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KAMWOOD SYNDROME
〜とある神林狂いの日常〜

■過去の日記29(`04年1/1〜1/23)

<ふりむけば……>
 昨年末に比べれば、やや復調したものの、やっぱり「旬記」ペースですな(^^;;)。せめて「週記」くらいにはしたいものですが……って、コレを書いている時点で2月も後半に入ってるあたりで、既にダメダメな気配が(^^;;;;)。

 あと、セレスタンから始まった「神林キャラの食べっぷり」の話題については、もうちょっと語る予定だったのですが、諸事に追われて更新しそびれているうちにウヤムヤになってしまったしなぁ……。
 「食欲」=「生きる力」という観点で見ると、『グッドラック』終盤の「最後の晩餐」は、それぞれのキャラ立ちがハッキリ現れていて、かなり面白いんですよ。

(2004.01.12 kayako拝)

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君は生きのびることができるか?(1/23)

 (前回に続く)自分で書いておいてなんですが、セレスタンにせよ、深町さんにせよ、「雨が降ろうと槍が降ろうと、明日のためにメシを食う男」と言ってしまうのは、厳密にはちょっと違うかもしれません。メシ食ってる当人は、別に「明日のために」なんて意識しているわけではなくて、ただ、「いつも通りに」しているだけ*1なのかも。でも、それがわたしには「カッコイイ」と映るのですよ。
 自分のこの感覚がどのあたりから来るのかと思い返すと、どうも、幼少時に『銀河鉄道999』*2あたりで「いかなる時にも食べる気力を無くさない者だけが、今日を生き延び、明日を手に入れることができる」ってな考え方を刷り込まれていたようで……

 で、話は神林に移るのですが、神林作品群の「食事」のシーンは、「生きていることを実感させてくれる強力な現実感覚」(『ライトジーンの遺産』「ダーマキスの皮膚」より)という意識が根底にあるというようなことを以前(03年4月21日の日記)にも書きましたが、この「現実感覚」というのは、「生命力」と置き換えてもよさそう。
 つまり、「雨が降ろうと槍が降ろうと、メシが食えるヤツ」というのは、『999』風に言えば、「生きる気力をなくさず、最後まで生き延びるヤツ」であり、神林流に言えば「何があろうと(自分にとっての)『現実感覚』をなくさないヤツ」とでも申しましょうか。
 そこからいうと、 (おそらく)全神林作品中最大の大食漢であるアプロは、単純に言うと、「最強の生命力を持つヤツ」となりますな。もっとも、「猫には七つの(九つだったかも)生命が…」というくらいですから、「生命力が強い」と言ってしまうと「当たり前じゃん」ということになりますので、そこでちょっとひねって「最強の『現実感覚』を持つヤツ」という表現をすると「神林風味」になるのかも。

*1:反乱を起こしたシーバットを追跡するべく燃料補給中の乗艦「たつなみ」に、副官の速水三佐が「たっぷり食っとけよ」と話しかけるコマの直後に、黙々と丼メシ食べる深町艦長、とか、たつなみが沈んで(ネタバレにつき反転)、ストーリーからいったん退場した後、久しぶりに一コマだけ再登場したときも、やっぱりメシ食ってたりとか。登場場面に比しての食事シーンが特に多いわけではないのでしょうが、なんか「ここぞ」というところで、印象に残るんですよね。それも、深町さんご本人は特に気負った様子もなく、「ごく当たり前のように」大食いしてるところが、またポイント高し。

*2:詳細はもう記憶の彼方ですが、999号に何らかの危機(海賊の襲撃とか)が迫る!という状況下、メーテルに食堂車に連れていかれて、「味なんてわかんねーよ」って言いながらもしっかりビフテキ食べる鉄郎に、「それでもいいのよ。こういうときに食べることのできるヤツが生き残るんだから」ってメーテルが諭す(勿論もっと上品な言葉遣いで(^^;;))、なんてシーンがあったような……


