クリックするとホームページに戻れます。
自称:音楽愛好家
 
第20章 Life with a dog
2000/03/23 (木) 0:22

上司が日本に一時帰国している間、彼の犬を預かった。
名前はパスティス。
ゴールデンレトリバーのメスで、今年で3歳になったばかりである。
なかなか可愛い顔をしているが、少々おてんばなのが玉にキズ。
他の犬に闘争心をむき出しにしてしまうところが困った点だ。

オランダで犬を飼ってはいけないマンションや借家はほとんどないと思われる。
当然、自分の住んでいるマンションにも多くの犬が住んでいる。
悠々と散歩している姿をよく見かける。みな、お行儀が良くておりこうだ。

パスティスを飼って気づいたのだが、散歩する時に綱をつけていない人が結構多い。飼い主のまわりをウロウロするが、他の犬にほえたり、飛びついたりはしない。家の近所に散歩ゾーンがあるが、他の犬のケンカというのを一度も見なかった。

パスティスは臆病なせいもあるのだが、他の犬に飛び掛ってしまう。
こと、人に対してはおおらかなオランダ人も、犬に対しては厳しい。
というよりは、飼い主のしつけに対して非常に厳しい。
2回ほど、「ちゃんとしつけをしろ!」と叱られてしまった。

犬と暮らすことが当たり前のオランダでは、犬のしつけがきちんとできることも当たり前なのだろう。人の犬に対して吼える、攻撃するというのは最悪らしい。笑って済まされることではないらしい。犬を飼っているのなら、自分の責任できちんと管理するというのが基本。「犬は悪くない。管理できないお前が悪いんだ」というところだ。

ここではほとんどのレストランに犬を連れて入ることができる。
また、バスや地下鉄にも乗れるし、洋服屋などの普通の店にも入れる。
大きな公園がいたるところにあり、家では鎖につながれることなく走り回れる。
犬にとってはいつでも飼い主の側にいられる幸せな環境である。

この幸せな環境をより多くの人が共有するためには、やはりしつけが必要なのだろう。恐らく、その辺がきちんとできない人は犬を連れて歩く資格がないということだ。なかなか厳しいようだが、人と犬が共存する歴史が長いヨーロッパでは確固たるルールなのだろう。

それを思うと、日本はまだまだ飼い主のしつけに対して甘い。
犬は家族の一員ではなく、まだまだペットの領域なのだろう。
ヨーロッパの歴史の重みを感じる一面である。

つづく

目次に戻る
次章をお楽しみに