシロスコープに表示される波形が動かない事のみに集中していると後追いになり終着点を見出せない。 30分とか1時間の単位で動きの方向と量を確認しOffset量を微調整していく。動くからと言って追い掛けるとドツボにはまる。どのような発振器でもドリフトは必ずあるので、一定時間内におけるドリフトの方向と量を的確に把握する事がポイントと言えそうだ。 (1010.04.17)

出力は74LS04インバータ2個の並列駆動である。波形は矩形波だが完全なものではなくサグやハンプがある。また相当量の高調波を含んでいる。 写真は近傍の様子(MS8604A:center=10MHz、span:1Khz、RBW/VBW=10Hz)。約60Hzおきに不要輻射が見られ綺麗ではない。 IC-756で10MHzを聴くとビート音が濁っている。基本波比で-43dB程度だがあと20〜30dBは落としたい。 電源リップルやノイズがOCXOの制御入力をFM変調していると思われる。 アナログ回路ならではの対策が待っていて楽しい。 (1010.04.18)

ルビジウムSGのRB-2005C(NEC)を借りてきた。波形が安定領域になるために電源ON後8分程度を要する。オシロの水平トリガを試作器で行い、GPS-RXとRB-2005Cの10MHz出力をALTで表示させている。RB-2005Cは何もしない状態で1E-10〜11程度の精度と思われた。両者の動きが同じになるようにRB-2005Cのダイアルを微調整する。しかし放っておくと徐々にドリフトがあり、一体どれが神様か分からなくなる。試作器の精度もバカにならない事も分かってくる。試作器も箱に入れバーニアダイアルを付けよう。(1010.04.29)



GPS-Rx(Thunderbolt)の10MHz出力をリファレンスにして試作機のドリフトと測定してみた。
関連装置は数日間連続通電している。5分毎の位相ズレを凡そ2時間オシロスコープで測定し、その値から1サイクルずれる時間を換算、さらにドリフトを周波数として計算した。
左がその様子。何しろ超スロー制御なのでハイフレのPLLの様に瞬時の追従が出来ない。このため、この様な状況が数時間毎に繰り返されている。
Y軸が「0」付近を上下するときは±5E-11前後の精度が出ている。
この付近はGPS-Rxの精度と同等なので、どちらがリファレンスか分からなくなる。
最悪でも-2E-10付近にある模様。変動の中心を微調整して追い込めば±の偏差が均等に近くなると思われるが、瞬時に反応しない回路の調整は非常に根気が要る。
なお短時間の変化に敏感に反応して調整を行うと、追いかけっこのなり全く出口が見つからなくなる。
長時間の傾向を掴む事が如何に大切かが分かってくる。 (1010.05.8)



JK-FF・・・ずっと気になっていた。4046のRS-FFとJK-FF(トライステートバッファ)を切替るスイッチを設置した。収斂時のLEDは前者がDuty50%点灯、後者は消灯。前者は位相差分のパルス出力が5V-0V間で2.5Vを中心にVCO制御、後者は位相差がゼロなら出力ZがHiになりそれ以外では5V又は0Vを出力し方向を示す。JK-FFが賢そうだOCXOの制御電圧の中心が2.5Vだと、RS-FFの方が向いていると思っている。JK-FFは前述の如く位相が揃う前後で出力が曖昧になる傾向が見られ敬遠していたが、ここで再び浮気心。
ところがどうも可笑しい。SWを切替えても波形のドリフト量が変わらない。可笑しい!。調べると何とLPFの出力がVCOの入力から外れているではないか!。OCXOにはオフセットVRのみがつながっていたのだ。なんてこったぁ!とばかりハンダをやり直した。すると勢い良く波形が動き出した・・・当たり前だけど、何時から外れていたのか今となっては分からない。そう言えば追い込む時の1秒周期のジッタが最近感じられなくなっていた。それがしっかり再現している。スイッチをRS-FF側にして、大幅にオフセットVRを回し何とか今までの状態に追い込む。ただLPFの時定数不足で常にジッタを伴っている。スイッチをJK-FF側にすると大きく外れので今は触らない。
スイッチは中立式(中央OFF)にすると、OCXOをとLPFを切離せるのでオフセット調整がやり易くなる。(1010.05.9)