自己ツッコミ(1/14)

 「黙っていれば二枚目で通りそうなハンサム」だけど、口を開けば(しゃべるとか、たべるとか)銭形警部か深町艦長って、高嶋ジャベール?(^^;;) ……また読者を選ぶネタを振るなっての。>自分

 それはともかく、セレスタン・エアカーン氏を見ていると、私的「カッコイイ男」のタイプの一つに「雨が降ろうと槍が降ろうと、明日のためにメシを食う男」というのがあったなぁ……なんてことを、思い出すのです。もう、ずいぶん長らく忘れていたんですけどね(^^;;)。
 ちなみに「雨が降ろうと槍が降ろうと、明日のために〜」の惹句は、その昔手に入れた『沈艦』同人誌の中で、深町艦長に対して捧げられていたもので、あまりにツボに入ったもので、十年以上経った今も、そのフレーズだけは忘れられません。

 前回の日記に書いたように、わたしのオツムでは、「情報」に絡んだ理屈やウンチクは皆目理解できなかった(^^;;)、『A級の敵』ですが、「食うこと」に関しての物語だと見なして、「食う」とはどういうことか?といった観点から読み直せば、また違った発見があるのでしょうか?
 なんといっても、今回の巻頭言は「この世に食えないものはない」ですし。


ま、またご無沙汰してしまいました(^^;;)。(1/12)

 正月休みは家族サービス(^^;;)につぶれ、仕事始めからの一週間は昨年から続くシゴトに追われ続け、ようやくの連休は、やっぱり家族サービス(^^;;)……と、昨年暮れと変わらぬ 日々でございます(^^;;)。シゴトも、家庭の方も、せっかく峠を越えて油断した途端、自分のミスでゴタゴタ発生てなことが多発しちゃって、運気の低い年明けです(涙)。
 #なんでも、昨年か一昨年あたりから「大殺界」とかいう時期に入ったらしいんですが、まだ明けないんだろうか…

 そうこうしている間も、ヒヨコ舎さんからの新刊は順調に発行に向かっているようだし、OVAは海外版(北米版?)がリリースされるようだし、堺雅人さんは大河ドラマに出るし*1(シュミに走りすぎないように。>自分)……と巷の雪風&神林関連の話題は絶えず、一方、わたし個人の方も、年末の『敵は海賊・海賊課の一日』に引き続き、『敵は海賊・A級の敵』を読了いたしました。

 感想は……まず第一には、「どうしよう、これでシリーズ全部読み終わっちゃった」(^^;;)。
 ああ、これでわたしも、『敵海』シリーズを待ち続けてキリンになっちゃう読者群の仲間入り〜〜〜。
 作品自体の感想としては、正直、『情報』絡みの理論や理屈はまったく理解できなかったのですが(^^;;)、にも関わらずサクサク読めてしまったというのが、驚きです。「読みやすさ」の理由が、キャラ立ちなのか、台詞回しのテンポの良さなのかは判りませんが、「神林初心者に勧めるなら、『敵海』シリーズがオススメ」って意見にようやく同意する気になれました(笑)。いや、今までは、「え〜? このシリーズって、『海賊版』とか『憂鬱』とか、結構難しいじゃん」って思っていたのですよ(^^;;)。
 それはさておき、センスタンのビジュアルイメージが「銭形のとっつぁんをちょっと若くした感じ」もしくは、「深町艦長(@『沈黙の艦隊』)」なのはワタシだけでしょうか?(^^;;) 小説の描写を読む限りでは、「黙っていれば二枚目で通りそうなハンサム」なのかもしれませんが、どうしても、むさ苦しい印象が残ってしまう(^^;;)。なんつーか、大口開けて丼メシかっこんでる姿とか、あとは、「生涯の敵(ライバル?)」の名前を、暑苦しいだみ声で呼んでそうなところとか、実際には作中にそんなシーンは登場していないのに、なんかそういう姿が目に浮かんでしまって……。
 「途中から本編の本筋とは離れちゃうんだけれど、生きのびるために『自分の持ち場』をしっかり守っている(で、結局生きのびる)ところ」なんてあたりにも、ちょっと深町さんっぽいな〜……なんて。
 あとは、最後には「とにかく生き残れ、そのためなら、敵との共闘も辞さず」という大義名分以上に、(共に危機を乗り越えた)海賊たちと過剰に一体感を感じちゃってるあたり、『グッドラック』終盤でのエディスに通 じるものもあるのかな……なんてことも思いました。あのエディスを指して、作者が「だんだん壊れていく」と表現されたとき(SFM99年5月号収録のSFセミナーでのインタビュー)、正直、違和感を覚えたのですが、それはエディスが取り込まれていくのが「主人公側」だったから、「壊れる」よりも「まともになっていく」という風に読んでしまっていたのかも。作者にとっての当初のエディスは、ラクエシュにとってのセレスタンがそうであるように、零&特殊戦にとっての「敵役」的な位置づけだったとすれば、アレは、そりゃあ「壊れる」だよなぁ……と、今頃になって納得したり。

