ATU SG-230の保守と考察(May 18, 2008)

リニアアンプのメンテナンス中に、ダミーロードに切替えるのを失念し、誤ってATUに500Wを放り込んでしまった(3.5MHzで数秒間Keying)。ハッと気付き直ぐ取り止めた。特に問題は無いように見えたが、後で調べるとローバンドでのチューニング位置が変わってしまった。TRCVからフルパワーを送り込める位置に同調しなかったり、バンドチェンジして戻ると元の位置に同調しなかったりで可笑しい。
ややトホホの最中、晴天も手伝いこの日屋上で8年振りにSG-230の蓋を開けてみた。写真はその様子。見た目には特に問題も無くリレーの粘りも正常だった。ところが上部の高圧インシュレーター(エレメント端子)内側のリード線固定部分が黒っぽい。リード線末端はラグ端子処理され、ナットで締め付けている。リード線を動かすとラグ端子ごと容易に回った。これはまずいと言う事でレンチで動かないように締め付けた。これで運用してみると明らかな改善がありローバンドでも問題なくなった。本当にここが悪かったのか?・・・しかし間違いなく放電痕がインシュレーターのナットやボルトにあった・・・。
現在のアンテナはλ/2長のエレメント中央にATUを挿入した3.5MHz傾斜型ダイポール。これで各バンドに強制的に同調をとっている。3.5MHzやその奇数倍のバンドは電流給電だが、偶数倍のバンドは電圧給電になり、インシュレーター周辺には相当の高電圧が発生する。

・・・と言う事で給電点をややずらしたWindomアンテナを試そうかと考えている。これまでATUに整合の全てを依存してきたが、ATUをいたわる意味とコモンモード輻射状況の変化を考慮し、電流給電への統一を考えたいと思っている。
Windomアンテナのエレメントは、短片が約14mで長片がを約28mとモノの本にある。これを現在の傾斜型環境でやろうとすると高い方に14m、低い方に28mの設定となる。ところが低い方が8m分張れなくなるのでこれはベンドするか、隣の自動車工場にお願いして塀をお借りするか・・・色々と想像が巡る。
このSG-230は東京勤務中の2000年頃、やはり誤ってハイパワーでドライブし抵抗やDBMを壊した前歴がある。その後始めて内部を覗いたが基板は非常に綺麗だった。

余談だが、過去の経験からRF検出部やDBMに導く部分の定数変更や高電力化、さらに電流腹給電を併用すれば、相応の耐電力のアップが出来そうな気がしている・・・。

ところが・・・その後やはり動作が可笑しい。チューニングが完了しないのに完了LEDが点灯しチューニング動作を停止させてしまう。結局日本通信エレクトリックさんの力を借りる事になり修理依頼となった。以下SG-230関連サイト。
SG-230関連情報
SG-230の故障と修理履歴
SG-230の修理・運用性改善他
SG-230の保守と考察
ATU運用時のノイズ対策
スマートロックを自作する
スマートロックを自作する2
SG-230用隙間ケーブル
SG-230を使ったデルタループ&バーチカルシステム
SG-230用コモンモードチョークコイル(CMC/CFM)
LDG社のATUキットAT-11