ジッタ低減のためにLPF定数を変更(1.5KΩ→47KΩ)。明らかにGPSの1ppsをOCXOの分周1Hzを追いかけている様子が伺える。
東京ラジオデパートのSS無線に発注していたケース(TAKACHI/MS66-16-23BS)が届き組み立てる。福井ではこの種のケースがパーツショップに無く通販に依存している。エスエス無線さんとは10年以上のお付き合いだ。サービスカードにポイントが付くかと思ったが通販は非対象とのこと。
組み上げたシャシにビニールシートが張られているため、その上に試作基板を載せて様子を見る。一機に波形が前に進み出した・・・正確には測っていないが周波数が高くなる方向で一桁位の悪化か・・・。この程度の静電容量の増加でドリフトすると言うことは、実装状況や周辺の温度でも影響するなぁと再認識。板金はこれからだが、がっちりしたケースで随分と雰囲気が出てきた。(1010.05.13)
その後基板をシャシに取り付け、パネルを加工した(写真)。フロントパネル右には冉調整用バーニアダイアルが取り付く。LEDは左が電源、右がPC状態表示。リアパネルはDC入力。アンテナコネクタはMMCXからBNCへ変換予定。2台あるのはW-OCXOでも組む予定だから。(1010.05.16)

秋月電子へ発注したポテンショメータバーニアダイアルが届いた。
早々に実装する。固定はパネル内側からポテンショメータを入れ付属のナイロンワッシャと金属ワッシャを挟みナット締め。前面からダイアル部をナイロンワッシャの回転防止穴に合わせて差し込み、ポテンショメータのシャフトを横から六角ナットを締めて完了。写真はその様子。
これで微調整が飛躍的にやり易くなった。今までは、トリマVRの1回転360度を4分割するのがせいぜいだったから、オフセットの精度は知れたものだった。また数値データを残す事が出来なかったから劇的である。
ちなみにポテンショメータはBOURNS社3590S-6-103でバーニアダイアル(カウンタダイアル)も同社のH-22-6M。秋月電子では大変リーズナブルに供給している。 (1010.05.18)
位相比較をJK-FFに切り替えて様子を見た。RS-FFの収斂点はLED表示がDuty=50%。切り替えると波形が流れ出す。電源再投入を数度試みてOCXOの分周出力とGPS出力の位相を粗調・・・短時間の点灯になるように。それで時間が経つと点灯時間が微小方向に収斂していくが、完全消灯に至らない・・・初期の実験と同様。オフセットが適正でないと収斂してもゆっくり動くので微調整して動きを吸収。短期間だが1.8E-10。(1010.05.21)

