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へヴィメタルを聴くと頭が悪くなる

自分の身に照らして、そのとおりかもしれないなという気もするけど、ちょっと違うような気もする。
この言い方には、何というか、意図的な捻じ曲げが加わっているように思えます。

「へヴィメタルはバカが好む音楽」とか「へヴィメタル好きには頭の悪いやつが多い」とか、そういったあたりが原文ですね。

捻じ曲げが加わっていようがいまいが、こっちにしてみれば、「はいはいバカでごめんなさい」と頭を下げるしかない話なんですが、この原文はどこか投げやり粗雑であまりデキがよろしくない。
そのままだったら警句としてここまで広まることもなかったでしょう(ここまでって、実際どこまで広まっているのかは知らない)

メタルを聴くと頭が悪くなる、と言い換えて、世間に広めたのは、たぶん「こちら側」の野郎どもです。

「そうなんだよ、昔は勉強ができたんだよ」だの
「ここだけの話だけど、実は俺、天才って呼ばれててさ」だの、
すぐにバレる法螺を吹く野郎がこちら側にはけっこう多い。

似たようなので「タバコを吸うと耳が悪くなる」なんてのもありますね。
使い道はもちろん一緒。
なので喫煙者には音楽語らせないほうがいいです。
「昔は俺もモーツァルトだった」みたいなのばかりです。
馬鹿馬鹿しくてきいてられません。



モーツァルトを聴くと頭が良くなる

不況にあえぐ音楽業界がまたずいぶん苦しい惹句をひねり出したもんだという最初の感想から、いや、これはそんな単純な商売の話じゃない、というふうに考えが変わったのは、つい最近のこと。

話はちょっと飛びますが、「コンピュータウィルスなんてのは引っかかるやつが間抜け」と、何年か前までは思っていました。
すべてのアイコンをイカとタコに変えてしまうとか、そんな他愛のない子供のいたずら風ウィルスのことしか頭になかったせいです。

自分が仕掛けたいたずらで世間が大騒ぎになればそりゃ面白いだろ、で、警察沙汰にまでなったあげく捕まった作者に対しては、内心ひそかに、ああ気の毒にとか思ってみたり。

ただ昨今の現実はといえば、はるかに巧妙でたちの悪いウィルスのほうが多いらしく、加害者被害者に対するこちらの見方も少しずつ変化してきてはいます。

ところで。
「1日3錠食後に飲むだけで英語ぺらぺら」とか「これで宝くじに当たりました」とか「コラーゲンたっぷりおはだすべすべ」とか「独自のorz処方」とか、世に出回っている商品の惹句ってのは大体ウィルスみたいなもんですが、クレジットカードの番号を引っこ抜いたり送金を強要したりするような陰険なタイプのコンピュータウィルスとは明らかに違います。

営利目的であることに違いはないとしても、そのウィルスによってトクをするのは誰か、最初から正体がほぼ分かっているうえ、どんなに胡散臭く見えても、「嘘だと証明できるならしてごらん」と明るく笑い飛ばしながら開き直っているようなものが多い。
中にはあっさり嘘と証明されてしまうものもあるようですが、「事実ごときで証明できても、科学ごときで証明できても、それはお前らが証明できたと思い込んでいるだけ。くやしかったら法律で証明してみろ。できるもんなら逮捕してみろ。裁判やって勝ってみろ。やーい、やーい」と、どこまでも明るい。

カード番号を引っこ抜くコンピュータウィルスが下水道を這い回るアンダーグランドウィルスとすれば、こちらはオーバーグランドウィルス。
表通り大通りを、明るく愛嬌ふりまきながら跳ね回っている感じ。
調子に乗りすぎて逮捕寸前、こっぴどく説教くらったりなんてこともたまにあるけど、それもまた御愛嬌。

で、本題。
いま現在の自分は、穏健で優等生的なモーツァルトファンのような気がするんですけど、必ずしもそうじゃなかった時期がありまして。
アンチとまでは行かなくても、モーツァルトの音楽に対してはいくらか距離を置いていた。
ちょっとだけ、ですけど、アンチの気持ちが想像できる。
アンチからすればモーツァルトの音楽なんてどうでもいいんですよ。
ただモーツァルトファンを堂々と自称する人たちの言動が気に食わない。
できればおちょくってやりたい。

「モーツァルトを聴くと頭が良くなる」
これだけだったら、そこらじゅうにバラまかれている営利目的オーバーグランドウィルスの一匹にすぎないんですが、実は他のいくつかとセットでバラまかれていたんですね。

「モーツァルトの音楽を流すとマイナスイオンが・・・」

うわ、そういうことだったのか。
これは営利目的のオーバーグランドウィルスじゃないでしょ。
もちろんアンダーグランドでもない。

お調子者で、超オーバーグランドだけど、断じて営利目的じゃない。

「引っかかるやつが間抜け」
アンチが仕掛けた、いたずらウィルスですよね。

世界中のいろんなところで、アンチモーツァルトたちがこれをネタに爆笑し合ってる。
結果としては敵方の兵力増強しちゃってる気もするけど、そんなことはどうでもいい、と、これはアンチ側の気持ちになって考えてみればわかること。

逮捕される危険なしでもこんなに面白いいたずらができる。
感動ものです。



おくすりをおみずでのまないやつは・・・

自分は主にカフェオーレで飲みますが、メタルきいてるような馬鹿の話なんかどうでもいいですよね。

たとえばハンバーガーショップで、「おくすりのみたいのでおみずください」と客に頼まれ、店員は「そのコーラでええやん」と言えるでしょうか。
あたしは言える、という人がいたとしても、やめてください。
そういう店には馬鹿でも行く気になれません。

