《喜びは 小さな発見 密やかに》

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 年が改まって,もう一月が過ぎて,カレンダ−を破いたら2月です。古い呼び方では,キサラギです。寒さを凌ぐために,衣(きぬ)をさらに重ねて着ることから,「衣更着(きさらぎ)」というのが語源といわれています。また,緩やかに陽気を感じられるようになるので「気更来(きさらぎ)」といわれていたのが転じたという説もあるようです。
 3日は節分です。暦は自然に結びついていることに改めて気づかされます。曜日も天体の名前に結びついています。ところで,日月火水木金土という順序はどのようになっているのでしょう。天体の順序といえば,太陽系の順序,太陽に近い順は,水金地火木土です。なんとなく似ているようで,違っています。曜日には日月がありますが,太陽系の順には地がありません。古代の人は人の世の運命が星に結びついていると考えていた名残が今に続いています。
 昔の人は地球が中心と思っていたので,天体の順序を,地,月,水,金,日,火,木,土としていました。太陽と地球が入れ替わっています。この順序を元に1時間毎に運命を支配する天体を割り付けていくと,一週間の順序が現在の曜日になっています。(詳しくはこちらを参照してください)。知らないうちに,日々の暮らしに自然の姿が入り込んでいます。
 講演をしているときに,聞き手が少し退屈しているなと思ったとき,そのときの話題に無理にこじつけて,この曜日の話や六曜の話に逸れる話をすることがあります。意外と興味をそそられるようで,気持ちを揃えることができます。そもそもは,大学での講義の途中に学生の気持ちを揃えるためにしていた技でしたが,先日久しぶりにこの手を使ったので,懐かしさもあって,ここに登場したということです。
 何気なく暮らしに関係しているありふれた事柄は,その成り立ちが正確に理解されていません。そういうものと覚えてしまえば済むからです。曜日も訳など知らなくても困らずに使うことができます。身近な事柄の訳を知ると,その事柄が一層身近に感じられるようになります。小さな発見という新鮮な感覚が,人としての知的な刺激をくすぐるから,関心を示すことになるのでしょう。「そうだったんだ!」。そのような知的好奇心が働いているうちは,人は生きていく喜びを持つことができます。

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(2018年02月04日号:No.932)