JK-FFで暫く様子を見ると相応に良好に思えた。ところが電源を再投入するとロックがはずれOCXO制御電圧が端に張り付く現象が発生。良いときは良いのだが、悪いときは悪い。立ち上がり条件でその後が支配されてしまう傾向が分かった。
発振の立上げを揃える回路を組み込むのは大変(以前からの課題だが・・・)。それで止む無くRS-FFに戻し、これを標準設定とする事にした。こちらでは必ず所期の状態に戻ってくるので間違いない。長時間通電をしながら時々覗くと、10MHzで1周期ズレに要する時間が10数分程度で安定している。仮に10分だとしても1.67E-10をクリアしている。
またRを47KΩに上げたLPFの時定数は余りにも大きいため、元の1.5〜1K程度に戻して様子を見ている。ポテンショメータ側に47KΩを挿入してZを上げているのでジッタは目立たない。(1010.05.24)
ひょっとしたらオフセットをつけなくても収斂するのではと気付き、ポテンショメータからの配線を外した。
外しても波形は殆ど動かないのでやったぁ!と思った。ところが数時間たってから覗くと超スローだが左方向へ動いている(26日)。そして翌日、更に本日も同じ速度で左方向へ動く。平均して1E2-10程度の安定度は出ているが、動く方向が左方向(10MHz+)だけと言うのが気に入らない。やはりオフセットを与えたほうがベターなのだろうか・・・。
ちなみにGPS-ANTを抜くとその状態を維持する。また電源を10秒程度オフしてから再投入すると、波形は右方向(10MHz-)に大きく動き、RXから1pps出力が出るまで約10秒、その後引き込むまで10分以上を要している。(1010.05.28)
GPSモジュールのANTコネクタはMMCX(J)だ。このコネクタに同軸ケーブルをつなぐには専用工具が必要で容易にはできない。
MMCX(P)コネクタ付きケーブルをネット上で探すとSzParts.com のサイトにRG174相当のケーブルを使ったMMCX・オス・ストレートコネクタ・3mを発見。\390だが、これだと部品を買い集めるより相当安い。
このコネクタケーブルを購入し、手持ちのBNC(Jレセプタクル)と併せて変換ケーブルを製作した。
BNCレセプタクルは3C相当で、RG174相当ではサイズが合わずちょっとした工夫が要る。3C同軸の被覆を切り出しRG174相当ケーブルに被せる裏技でサイズ合わせを行った。
背面パネルにアンテナ用と10MHz出力用(こちらは先バラ)に処理されたBNCコネクタを取り付けた。
これで綺麗に箱に収まりようやく普通にオペレーション出来る状態になった。
しかし、10MHz出力をプローブ(1MΩ)受けから50Ω受けに変更すると、表示が右にゆっくりと流れ周波数が低くなる…何なんだろう。
50Ω 終端を外すと元の状態になる。こんなにシビアな負荷特製なのかと改めて1E-10以下の世界に驚く。これには何らかの対策を行う必要があり、宿題がまた増えてしまった感がある。

背面パネルにはデータI/O用にステレオミニジャックを取り付けたが配線はこれからだ。
RS-232C⇔ロジック変換のMAX232Cチップをマルツ電波で探したら何と\7百超。普通は\250前後だから、仰天し財布の紐が締まったままだ。GPSモジュールから直にロジックレベルでI/Oするか、RS-232Cチップ経由でI /Oするか検討中だ。
ロジックレベルをRS-232Cへ変換する9PinD-Sub〜バラのコンバータがどこかに転がっていないだろうか…これだとミニプラグの細工だけで済むのだが。
写真右は現状で取り合えずカバーを被せ、Thunderbolt内臓のGPS-Rx(下)の上に乗せた様子。
GPSアンテナ出力はマスプロの2SPF/csで2分配し、Thunderboltと試作機へ導かれる。
10MHz出力は、前者はオシロスコープの水平軸トリガへ、後者は垂直軸へ入力される。
BS/CS分配器の低域f特は、殆どの場合5〜10MHzまで伸びているので、ケーブルをFコネクタで処理すれば、TV共聴部品で対応できるので大変便利だ。(2010.05.30)

以前から最も気にしていた事に電源ノイズによる不要スペクトラムの存在と、PLLへの影響がある。 それで本日思い切って電源をNiHバッテリ(13.2V/8Ah)にして駆動してみた。 すると今までの悩みが一挙に解決することが判明。 写真は通電9時間後、10MHz出力(TTL)をスペアナ(50Ω)で観測した様子。10MHzの近傍を1KHzスパンでRBW=10Hz/VBW=10Hzでみている。
前回の測定では60Hz毎にFM変調されたスペクトラムが散らばっていたが、バッテリ駆動では皆無である。
またロック状態がより明確になり2時間の観測で見られる周波数ドリフトは±180度(半サイクル)未満で格段に改善される。
仮に2時間で1サイクルのドリフトだとすると1/60x120=0.00014で10MHzに対して1.4E-11を示している。 ドリフトはほぼ上下対称に変動しPLLが機能している様子が伺える。
この数字は、一時的と思われるが一緒に連続通電しているルビジウムSGより勝っている。今後はDC電源のノイズ低減が求められる。(2010.06.02)
翌朝、バッテリ通電18時間後、強烈な太陽の光がガラス窓で拡散されて部屋に侵入している。気温は30℃程度ある。この状況では1.9E-10程度と一桁低下している。(1010.06.03)

