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KAMWOOD SYNDROME
〜とある神林狂いの日常〜

■過去の日記32(`04年4/1〜4/25)

<ふりむけば……>
 えーと、「見た目は」、月複数回の更新です(^^;;)。久しぶりに長めの考察(というほどご大層なもんじゃありませんが…)も書けたおかげで、ファイルサイズも約半年ぶりに15Kを超えましたし(YooEditファイルでの測定)。
  待望の『麦撃機の飛ぶ空』発行、入手、増刷のニュース……と話題は豊富だったにもかかわらず、このテイタラクですから、もう言い訳のしようがございません。
  これを下回るには、もはや「0」しかないという状態なので、いくらなんでもそれはないとは思いたいのですが……
  あ、でもファイルサイズではまだ「下」がありますね(^^;;)。ちなみに、このファイルのサイズを今チェックしてみたら、5800バイト弱。ヘッダーやフッターを除いた正味の文章は2700バイト程度ですが、一日あたりの文章なら、もっと少ない日もあるから、こちらの方では記録更新もありだな……って、そんな後ろ向きな方向でチャレンジャーにならんでもいいって。>自分。

(2004.06.03 kayako拝)

 ……と、ここまで書いておきながら、どうやらアップし損ねたまま、4ヶ月近くもHDに眠らせていた模様です(^^;;;;)。昨日ファイル分割作業に入った際「kam32.html」というファイル名で保存しようとして「このファイル名は既に存在します」ってアラートメッセージが出るまで、このファイルが存在していることすら忘れ果てておりました……(脱力)。
 思うに、上記日付の頃にこのファイルを作り、「次の更新時に一緒にアップしよう」と思っていたものの、結局6月は一度も更新しなかったもので、いざ「次の更新」が7月にあったときは、既にファイル分割のことは忘れ去っていた……といった事情ではないかと。
 なんというかこう、言いたいことや言わなくちゃならないことは色々あるような気もするのですが、まぁ、「休止〜一生気づかないままサイト閉鎖」なんて流れになるよりは、カッコ悪くても、後から気づいてガックリする方がいいのかもしれません(^^;;)。

(2004.10.01) kayako拝)

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OVA4巻(4/25)

 22日夜に入手済みでしたが、シゴトと野暮用に追われて、日曜深夜になってようやく観られました。
 なにはともあれ、池田昌子様の衰えぬ気品に溢れた麗しいお声に感涙ですよ。 オードリーのようにお茶目で、メーテルのように少年(^^;;)を励ます……これだよっ(握り拳)。そんでもって、零と初対面でのジャクスン女史のあの一言!

 メーテルが堺ボイスを褒めてる !<ちょっと違う(^^;;)

 もう、ワタクシ的には、あの1シーンだけで、スタンディングオベイションものでございました(笑)。

 いや、内容の方も、「ほんまに1巻と同じスタッフが作ってるんだろうか?」と疑ってしまうほど(^^;;)、面白かったですよ。なんたって、「雪風ってのはこんなに常識外れな機動ができるんだぜ」ってのが、画面でハッキリわかるんだもん!! ご丁寧に、作中のキャラの皆様もちゃんと驚いてくれるし〜。4巻目にして初めて、iBookの小さい画面(14inch)で観てるのが惜しいって思いました。
 ああ、本当に、なんでこれが一巻から出来なかったのかと……(以下略)。


『麦撃機の飛ぶ空』読了(4/20)

