*****《ある町の社会教育委員のメモ》*****

【作業工程?】

 行事計画について協議をする場に出席して,何となく気になったことがあります。好みの問題かもしれませんが,一度考えておくことも今後のために大事でしょう。会議のリードに関する印象です。
 地区研修会の準備についての協議でした。開催地の委員が議事を進めていきますが,招集された参加側の委員の関心点がはぐらかされていました。開催地にとっては二次的な事項です。例えば,発表の時間的進行案,昼食の場所などの質問に対して,提案側では全く想定されていませんでした。
 行事を計画するとき,準備から後始末までのあらゆる場面を視野に入れて,一つの流れを作り上げておかなければなりません。言い換えれば,参加する人一人ひとりの日程をスムーズに運ぶ詳細な計画でなければ,対応しきれません。具体的な項目毎に流れ図をつくり,全体の連携に目配りできるような日程表を作成してみることを勧めます。具体的にはそれぞれの立場になってみれば簡単です。
 もう一つの留意点は,会議に諮るときには最終段階までの計画を持っておくということです。たとえ中間の時期での会議であっても,あらかじめ決めておくべき手順に落としがあれば混乱します。それぞれの物事は準備から始まるという簡単なことを意外に忘れるものです。次の会議の時ではもう間に合わないという事態が起こります。
 さらにはじめての立案をするときに決め忘れることがあります。それは,しなければならないことは誰しも見えるのですが,会議のリード役は別の留意をしておかなければなりません。それはそのことを誰が責任を持って実行するかという担当決めです。「しましょう」という点の了解を得たとしても,誰かがするだろう,例えば会長や幹事が,あるいは事務局が,あるいは担当者が,とお互いに譲り合い見合ってしまい,結局誰も実行していないということがあります。「誰が,どこへ,いつまでに,なにをするのか?」という個別の納得を,個々の作業のすべてに図っていくリードが肝心です。
 多くの人に手伝ってもらうことで事業は成り立ちます。その成否は具体的作業工程の有無にかかっています。事業を主催する者には,そのコーディネート能力の発揮が求められているのです。何も特別の才能ではありません。流れを綿密に追う根気があれば十分でしょう。

(2001年09月21日)