PCのモードSWをRS-FFに固定していたがJK-FFが気になっていた。そこで今まで一度も試していなかったが、Digi-Keyで入手の74HCT9046でJK-FFの動作を確認した。配線は現状のままで、RbはOpen、PCP/LEDは未配線(後日対応予定)・・・JK-FF出力が辛うじてPin番一致。
モードSWを中立にしOFFSETで非制御時のOCXO出力を限りなく10MHzに合わせる。次にモードSWをJK-FFに倒し様子をみる。するとどうだろう、74HC4046のJK-FFでは流れ出した波形の動きが緩く、時間経過とともに収斂動作が確認できた。
写真はオシロスコープのEXTトリガにGPS-Rx(Thunderbolt:sin)、1chに試作機出力(TTL)、2chにルビジウムSG出力(sin)をいれALT表示させている。
3者のどれが神様か分からないので波形の動きを見て、例えば表示波形が両者同時に同じ方向へ動く場合はEXT入力が動いていると判断する。
ちなみに直近2時間で5E-11程度を示した。シングルオーブンのOCXO単体では望めない数字だ。 ところが電源を再投入すると収斂先が1桁程度悪化する場合がある。実はこれまでも同様で原因特定に至っていなかった。ロックしていないのではと思えてくる。また、電源投入タイミングでf外れもあり評価が難しい。 ところでこのオシロスコープ、垂直軸(50Ω終端)f特は20MHzなのでTTL信号が随分と波形がなまっている。(2010.06.06)

やっぱり可笑しい!。電源投入でfズレする事がままある。何しろ位相比較するチャンスは1秒毎だから、10KHzや1KHzとは桁違いにチャンスが少ない。理屈を考える前に再び4046に戻しRS-FFとJK-FFを選択出来る状態にした。これでRS-FF運用で従来の状態に戻った。電源投入によるf外れ現象は回避された。
なお、GPSモジュールの1pps出力はTTLレベルなので、インバータ2個によるバッファは取り止め直接PCへ供給した。10MHz出力にはバッファを追加しパワーアップを図った。(2010.06.18)

紆余曲折したがPCはRS-FFに決定する。切替SWはあるので、また浮気するかも知れないが・・・。丸一昼夜通電後にドリフト方向を確認しオフセットを微調整。これを数時間かけて行った後の実測値は、10MHz出力が1周期ずれるのに要する時間は2時間程度(1.4E-11)になった。
オフセットの必要性に疑問をもたれる向きもあるかも知れない。ただ本事例は1Hz(1秒毎)のサンプリング・チャンスしか無いのと、非同期カウンタの多段接続による遅延などがあり、PC出力にどうしても誤差が出来てしまう様に思えて来たのだが、どうだろう。24時間通電の信号源としてはまずまずの状況になって来たと考えている。
現在RS-232Cへの変換ケーブルを作成中なので、近日中にGPSデータのモニターを試みる予定。また電源ノイズ・リップルの除去のために、TrとRC回路によるリップルフィルタを電源入力に挿入する予定。(2010.06.20)
GPSデータモニター(NMEAモニター)は、基板上にRS-232CインターフェイスICを用意し、TTLレベルをRS-232Cに変換して取り出すのも手だ。
しかし、あいにく手持ちが無く単身赴任先で探すと\250程度のモノがその3倍もして苦慮する。
それで、携帯電話からPCへのデータ転送ケーブル9-KEを秋葉原の千石電商から入手(\400)し改修を加えた。
携帯電話側の特殊コネクタをステレオミニPlugに交換するだけである。
一方、基板からはGPSモジュール(TTL)のTxdとRxdをTTLを背面パネルに設置済みのステレオミニJackへ配線する。
TxdとRxdの取り出しは電源と1pps出力同様に、プラグ(ケーブル側)の入手が叶わないので直接半田付けした。
コネクタサイズが非常に小さいので細心の注意を要する。
左はPCに表示させたNMEAモニター画面(画像をクリックすると拡大する)。
この詳細については別ページGPS-NMEAモニターで簡単にまとめている。(2010.06.21)