 やっぱりインパクトのあるのは「射性」「麦撃」の二作でしたね。前回(4/3)の更新後、ちょうどこの辺りにさしかかったところで、また中東情勢の報道が騒がしくなったもので、なんだか落ち着いて読めなくなってしまって、結局読了するまでずいぶん時間がかかってしまいました。
 でも、個人的に一番ツボだったのは、世間的にはおそらく評価の低いであろう「いとしのリューラ」だったり(^^;;)。
 石堂藍さんには「わからない」と言われてしまったリューラの恋人殺しの動機ですが、ワタシとしては、「彼のことは好きだけど、彼を好きな自分を許せなかったから」、言い換えると、「自分以外の他人に心を捕らわれている状態に耐えられなかったから」だと考えると、すごく納得がいくんですけどね。
 リューラが本当に殺したかった、消し去りたかったものは、「恋人」ではなく、「恋人を愛している自分自身」だったのではないかと。じゃ、「自分を殺せばいいじゃん」ってことにもなりますが、そうはいかないんですな(^^;;)。そもそも、「『誰かに心を捕らわれている自分』を消し去りたい」衝動ってのは、「相手に捕らわれていない部分」の方が「今までの自分」を維持しよう、生きのびようとしているあがきなわけですから。
 「恋愛」を「自他の境界が曖昧になること」と定義すれば、「誰かに恋をすること」というのは、「自分の一部ないし全部が他人と融合してしまうこと」であるわけで、それって、ある意味では「得体の知れないエイリアンに『自分』を乗っ取られる」のと同じことになりません? 「エイリアンの侵略」との違いは、自分がそれを喜んで受け入れるかどうかと、後、相思相愛の場合は、自分自身もまた、相手に対して「人格を乗っ取るエイリアン」になってしまう、ことくらいで。
 なんとなく、神林という作家は、「恋愛の成就」に対して、「誰かに自我を乗っ取られる」「誰かの自我を乗っ取ってしまう」という恐怖を感じていて、そのどちらも拒否していたんじゃないかな……という気がするのです。
 「人間同士が触れあえば燃え尽きてしまう」という設定の『抱いて熱く』(『小指の先の天使』収録)なんて、正に「恋愛の成就」=「死」という話ですし。『敵は海賊・海賊版』でヨウ冥がシャルを撃たなければならなかった理由や、『蒼いくちづけ』のOZが「大切なもの」を持とうとしない理由も、「海賊だから」「サイディックだから」じゃなくって、そもそも彼らが「他人と自我の一部を共有する関係に耐えられない」気質だから、海賊やサイディックのような「他人とディープな関わりを持たずに済む稼業」をやっているんじゃないかな……と。
 だから、旧『雪風』の(作者曰く)「零さんが雪風にふられる」という結末は、作者的にはむしろ「ハッピーエンド」だったのかも。あそこで、雪風が(零が望んだように)零と「心中」して、「零の想いが成就」してしまうことの方が、作者にとってはより「恐ろしい」ことだったのではないか……という気がするのですよ。
 とは言っても、近作の『永久帰還装置』あたりでは、そういった「恋愛恐怖症」的な傾向はだいぶ治まっているようですが。その理由の一つは、『グッドラック』終盤で語られた「愛」の定義、「相手を他者と認めつつ、自己の一部であると意識すること」の前半部分に気づいたからでしょうか? どんなに「ひとつ」になったと感じても、それで、自分や相手の自我や意識が完全に消滅してしまうわけではない、と思えるようになったからなのか……。
  あとは、作者の「死」に対する感覚が変わった……「恐怖感」が薄れたから、というのもあるのかも。『グッドラック』でも、『永久帰還装置』でも、「恋愛の成就(相手と一つになること)」によって限りなく「死」に近づくという構図*自体は、依然として存在しているように感じられますし。ただ、「死」はすべてを消去してしまうものではなく、十全に生きた生のゴールであるというか、自分が死んだ後も何かが残る、少なくとも自分自身は「充分に生きた」という満足を抱いて消えてゆくことができる、という清々しい感覚があるから、「恋愛の成就」=「死」を怖れずにいられるのかもしれない。

 ……って、「愛しのリューラ」だけを読んでる分には、そこまで考えるのは深読みのしすぎだとは思いますが(^^;;)。

*:「愛はさだめ、さだめは死」@ティプトリー的感覚とでも申しましょうか?
  あの話も、読む側の意識によってアンハッピーエンドともハッピーエンドとも取れると思うし…


しまった!(4/3)

 4/2付け更新、増刷情報にソースをつけるのを忘れていたです。まぁ、例によってSFマガジンの新刊・増刷情報からなんですけどね(^^;;)。まだ早川書房のサイトでもAmazonやbk1でもでも在庫ありにはなっていないようなので、検索等でここに辿り着かれる方のためにも、情報源は常に明記しておかねば……
 というわけで、4/2の日記にも追記いたしました。

 昨夜は久々の更新疲れで床に就いてすぐ入眠してしまったので、『麦撃機の飛ぶ空』は読めず。前夜に読んだ「ファントム」の結末がよくわからなかったので、もう一度読み返すつもりだったんだけど、二晩も経ってしまうと、もはや「なにがどうわからなかったのか?」の記憶も曖昧です(^^;;)。でも、ショートショートだから、一から読み直すにもさほど時間を食わないので大丈夫(笑)。長編の場合は、さすがに「頭から読み直し」というわけにはいきませんので、該当部分の少し前あたりから…になるのですが、そうするとそれぞれの場面 で何が起きているか自体はわかっても、話全体がどうなっていたのかつかみ損ねるということがしばしば(^^;;)。
 #『死して咲く花、実のある夢』なんてまさにこのパターン。
 正直なところ、当初は「すぐ読み終わっちゃって物足りなくなりなそう」なんて思っていたのですが、今のところは、「ショートバンザイ!」な状態です(^^;;)。作者からしてショートカットヒロイン好き(?)なだけに、ある意味では正しいfanの姿かも?<ちがう(^^;;)


4月の神林情報(4/2)

