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【委員へのアンケート?】
毎月定例の社会教育委員の会議で,ここ数回,冒頭に2問からなるアンケートを委員の方に実施しています。無記名のアンケートの結果は,次回の会議の冒頭に委員さん方に報告しています。自分の回答が全体の中でどの位置にあるか,自己確認をしていただいています。それがアンケートを実施する当面の目標であるからです。もちろん,10名の定員に対する調査ですから厳密な一般分布とは言えませんが,委員会組織内部に限定した意味はあるはずです。
内部アンケートをはじめたきっかけですが,ちょっとした意図があって,委員さん方の考え方の分布を知りたくなったのです。会議では全員一致を目指すのが通例ですが,考え方の違いは避けられません。合意を図ろうとすると,どうしても妥協という手続きが必要になります。
会議のテクニックとして,最も多くの人がよしとするポイントに収斂させることが妥協の程度を最小限に抑えることになります。委員会として何かしらの結論を出した場合に,委員の多数意見は世間の多数意見と一致するという前提が期待されています。もちろん,委員には世間の人以上に詳細な情報が手元にあるという条件があるので,一概には言えませんが,同じ状況なら同じ結果に至るはずという前提が委員会という代議制の存在基盤です。
実は,委員会で社会教育関係団体に対する補助金の議論をいずれしなければならないと思っていました。現実には,多様な要件が込み入って一筋縄では収まらない事案ですが,そういう雑多な状況を取り払ってしまうとどうなるか知りたいと思ったのです。即ち,補助というのはあくまで補助であり,足りないから補い助けるものです。補助を当てにするのは筋違いではないか? それが基本であると考えてみたかったのです。
そこで,「中学生の子どもが欲しいものを買うためにお小遣いを貯めています。必要ではないが持っていた方がいいかなと思われます。健気さを応援するために,価格の何割まで貯めたときに,残りを助けてやりますか」,という質問を委員さん方に投げかけてみました。純粋に近い補助の割合が見えるのではないかという期待を持っていました。
ところが,結果は意外でした。調査時はたまたま8名の委員さんだったのですが,2割という回答がなくて,1割から9割まで重なりなくバラバラだったのです。大方の人がこの程度,というポイントは出てきませんでした。自費が1割でいいと考える人から,自費が9割は必要と考える人までいるということです。子どもを引き合いに出したことが,甘い線を引き出してしまったようで,状況設定が拙かったのではと反省しています。
それにしても,見事にばらけていました。例えば,補助というのは5割までといった何らかの目安になる線が見えることを期待し,その結果を団体への補助金に関する議論のベースにできないかという思惑は流れてしまいました。単純に結びつける積もりはありませんでしたが,少なくとも補助は補助という感覚を呼び起こしておこうとした下心は潰えたわけです。
実施しているアンケートは,これ以外にもあります。家庭の教育力の低下の原因として,委員さん方はどのように判断されているかも尋ねました。公表されている親に対する調査結果と,委員さん方の結果をつきあわせると,状勢判断の適否がうかがえます。委員さん方の判断で社会教育計画ができあがりますが,対象となる親の実感と重なっていなければすれ違いになります。そのあたりの調整ポイントを会長として見極める意味で,アンケートを利用しようと考えています。委員会の状況判断が計画の基盤になる以上,そのチェックを何らかの形で実行しておきたいと願って,現在のところ試行錯誤を密かに進めているところです。
これからもいろんな形のアンケートを実施して,それらが社会教育委員会の活動に対して何らかのよい方向性をもたらすものと確かめられたら,あらためて「社会教育活動」のページできちんと報告したいと思っています。
(2002年12月08日)
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