以前にも記したが、負荷変動によるドリフト量の変化を確認してみた。
基板から約2mの同軸を経由してオシロスコープ入力端で50Ω終端している。この状態から50Ω終端を取り除きオープン状態にすると、波形は左に動き出し周波数が高い方向へドリフトする。
そのドリフト量は10MHzが1周期動くのに約50秒を示した。これは2E-9程度となり、凡そ1桁悪化する値になる。
それで負荷をオープンにした時にバッファアンプ(インバータ)の電力消費が増えて、電源電圧に変動を及ぼしているのかと思い、OCXOの制御電圧を測定すると変化が見られない。ちなみにこの変動量をOCXOの制御電圧で意識的に作ると2mV前後の変化量に相当する。しかし負荷を変化させてもOCXOの制御電圧には変化は見られない。VCCラインの変化も同様だ。では一体・・・何?。しかしmVオーダーの管理は経験的に大変。だって普通の電源のノイズやリップル値より遥かに低い値だから・・・。バッファを別電源にしたり、再びバッテリ駆動するなどして検討してみる。また出力に20dB程度のATTを挿入すると、負荷が終端でもオープンでも変化量が激減する・・・当たり前だが。(2010.06.30)
もう一つのOCXO(Double Oven)を使いVCOを試作した。
ヒートアップ後微調整すると数時間程度の短期では1E-10をクリアする。
しかし、翌日には2E-9程度に1桁落ちてしまう。
再調整し1E-10をクリアさせても、時間が経ち翌朝見ると再び2E-9程度に落ちる。
窓際に置いてあり、すりガラス越しに日光を受けるので、周辺温度の変化は大きい。
ただし何もしなくても2E-9を維持しているのOCXOの威力で確かにスゴイ。
写真は記念に撮影したGPS-Locked(Controled)OCXOとのツーショット。
基板上はOCXOと3端子Regを中心とした電源関係の部品しか乗っていない。
OCXOのV-Ref出力(7.5V)とポテンショメータで制御電圧を作りOCXOのV-inへ制御を掛けている。
将来、空きスペースにはGPS受信モジュールや制御回路を組み込む予定。(2010.07.07)

位相比較(PC)ICの4046を差し替えるとどうも様子が可笑しい。LPF出力にオシロスコープに当ててみると驚き。手元に4個の4046があるが、その種類により様子が異なるのだ。4046チップの文字表示を正確に読むとCD4046BEとCD74HC4046AEとある。
マニュアルを見たら前者にはRS-FFが組み込まれていない、初期のC-MOSだった…何てこったぁ!。今までは同等品と思い、とっかえひっかえやってきたので何が何だか分からなくなってしまった。
て事はCD4046BEの場合はフリーランだったんか!…思い込みってのは怖いものでお恥ずかしい限りだ。
それでRS-FF内臓型のCD74HC4046Aに乗せ換えて見たのが右の波形。そう言えばこの様なジッタの出たり出なかったりを今になって思い出している。
オシロスコープEXTに10MHz/Rb-SGを入力し水平駆動、垂直に試作器OCXOの10MHz出力をつないでいる。1秒毎にOCXO制御が行われているが引込みに至らない。右に引き戻されながらも左方向(周波数が高い方向)に流れている。
長時間通電してもこの状態で落ち着いているので、これにオフセットを与えれば動きの中心をスケール中央に維持しジッタ量も低減できる・・・。ただどうしてオフセットが必要なのか制御ループ系をもう少し真面目に診る必要が出てきた。たとえば何所かで遅延がある分おオフセットが必要になるとか・・・何しろ1pps(1Hz)比較では1秒に1度のサンプリングしか出来ないから。(2010.07.13)

立ち上がりのタイミングでGPS-1ppsと分周1Hz位相差が180度付近にあると右の様にジッタのスイングの前後が均等になってくる。
この状態でも前方向に動いているのが分かるが、上の例に比べるとずっとおとなしい。
これを見ているとやっぱりOCXOの制御電圧にリップル分が残り、時間軸方向のジッタを生んでいる。やっぱり徹底したLPFが必要と思われる。1秒に1回のチャンスでは余りにも条件が悪い。(2010.07.14)

