《楽しみは 知識変化に 出会うとき》

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 水金地火木土天海冥。この馴染んできた太陽系の惑星が九つから八つに変わりました。冥王星が矮小惑星という新しい分類に格下げになりました。惑星とは,太陽の周りを回っている星であるというのが常識ですが,その基準であればたくさんの小惑星も含まれてしまいます。これまで,惑星の資格条件が決まっていませんでした。科学の分野でありながら,明確な定義がなかったというのはとても不思議なことですが,2006年8月24日,プラハで開催された国際天文学連合(IAU)の総会で,やっと惑星の定義が採択されました。

 1.太陽を周回する。(これは一般常識です)。
 2.自分の重力で固まって球状をしている。(丸い塊でないと違和感があります)。
 3.その天体が軌道周辺で圧倒的に大きい。(多少いい加減な感じもしますが)。

 冥王星は海王星と軌道が重なっており,直径が2400kmで月(3500km)よりも小さく,条件3を満たしていないということです。冥王星は1930年,アメリカのトンボーという人が発見したもので,古来から知られていた惑星ではなく,最も新参の惑星でした。発見された当初は,アメリカ人が見つけた惑星ということでもてはやされ,その名前であるプルートはディズニーのキャラクターにも登場するようになりました。
 冥王星は惑星ではなくなったといえ,星として存在が否定されたわけではありません。元惑星になったということでしょう。科学の知識は決定的であるという思いこみが揺さぶられる出来事ですが,発明や発見というステップを経て,知識とは改正されていく宿命を背負うものです。そのことを改めて気付かせてくれました。
 日月火水木金土。これは一週間の曜日ですが,暦ができた当時の惑星はこの七つでした。当時は天動説ですから,地球が中心なので,地球がありません。代わりに,太陽と月が入っています。惑星の順序は,月水金日火木土,となっていました。曜日の順序と違いますが,それは当時の人が信じていた占星術によって曜日が決められたためです。もしも今同じように惑星で曜日を決めていたら,一週間が9日になったり8日になったりで大混乱だったことでしょう。今と昔を結びつけてみると,他愛のない変動が見えてきて,楽しむことができます。 

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(2006年08月27日号:No.335)