《第3章  子育て心温計の仕様》

 【3.2】子育て心温計の健全発育部
 右側の健全な発育部について順に説明をしていきます。

[(6)成熟への意欲を持てるか]
 モデルに向かって希望を持って努力し,一方で未熟な今でも協同することでそれなりに役に立てていると感じられたら,一歩一歩の遅々とした歩みに過ぎなくても自信を得ながら継続することができます。努力を重ねてゆくうちに連帯した社会の中で自分が十分に責任を果たしていけるまでに成長できたら,自分の目指す理想に向かってさらに自主的に挑戦していけます。この状態が〈協力状態〉です。
 この協力状態にまで成長しますと,社会性が芽生えます。もう一人の自分が,自分と他人,自分と社会の両方を見渡します。自分が皆の中の一人であり社会の一員であることを理解できます。つまり社会という概念を知るようになります。親子,家族,隣人,地域,学校その他のいろいろな社会を動かしているのは皆の力であり,自分もその一人であることに誇りを持とうとして努力します。互いに支え合うために分担して仕事をし責任を果たすことが信頼感を育み,仲間という気持ちが生み出されます。この信頼に裏打ちされた仲間になることは,他人が自分を認めてくれることであり,社会的な自立が保証されることになります。自分の社会的存在感は,この協力状態に入ってはじめて得られるものです。
 責任ある社会の一員になろうという意欲を持ちますと,明日への展望が拓け,今日より明日という具合に時と共に自分を高めようとする前向きの「期待感」が現れてきます。もう一人の自分がそうさせます。それが進歩を生み出してゆきます。