*1:ついこの間、沖田役をやってた(映画版の『壬生義士伝』)人が、今度は山南役というあたりに、改めて今回のメインキャストの年齢層の低さを意識したり……(^^;;)。そういや、同じく映画版『壬生〜』で斉藤役だった佐藤浩市も、今度は芹沢役になってますね。


帰還(1/1)

 シゴトとか、シゴトとか、シゴトとか、もひとつおまけにシゴトとか、更にもう一声シゴトとか、並行して病気のママンの相手とか、観劇とか(おい!)、冬コミとか、年賀状書きとか……ともかく、ここ1ヶ月あまり、オフラインで怒濤のごとく押し寄せてきた諸々の用事がよ〜〜〜やく一段落して、なんとかネット復帰出来ました。
 ……が、あまりにご無沙汰していたせいで、文章の書き方を忘れてしまった(冷汗)。

 と、とりあえず、この1ヶ月の間に、通勤時間や移動時間を利用して『敵は海賊・海賊課の一日』を読了、現在『A級の敵』をチビチビと読んでおります。
 『海賊課の一日』は、過去の『敵海』シリーズ中で一番読みやすかった……ような気がします。とりあえず、読み始めてから読了までの時間が、(このシリーズの中では)最短記録。『猫たちの饗宴』方式というか、「連作短編」っぽい形式のせいでしょうか。
 あとは、台詞の端々に『グッドラック』を意識させられるところがあったりするのも、楽しめました。
 零がエディスに対して「君が整備士だったなら、さぞかし完璧な整備を……」って言い出すくだりで、正直、初読時は「妙な発想をするヤツだ」なんて思っていたのですが、『海賊課の一日』での、整備主任のフェイとラジェンドラのやりとり(こちらの方が発表されたのは、SFM連載でエディスが登場するより2年ほど早い)を読んで、「ああ、こういうことだったのか」って改めて納得。
 あとは、昼食会会場に雪風と共に現れた零に、エディスが「ショーの演出?」って皮肉るのは、高級レストランに詫びを入れるのに、わざわざラジェンドラを使ってどハデに乗り込んでハッタリ効かせるラテルの行動が下敷きにあったからなのかな……とか。

 『グッドラック』との関連で興味深い描写といえば、現在読んでいる『A級の敵』では、なんと言っても「ヨウ冥流A級知性とのつきあい方」でしょうか。
 かの海賊とカーリー・ドゥルガー(これも、まさしく「荒ぶる女神」の名ですな)の関係は、零と雪風の関係の「辿り着くかもしれない理想形」かもしれません。
 もっとも、私見では雪風の方はともかく、零ちゃんの方が、ヨウ冥の境地には(あらゆる意味で)到底達せないような気がしますので(^^;;)、彼には別方向で雪風とのおつき合いを深める道を探っていただきたい……なんて思っています。


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