時間軸方向のジッタ気になりLPFの時定数を拡大してみた。ワニ口でCをOCXOの入口に抱かせた。容量を段階的に増やしていったが、右は10000μF抱かせた時の様子。負荷からの影響を考慮しえ低Rで構成していたLPFだが、時定数を拡大するために高Rにする必要があるかもしれない。
ジッタは低減されても相変わらず波形は2E-8程度で高い方向へ動いている。一瞬立ち止まる感じも変わっていない。このままOCXOにオフセットを与えたらジッタの中心を目的周波数にもって行けると思う。しかしそうするとPCの出力が代わってくるからOCXOの制御値が変わってくる・・・何か無限ループに陥りそうだ。ちなみにEXTトリガ元のRb-SGの周波数はここ暫く校正していない。(2010.07.15)

御注意
以下の回路図は暫定かつ実験中のもので動作を保証しているものではありません。
また、回路と部品に定数は随時変更し、案内や履歴は特に示しませんので併せてご注意願います・・・気まぐれです。



再出発
暫く更新が滞っていた。その原因は約1ヶ月同じGPSの1ppsを利用したVE2ZAZの基板を実験していたから。実験は満足できる結果となった。
その際にOCXOの駆動は低Zで、Detectorの受けは高Zにすべきと痛感。それでローノイズOPアンプをバッファにしたLPLF&バッファ回路を組み込む事にした。(2010.09.14)

OPA2705の代替にLM358を使ってLPF&バッファ回路を組み込む。Rは100KΩとした。Cは当初2.2μFとしたが、1秒毎に1/4周期程度のジッタが残るので、思い切って前段のCのみ220μFに変更すると目立たなくなった。
約9時間通電後の状況(RS-FF)は、ThunderboltのGPSリファレンスに対し、右方向(周波数低い)へ動き、1周期ずれに要する時間は14秒程度となった。 OPアンプバッファによりHi-Z受け、Low-Z送りが可能となるため動作に安定感が出てきのが分かる。
なお電源投入タイミングにより、GPS-Rxの1ppsと10MHzOCXO分周の1Hzの位相関係は不定のため、立ち上り毎に位相比較出力が大きく変化するのが難点。 この状態で暫く通電を続け変化を見ることにする。
写真はLPFにOPアンプバッファを実装した様子。時定数用CRは基板底面に実装。ピンクのSWは上がRS-FF/JK-FF切り替え、下はOCXOのON/OFF-SW。OCXOの立上りはこのSWで行うがタイミング確認はオシロスコープが必要なので厄介。(2010.09.21)

24時間経過後の翌日。波形の流れる方向は右で変わらないが、1周期に要する時間は30秒程度に改善。(2010.09.22)

24時間以上経過した翌日の午後。波形の流れる方向は右で変わらないが、1周期に要する時間が大分改善された。
左の動画は10秒間の様子を撮影した模様。1Div移動するのに10秒程度要しており、1周期で見ると約100秒となる。
それ以降、様子を観察していると127秒(7.9E-10)に達するときもあり、全体としては改善方向へ向かっている様に思われる。
過去の経験から、限りなく追随する筈だが、追い付き追越すことは無かったので、どうなるか興味がある。
それにしても気が長くないと出来ない作業だ。また位相比較のインジケータの赤LEDが、デューティ比50%で点滅するのが気持ちが良い。
位相比較:74HC4066のRS-FF出力、オシロスコープEXT(Ref):Trimble Thunderbolt 10MHz(SignWave)出力。
この後LPF後段のCも220μFに変更。そしてGPS/Manual_SWを取り付け配線。
ところが電源再投入すると前述の通り立ち上がり位相が不定で極端に変わる。この対策を講じないと時として調相に時間が掛り苛立ちが募る。何しろ1秒に1回のサンプリングしか出来ないので、ロックレンジが極端に狭い。GPS-Rxの1pps出力に正確に同期起動させるOCXO制御が本当に必要になってきた感がある。(2010.09.23)