長距離便の機内で、怪我人か急病人が出た場合はどうでしょう。
機内にはたまたま医者がいて、「大量の真水が必要。出来るだけ集めてほしい」と。

積んであったペットボトル全部ひっぱり出して、洗面所のタンク空にして、それでもやっぱりちょっと足りなくて、仕方なく客席に配ってあったペットボトルまで回収はじまったところで、「おくすりのみたいのでこれは」と供出を渋る客が、一人、二人、五人、十人と・・・

客室乗務員はぶちキレて、「てめーらに飲ませるおみずはねーんだよ。おみずでなきゃ死ぬってやつだけ名乗り出ろ。他はおビールくれてやるからそれでテキトーに飲んどけ」と、言えるでしょうか。

言ってほしいなあ。



タバコを1本吸うたびに25mgのビタミンCが破壊される

たび重なる値上げと排斥運動のおかげで、今はせいぜい1日20〜30本ですけど、最盛期は80〜100本を灰にしていました。

この1本25mgの伝説はいつごろ生まれたんでしょうね。
1日100本吸っていたころにはすでに知っていました。

たしか元ネタは、「1日20本吸う喫煙者のビタミンC体内備蓄量は1500mg、非喫煙者の備蓄量は2000mg」というようなもので、1本25mgとはずいぶん隔たりがあるんですが、そのことをあれこれ突っ込んでもあまり意味はありません。

何にしてもこちらの負けですね。

実は、この1本25mg伝説は、とうの昔に死に絶えたと思っていました。
検索してびっくり、以前よりもはるかに活発に、まことしやかに語られている。
この事実をもって、喫煙者は敗北を認めるべきです。

ことはすでに FINAL SOLUTION の段階に入っているように思えます。
どうあがいてもこちらに勝ち目はありません。

禁煙は、現代社会の要請です。
どういう事情による要請かといえば、たぶん大都市集中化とグローバル化。
(細かいこといえばいろいろありそうですけど面倒なのでこれ以上は書きません)

要するにタバコを吸ってはダメなんですよ。

「うそをついたら口が曲がる」「ひとの悪口を言ったら口が腫れる」「夜更かしをするとバカになる」・・・
これらは、世の中の秩序を保つための、放縦に歯止めをかけるための、いってみれば善玉ウィルスです。

「1本25mg」もたぶん善玉ウィルスなんだと思います(出自は怪しいけど現状はもう善玉と呼ぶ他ない)

「嘘をついたら口が曲がる」では、まともに取り合ってもらえなくても、「人間が嘘を言うときに分泌されるDK2ホルモンが腸の蠕動運動にブレーキをかけて便秘になる」と言えば、何割かはうっかり真に受ける。

つまりはそういうことです。

20才こえた相手に「タバコを吸うと背が伸びない」では通用しません。
「1本25mg」は成人用です。
まず善玉ウィルスの必要ありき、で、選ばれたのが「1本25mg」なんですから、これの疑義なんて正したところで何の意味もありません。

以下のような置き換えで悪あがきする人もいるかもしれませんが、やめたほうがいいような気がします。

「喫煙者」=「ユダヤ人」
「1本25mg」=「シオン賢者の議定書」〜(この計算、まるでなっちゃいないんだけど)
「嫌煙者」=「ナチス」〜(論拠なんぞどうでもいい。事実500mg少ないんだ。殲滅決定!)

喫煙者迫害はホロコーストと一緒じゃないか!!

この種の置き換え論法はいろんな場面で適用可能なので、そのうち別なかたちで自分の身にかえってきます。

「原発推進派」=「ユダヤ人」
「シーベルト計算法」=「シオン賢者の議定書」〜(この計算、まるでなっちゃいないんだけど)
「原発反対派」=「ナチス」〜(論拠なんぞどうでもいい。事実放射線は出ているんだ。殲滅決定!)

原発反対運動はホロコーストと一緒じゃないか!!


というわけで。

タバコ吸いたいなら田舎に行ってください。
喫煙はもはや田舎者のすることです。

自分は初めから田舎者なので今のところ問題ありません。





どうでもいいけど追記。
大した考えもなしに「シオン賢者の議定書」のことを書いてから、「そもそもこれって何だっけ?」と自問。
ごくごく大雑把なところは知っているつもりでいたけど、よく考えてみれば殆ど何も知らない。

検索してみると、まあ出てくるわ出てくるわ。
こんな面白すぎる話があっていいのか。

「困ったことに、陰謀論となると、急にわくわくして目を輝かせるバカが大量生産されている」
というようなことが、どこかに書いてあった気がします。

ここに馬鹿がまたひとり追加生産されてしまいましたごめんなさいと謝罪する気になれないのは、完全な新規追加じゃないような気がするから。
ただ、ここまでスケールのデカい陰謀話が世界中で語られているとは知らなかった。

おすすめはしないけど、とりあえずいくつか紹介だけしときます ↓

https://sites.google.com/site/sugimotweb123new/zakki-chou-01/iruminateinotop
http://revisionist.jp/lectures/000.htm
http://iroiro.alualu.jp/sekaisi/sofia/sofia_top.html

この歴史を裏からじゃなく表から見たときによく登場してくる医者が一人います。
何となく惹かれるものがあったので、ちょっと調べてみました(→)




もうひとつ、この陰謀論に首を突っ込んでいる途中で浮かび上がってしまった課題。。

長年、気づいてはいたけど適当にやりすごしていたこと。

スメタナのモルダウとイスラエル国歌はなんであんなに似てるのか?