《よく見れば 学びの種は すぐそばに》

 「九州」のローマ字表記は,KYUSHUとなっています。ワープロでローマ字入力すると「きゅしゅ」とひらがなになり,漢字変換できません。KYUUSHUUと入力しなければなりません。さらになぜか拗音の「ゅ」の表記にYとHを使い分けています。
 ところで九州の九とはいったい何の数でしょうか。昔の国の数であり,それは筑前,筑後,豊前,豊後,肥前,肥後,日向,大隅,薩摩です。分権の地名が実状から乖離していますから,そろそろ改名して「七州?」にしたらという声があがってもよさそうなものですが,あまり耳にしません。北海道に対比して南海道とか,東北地方に対比して西南地方とか言えばすっきりするかもしれません。21世紀に向けて初夢的な議論をするのも楽しいでしょう。もしかしたら,いっそのこと番号制にしたらというとぼけた提案で,郵便番号の800番代地方か,あるいは電話番号の090番代地方の決選投票になるかもしれません。年始めにふざけて,また連れ合いに叱られます。
 連れ合いの実印は名前が彫ってあるものですが,あるとき知り合いにしゃれているわねと言われたそうです。中学の卒業記念としてもらったものです。女子は結婚すると姓が変わるので,名前の印鑑になったということです。当時は別姓もあるとは思いもされなかったことでしょう。誰もが当たり前と思っていることは,時とともに変化していきます。時が流れれば名前の印鑑もおしゃれに見えてしまいます。
 子どもは育つ中でいろんなものを身につけますが,成人するころには意味が変わっていきます。ですから,学びについても,知識を蓄えるより,学び方を覚えることの方が生きる力になります。よく観察し自分で考える習慣をしつけたいものです。そうすればいつも自分が獲得した知恵をリフレッシュすることができるからです。

(リビング北九州掲載用原稿:00年1月-1)