オリジナルGPS1ppsロック(左)とVE2ZAZのFFL(右)を位相監視用のオシロスコープの上に乗せて様子を診る。 動画はその模様を10秒間撮影したもの。なまった矩形波が前者で正弦波が後者。
オリジナル側はあいにく起動時の立ち上がり位相が良くなく、追い込みに時間がかかり上の動画の精度まで達していない。これだと1周期ずれに要する時間は約15秒で6.7E-9程度である。
OCXOの立ち上がりをしっかりと管理すれば良いのだが、実は冷え切った時とそうでない時など、様々な条件があるため簡単には行かない。オリジナル機最大の欠点と言える。それも引き込み範囲が極端に狭く、起動時にその範囲で立ち上げるのはかなり厄介である。
ヒートアップ後に1ppsの立ち上がりに合わせ、OCXOをリスタートする回路とセットボタンを組み込めば良いが(今は完全手動で対応)、オシロスコープ等でのモニターが必要になる。
これは1秒間に1回の比較(サンプル)チャンスしかないためと、1Hz台での位相変化がもたらす10MHzでの周波数変化が極微量(追い込みに膨大な時間)であると言う決定的な問題がある(CoffeeBreakに記述)。
Rockwell社のGPS受信モジュールJupiterの様に10KHzの出力があればこの問題は比較的簡単に解決すると思われる(暫定回路を下に追記)。
したがって、ここでは1ppsのパルス間隔でOCXO出力(10MHz)をゲートし、パルス数をカウントして偏差を追い込むVE2ZAZ方式が確実と言える。
近々「Jupiter」を購入してテストを行う予定である。写真はCを10μFにして意識的にジッタを見易くしている。(2010.10.11)

御注意
以下の回路図は暫定かつ実験中のもので動作を保証しているものではありません。
また、回路と部品に定数は随時変更し、案内や履歴は特に示しませんので併せてご注意願います・・・気まぐれです。




まとめ
上記の如く紆余曲折に8ヶ月を費やしてしまった。思い違いや想定外の連続であったが良い体験が出来た。
最終的に1Hz(1pps)の位相比較は、直近に記した通り、1秒に1回のチャンスしかないサンプリングでは、追い込みに膨大な時間を要し非現実的と判断する。ただし常時通電出来UPSがある環境なら使えない事も無い。
右の動画は1ppsロック(矩形波)とVE2ZAZ(正弦波)の最期の比較を10秒間収録したもの。両者とも1周期ずれに要する時間は100秒程度(1E-9)となっている。リファレンスはThunderboltであるが、波形は見事にほぼ同時に流れているので、ひょっとしたらリファレンス側も変動しているのかも知れない。なおこの場合、LPFの前段のみCを100μFにしてジッタを押さえてる。
これから先は一部組み換えて、10KHz出力のある受信モジュール(Rockwell/Jupiter TU30)を使ったGPSロックに挑戦する。(2010.10.20)
Coffee Break
RF Design NoteのK氏へ1Hz比較について打診したところ…以下の返事を頂戴した。
@周波数位相比較器PFDでは、Ref周波数でサンプリングする様な形で動くため、1Hzでは非現実的で無理なのでは。
A経験では、VCXO 10MHz±100Hz の可変範囲で Ref 周波数3.2KHz で、最悪(1周期ずれ)で30秒以上のロック時間を要した。
B1Hzを逓倍して 3KHz程にできれば 30秒位でロックインできるが、1Hzから3KHzを取り出すことは容易ではない。

…それで、GPS Ref(1pps)と10MHz/OCXO/10000000分周(1Hz)の位相関係を電源投入時から長時間(日オーダー)監視しても、その差は縮んで行くが同相或いは追い越すまでに至らない。
OCXOの10MHz出力を意識的に±数Hz振って放置しても同様だ。 仮に+10Hzしても、1Hz段階では10000010Hz/10000000=1.000001Hz。同様に-10Hzなら、1Hz段階では9999990Hz/10000000=0.999999Hz。即ち10Hzの変動が1Hz段階では±0.000001Hz(0.001mHz)の変動にしかならない。OCXOは1ppb(1E-9)程度の安定度があるが、10MHzに対して0.01Hz(10mHz)。てことはどう見りゃいいのかこの世界は。周波数ずれと位相ずれ…ますます分からなくなって来た。

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