《目の曇り たまに拭って 愛燦々》

 一週間分の掃除を始めました。部屋から部屋へ掃除機を引き回していると,水周りを担当しているはずの連れあいがいません。ちょっと外に出たまま草取りにはまっているようです。クロスで家具類のほこりを拭き終わったところで,久しぶりにテレビのブラウン管面を濡らしたティッシュで拭いてみました。真っ黒になりました。その分画面がきれいになったということです。チェックのためにテレビをつけてみると,ちょうどニュースを報じている女性アナウンサーの顔色が気のせいかより白く見えます。みなさんも一度テレビ画面をきれいに拭き掃除してみてください。
 目から鱗が落ちるということがあります。発想の転換だけではなく,暮らしの中でリフレッシュすべきことはたくさんあります。例えば子どもや連れ合いを見る目が少しずつくもっていることに気が付かないままではありませんか。暮らしのアカは目にもたまります。どうしたらこのくもりを拭えるのでしょうか。
 久しぶりに会った人の変貌はよく見えるという経験がヒントになりますが,単身赴任などの特例を別として,子どもや連れ合いにたまに会うというわけにはいきません。ただでさえパパは家庭に存在感が無いのですから。とりあえずやってみることは複眼を持つことです。子どもに対しては父の目と母の目を持ち,二つを対話によってしっかりとつなぐのです。親の目だけでは見えなかった子どもの姿が見えてくるはずです。また連れ合いを夫婦としてではなく,男女の仲として意識してみることです。そのためには二人が向き合っていてはだめで,一緒に外の世界に関わってみることです。お互いが少し違って見え新鮮な関係になれます。見直せば惚れ直しできるかも・・。

(リビング北九州掲載用原稿:98年11月-2)