良い子は信じちゃいけません
超偏向極私的 各話解説
(ウド編)

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3話「出会い」

いよいよ3人組が登場。この後2回をかけて、打算と下心を大いに秘めつつも、キリコを抱き込みチーム結成へ…という下りは、物語の展開は非常にゆったりしているにも関わらず、もう文句ナシに面白いです。
が、しかし! この辺りはキリコちゃんの動きが乏しいもんで、彼に視点を据えていると、「話の流れ」も、「見ドコロ」も全然見えなくなっちゃう(^^;;)。 「キリコとフィアナ」に視点を集中して語るわたしとしては、この辺りの面白さをヒトに伝えるには、「とにかく見て!」と言うしかないのが、ツライところ……(^^;;;)。

ともあれ、例によってキリコちゃんの行動のトレスから……

◆キリコの行動フローチャート◆ チャートのみ呼び出す

ゴミ捨て場でゴウトに拾われる >> ゴウトの住処で食事を奢られる。ココナと対面。

>> スクラップのATをねだる >> ATの修理*1。バニラと対面。

>> 修理完了。ブーンファミリーと対決 >> 「戦場」酔い*2
「飛び交う銃弾と炎、めまい、きな臭い懐かしさ。おれはこの時戦場に戻っていた。ボトムズ*3と共に──」

 

え〜、*1では「ATの修理」の一言で片づけちゃいましたが、実は3話におけるキリコの行動のほとんどが「これ」なんですよね〜(^^;;)。
それと並行して、治安警察の新署長としてイスクイ氏登場とか、ブーンファミリーの脱走者狩りとか、ファミリーと手を切ろうとするイスクイの思惑とかが描かれるんだけど、つまりはキリコちゃんのいないところで物語が展開していっているの。それでいいのか主人公!
とは言え、「主人公がAT修理してるだけ」のシーンも、またなんとも言えない趣があるんだな〜。
どうみても「町中の解体場」のゴウトの住処で、スクラップのATが組み上がってゆく過程に、けっしてメカフェチとは言えないわたしにも、ATが「自動車・バイク」感覚の機械(マシン)なんだってことがヒシヒシと伝わっちゃう訳です。専門のハカセだとか、メカニックじゃなくって、「町工場のおやっさん」と「その辺の兄ちゃん」がワイワイお喋りして、酒の一杯もひっかけながら、作れちゃうようなシロモノなんだって。
夕方になって降り出す酸の雨の中、ラジオから音楽が流れて…ってシーンもいいなぁ。
ジャズっぽい曲が、妙に「ノスタルジックなモダン」とでもいった雰囲気で……。
この頃、ウドで流行っていたのはこういうタイプ(ジャズ系)の音楽なのかな?

ATが「進駐軍のジープ」だとするなら、「終戦直後の荒廃した世相、いかがわしい闇市の街」に流れる音楽は、やっぱりこういう曲でなきゃ……ってことなのかしら? カントク初め作り手の方々は、それよりもう少し下の世代のような気もするのですが……

音楽って言えば、前回のブーンファミリーの宴会場で流れていたのはモーツァルト風のクラシックでしたが、あれは、首領さんのシュミなのでしょうか?(あのヒト、わりとそういうスノッブなところありそう)

……っとぉ、話がだいぶ脇道にそれましたね(^^;;)。修正修正。
*2、炎の中でクラクラ来ているキリコちゃん……これって、いわゆる「脳内麻薬大放出状態」ってヤツ? 当時のスタッフの談話では、あのシーンのキリコちゃんに、完全ラリラリ状態で「哄笑」させるって案もあったらしいですね。……ゴステロ様?(ダーク・シュナイダーの方がはまるかな?) でも、実際には、かなり淡々とした感じでしたね。
キリコが「戦争中毒患者」というのは確かなようですが、思うに彼にとっての「戦争」って、「麻薬」は「麻薬」でも、「ハイになる」系ではなく、「鎮静剤」系なんじゃないかな〜。「切れたら苦しい」のは同じでも、使用したからと言ってハイテンションになるわけでなく、傍目にはやたら落ち着いて見えるという……
#あ、でも、次の回の冒頭では「悪酔い」してたな〜。
生憎ドラッグの種類については疎いんで(^^;;)、具体的な名前は上げられませんが。強いて言えば、キリコにとって「戦い」っていうのは、「酒」と言うよりは「タバコ」なのかな?
切れたから、或いは過度に摂取したからと言って、別に暴れるわけではないし、それさえ与えておけば「大人しい(キリコ本人の状態に限って言えば)」し……。
ただ、その分「抜く」ことは難しいだろうし、そもそも「戦争」ほど「刺激の強い」ものを、「タバコ」レベルにしてしまうことの方が、より「重症」と言えるのかも知れません。

おっと、「対暴走族戦」については何も言ってませんが……別に、いいですよね? まさかここに来て、「メカ」や「バトル」についての語りを期待なさる方はいらっしゃらないでしょうから(^^;)。


*3:本編中でキリコが「ボトムズ」って口にしたのって、後にも先にもこのときだけかも。


フィアナフリーク、ちょっとだけ語る。

この後しばらくは、「今日のフィアナさん(ファンタム・レディ)」状態ですね(^^;;)。

キリコちゃんがゾクを相手に楽しく(?)ドンパチやってるところに、偶然のように通りかかった1台のリムジン。後部座席の主は謎の美女(EDでも「美女」って出てるも〜ん!)……イイですねぇ(*^_^*)。
眼前の修羅場にもその美しい眉ひとつ動かさず、「まっすぐに進みなさい」と、命じるクールな声音もステキ! あぁっ、わたしはあの運転手になりたいっっ!!(免許持ってないけど(^^;;))
彼って、ウド編では一番フィアナ……というか、ファンタム・レディのお側近くにお仕えしてた人間なんじゃないかしら? 羨ましい……

ところで、この回のEDによると、この時の「美女」の声は弥永さんではなく、「梨羽雪子」さんだとか。声だけ聞く分には「別人」だとは判りませんが、本当に「別人」なんでしょうか?
『ボトムズ』って、わりとレギュラー級の声優さんが自分の役の出番がないときも「モブ」で出演なさっていること多いですよね?
ゴウト役の富田耕生さんも、1話の初っ端でいきなり「ロッチナの通信相手」として出演なさってるし、イプ役の上恭ノ介さんも、2話でファミリーの一人(割とハンサム)をアテてるし……。速水奨(ポタリア)さんとか、二又一成(グラン)さんとかも、もうほとんど皆勤賞。政宗一成さんなんて、シャッコの前にも「名前付き」の役(オリヤ大尉)なさってるし……。
さて、かの「梨羽雪子」さんですが、2話のモブの女性役でいらっしゃるようですが、その後レギュラーというか、「名前付き」の役を演じられた形跡はないようですね。
で、何の根拠もない推測なんですが、この方、もしかして弥永さんの「モブを演じられるときの役名」ってことはないですか? それが、何かの手違いで「美女(笑)」を当てた時も、そちらの名前がテロップに使われてしまった……とか。

 

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