 さてさて、Web上では引きこもっていたこの3週間の間にも、神林関連情報は色々動きがあったようですね。特に今月は、
 ・『膚の下』単行本(早川書房)刊行
  (Amazonではもう予約が始まっているみたいですね。)
 ・『あなたの魂に安らぎあれ』『帝王の殻』『Uの世界』(以上ハヤカワ文庫)増刷
  (4/3追記:SFマガジン5月号掲載情報)
 ・OVA4巻リリース
  (こっちも、Amazonで予約が始まっているな〜、今度のジャケットはリン・ジャクスンですか)
 ……と、「春の神林祭」いよいよたけなわ、といったところでしょうか。思えば、この3ヶ月は、2月の『天国にそっくりな星』復刊、3月の『麦撃機の飛ぶ空』発行と、一昨年の夏のOVA一巻発売時に並ぶ「月刊神林長平」状態だったんですねぇ(しみじみ)。2月末には「増刷情報がない〜」と嘆いていた『帝王の殻』ですが、結局、新刊&OVAとの合わせ技で(?)4月に出るようで、まずはめでたいです。
 とはいえ、『あな魂』の表紙がどうなっちゃうのか…という不安はありますけどね(^^;;)。現行の佐藤道明画伯の表紙が大好きなだけに、本音を言えば替えて欲しくないのですが……。


あ゛〜、もう四月ですか〜〜…(4/1)

 >シゴトはさほど忙しくはない

 な〜んて言った途端に忙しくなるというのはよくある話で(^^;;)、前回の更新をしたまさにその日から、ごっついシゴトが入ってくるは、「家庭の事情」の方にも小さな事件が続発したりちょっとした新展開があったりで、あっという間に3週間が過ぎてしまいました。深夜残業や休日出勤は一番忙しいときほどではないのですが、家にいる時間の大半を「家族の会話」ってヤツに割いていると、「言語発信力」の大半を使い切ってしまうようで、ようやく一人になってMacちゃんの前に座っても、何も文章が浮かばない(^^;;)。相変わらず友人知人へのメールも滞りっぱなしですし〜。
 なんというか、もうすっかり「世捨て人」とか「ひきこもり」気分でございます。いわゆる「社会」と呼ばれるシロモノ──「職場の上司・同僚」だとか、「家族・親戚」だとか、行きつけの店だとか病院とか施設だとか──との関わりは、現在の方が遙かに濃密なのに、なんででしょうね。積極的にサイトを更新していた頃の方が、「リアル」の身体は、職場の同僚や家族とはほとんど口をきかなくて、よっぽど「引きこもり」っぽかったのに……。もしかして、わたしにとっては、「自分の興味のあることを(自分自身をも含めた「誰か」に)語ったり、誰かの語りに耳を傾けたりする場」……つまりは、このWebのようなところこそが「本来自分が属する世界」なんでしょうかね。オタクとはそういうものだとはいえ、なんか、自分がそうだと改めて実感させられるのって、あんまり嬉しくない……(^^;;)。

 なんて感慨はさておき、『麦撃機の飛ぶ空』は、3月も終わろうという30日の夜からようやく読み始めました。
 改めて言うのも野暮ですが、ホントに装丁が良いですよね〜。ページを開かずにケースを眺めているだけで3日くらいお腹いっぱいになりそうというか。いや、購入してからケースすら取らず、Macちゃんの隣に放置していたことへの言い訳ではなく(^^;;)。事実この3週間あまり、更新しようとしても気力が湧かず、ぼんやりとweb巡回している合間にこのカバーが視界に入るだけでも、すごく気分が和むというか、楽しませて貰っていたですよ。なので、いよいよ「読むぞ」と意を決してカバーを取るときは、ちょっと緊張したです。 で、中をみたら……かわいいっ! かわいすぎっ!! もう、反則だよ〜〜(バンバン<床を叩いている)。
 絵師さんお手製による作中登場マシンの模型というと、徳間版『今宵、銀河を杯にして』の横山宏表紙がありましたが、こんなに違ったテイストになるとは〜〜〜。でもって、中にも挿絵が! 神林作品は、単行本になると挿絵がほとんどつかないので、メチャメチャ嬉しい。
 あー、この絵師さんにマヘル描いて欲しいなぁ……。ハヤカワ文庫初版の源文マヘルの後にこの絵柄だと賛否両論かもしれないど、今の『銀杯』の表紙からなら拒否反応少ないと思うぞ〜。ハヤカワさん、次の増刷のときにはご一考を!
 あまりのかわいらしさに、通勤ラッシュの電車に持ち込むのが忍びず、寝室専用書籍として夜寝る前に少しずつ読むことにしました。更に今日は、「保存用」にもう一冊買っちゃったりして(爆)。久しぶりに渋谷のブックファーストを覗いたら、まだ平積みしているんですもの〜〜(^^;;)。ヒヨコ舎さんのサイトでは、品切れや追加注文が多くて増刷中(おめでとう!)とあったので、なければ諦めるつもりだったんだけど……。折しも3週間続いたシゴトが一段落&前日は給料日という解放感も手伝って、他にも2冊ほど衝動買いしてしまったです(^^;;)。こっちを読み終わるのはいつになるだろう……


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