《楽しみは 緩急自在の 人間距離》

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 テレビを見ていたら,ある女優へのインタビューで「猫派ですか,犬派ですか?」という質問が出されていました。猫は孤高タイプで,犬は群居タイプというイメージの中で,自分を通すのが猫派,主人に忠実なのが犬派という意味合いの前置きがあって,「私は猫派」という答えでした。その女優さんが離婚申し立て中であったことから,「主人」という言葉にあれこれ推量の矛先が向けられていたようです。
 ところで,このコラムの355号(1月14日)で,野良猫の小屋の話をしました。家に隣接する田んぼのあぜ道から消えたと書いておきましたが,じつは家の間を走っている狭い水路の上に引っ越しされていたのです。ちょうど死角になっていて見えませんでした。自治会の総会の席で苦情が出ているという報告があり,5月に予定されている美化作業の時に水路の掃除もするので強制撤去するということが了解されました。誰が世話をしているのか特定できないためです。猫は嫌いではないのですが,狭い庭の芝生を汚してくれるので,迷惑をしています。かわいそうだが仕方がないかなと思っています。世話をしている方が講じるであろう善後策を期待しています。
 子どもがせがむので,ビーグル犬を飼っていたことがあります。途中で2キロほど離れた場所に引っ越しをしたのですが,鎖を離れると前の家に戻ってしまうことがありました。生まれ育った家が自分の家と思っていたのでしょう。犬は人に付くと思っていたのですが,家に付く犬もいるようです。そのたびに連れ戻しに出かけさせられるやっかいな飼い犬でした。猫は家に付くといわれますが,小屋を撤去された猫はどうするのでしょう。無くなってしまえば,新居をどこかに探さざるを得ないことになるでしょう。
 家人が留守の家に独りでいると,何かしら人の声が恋しくなり,見もしないテレビをつけたりします。外で人の声がすれば,それでも気持ちは慰められます。人は孤独を嫌がるもののようですが,さりとてひとりっきりになりたいという気持ちも持ち合わせています。生活が共同であることから生じるいわゆる雑用に追われるときもあります。
 いずれにしてもほどほどがいいということなのでしょう。つかず離れず,緩やかな関係が望ましいようです。ある人とは密接に,ある人とはそれなりに,さらには始終ではなくて,時に応じてといった変幻自在さがなによりです。猫になったり犬になったり,上手に使い分けをするのも楽しいことです。

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(2007年04月15日号:No.368)